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「モサエビ」ってどんなエビ? ~旬・産地・美味しさのヒミツ~
©鳥取県
「モサエビ(猛者えび)」の正式名は「クロザコエビ」。
別名「ガラエビ」「ガサエビ」「ドロエビ」などとも呼ばれています。
名前の由来は頭がゴツゴツしていて「猛者」のような印象を受けるため、と言われていますが正確には不明。
鳥取県の東部では「モサエビ」、西部では「ドロエビ」と呼ばれることが多いようです。
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体長は13cm前後で、いかつい名前に反して味は最上級!
透明感あふれるプリプリの身に、強い旨みと甘味が詰まっています。
それもそのはず、「モサエビ」の旨みの元となるアミノ酸の一種「タウリン」は、なんと一般的な甘えび(ホッコクアカエビ)の約3.5倍!
(鳥取県水産試験場の研究より)
脂質もエビの中では多く、豊かな風味ともっちりした食感を楽しめます。
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モサエビが生息しているのは、日本海の水深200m~250m、水温5℃前後の深海です。
そのため水揚げ後は鮮度が落ちやすく、鳥取・北陸・近畿の日本海側にしか出回りません。
さらに太平洋側では獲れないため、全国的にも激レアな海老 !
鳥取に行くならぜひ食べたいご当地グルメです。
「モサエビ」はどこで食べられるの? ~水揚げ港のそばが狙い目!~
鳥取県のモサエビの水揚げ港は、主に以下の5つです。
境港(境港市)・鳥取港(鳥取市)・賀露(かろ)港(鳥取市)・網代(あじろ)漁港(岩美町)・赤碕町漁港(琴浦町)
これらの港の市場や道の駅、港近くのお店、海に近い観光地がモサエビ料理の狙い目!
新鮮なモサエビをリーズナブルに食べられます。
※倉吉市や三朝温泉はやや内陸ですが、漁港まで車で1時間程度なので、やはりモサエビ料理が名物のお店・旅館があります
ランチは海鮮丼が主ですが、単品や定食の1品に刺身・塩焼き・素揚げ・お味噌汁などを出してくれるお店もあります。
和食の料理店や旅館では刺身・焼きエビ・素揚げ・天ぷら・煮付けなどの一品料理や、フルコースを食べられます。
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また、港の市場(直売所)や、港に近い道の駅・鮮魚店などでは生のモサエビを売っているところもあります。
日帰り旅行や日帰りドライブなら、クーラーボックスを持参してお土産にするのも良いでしょう。
ただし生のモサエビはとても鮮度が落ちやすいため、なるべく現地で、または当日中に食べるのがオススメです。
キャンプ泊ならBBQで焼きエビにすると最高です!
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「鳥取まで行けないけどモサエビを食べたい!」
という人は、活魚や冷凍のモサエビをお取り寄せ(通販)できるお店もあります。
以下のリンクからチェックしてみてください。
ご当地「モサエビ」料理あれこれ ~鳥取で「モサエビ」を食べるならコレ!~
モサエビの本場・鳥取県ではいろんなモサエビ料理を食べられます。
新鮮なモサエビはミソや殻まで美味しいので、ぜひたくさんのモサエビ料理を味わい尽くしてください!
なお、モサエビは漁港の水揚げが無い日や、お店が仕入れていない日もあります。
確実に食べたい場合はお店を予約するか、当日なら電話で仕入れの有無を問い合わせると良いでしょう。
①モサエビ丼(海鮮丼)
モサエビの代表的なランチメニュー。
モサエビだけのどんぶりや、他の魚介と一緒に盛り付けたどんぶりがあります。
写真は岩美町にある「お食事処あじろや」の「モサエビ満喫丼」。
モサエビの初物が出回る秋の名物どんぶりで、新鮮なモサエビを刺身・天ぷら・唐揚げなどで楽しめます。
【お食事処あじろや】
HP:https://yourun1000.com/ajiroya/
住所:鳥取県岩美郡岩美町大谷2182(「浦富海岸 島めぐり遊覧船」乗り場内)
営業時間:11:00~14:00(ラストオーダー14:00)
定休日:火曜(団体予約がある場合は営業)・冬季休業(12月下旬~2月末)
そして琴浦町の「魚料理 海 」は、モサエビといろんな海鮮のコラボを楽しめる「鳴石丼」(写真)で有名!
