「最近、シャンプーの時の抜け毛が増えた気がする」といった具合に、夏の季節特有の抜け毛の悩みを抱えてはいないでしょうか?
特に40代を過ぎると、これが一時的な季節のものなのか、それとも年齢による本格的なサインなのか、見分けがつかずに不安になってしまうのもわかります。
そこで以下では、そんなあなたの不安に寄り