海苔の上にむき身のモサエビがたくさん載った「モサエビ丼」や「モサエビ天丼」もある、行列の絶えない人気店です。
【魚料理 海】
HP:https://www.kotoura-kankou.com/eat_shopping/umi/
住所:鳥取県東伯郡琴浦町別所267-1(道の駅「ポート赤碕」となり)
営業時間:10:30~21:00(月・火・水・金)/10:30~14:00・17:00~21:00(土・日・祝)
定休日:木曜
②刺身
モサエビの代表的な料理。
新鮮なプリプリの身と、独特の旨みと甘味を堪能できます。
鮮度が命なので、水揚げ港に近いお店がオススメ!
1~3月の産卵期は卵を抱えた「子持ちモサエビ」の刺身も楽しめます。
③焼きエビ(塩焼き・陶板焼き・石焼き)
エビやカニなどの甲殻類は、焼くと旨みが強くなります。
モサエビも同じで、特有の旨みをしっかり味わえます。
焼き方は炭火焼き・陶板焼き・石焼き(写真)などで、香ばしく焼きあがった身はジューシーでプリプリ!
陶板焼きや石焼きは蒸し焼きになるのでフンワリ仕上がります。
なお、1~3月の産卵期に出回る「子持ちモサエビ」や、頭や胸の中に卵を抱えた内子のモサエビは、焼くととても濃厚な味わいです。
④素揚げ・天ぷら・天丼
エビ料理と言えば揚げ物!
モサエビなら、さらにスペシャルな美味しさになります。
素揚げはモサエビの旨みと甘味を堪能するために、海塩・岩塩・レモン汁などでシンプルにいただくのがオススメ。
衣付きの天ぷらや天丼にしても、強い旨みがいっそう引き立ちます。
丸ごと一尾揚げるほか、身を刺身にして、余った頭を揚げてくれるお店もあります。
モサエビの美味しさを2倍楽しめるオススメの食べ方です。
⑤煮付け
旨みと甘味の強いモサエビは、煮込んでも味がしっかりしています。
そんなモサエビの特長を生かした鳥取の郷土料理です。
醤油やみりんで薄味にサッと煮付けて、身が固くならない内に火を止めます。
⑥味噌汁
モサエビの頭や殻を煮出した旨みたっぷりの味噌汁!
ミソのコクがしっかり染み出て、えも言われぬ美味しさです。
具はワカメや豆腐を入れるのが鳥取流。
単品よりもランチ定食や夕食のコースの1品としてよく出されます。
⑦もさえびフルコース
©鳥取県
居酒屋・日本料理店・旅館の夕食などで食べられるモサエビ尽くしのフルコース!
鳥取県が誇るモサエビの美味しさを余すところなく味わえます。
メニューは刺身・焼きエビ・素揚げ・天ぷら・鍋・雑炊・お味噌汁・茶碗蒸し・みぞれあえ・お寿司など。
いろんなモサエビ料理をまとめて楽しめます。
⑧もさバーガー
鳥取のスタバならぬ「すなば珈琲 道の駅 神話の里白うさぎ店 」で食べられるご当地ハンバーガー。
モサエビを丸ごと使い、白身魚のすり身を足してフンワリ仕上げたエビカツのパティを、砂丘らっきょう入りのタルタルソースや鳥取産のトマト・レタスと一緒にいただきます。
パティは道の駅の目の前に広がる“恋人の聖地”白兎海岸にちなんだハート型。
モサエビをお手軽に味わえる名物バーガーです。
同じく「すなば珈琲」の鳥取砂丘コナン空港店・水木ロード店・“新”鳥取駅前店などには「もさ海老ホットサンド」があります。
【道の駅 神話の里白うさぎ】
HP:https://sirousagi.com/
住所:鳥取県鳥取市白兎613
【すなば珈琲】
HP:https://sunaba.coffee/
⑨もさえびせんべい・もさえびチップ
モサエビの身や殻を練りこんだお煎餅とチップ。
お土産屋さんや道の駅などで販売しています。
鮮度が落ちやすい「モサエビ」を長期間保存できて、お土産にもできるうれしいスナック♪
写真提供:
鳥取県、鳥取市 観光・ジオパーク推進課、琴浦町観光協会、お食事処あじろや、魚料理 海/無断転載禁止
ライター:風間梢(プロフィールはこちら)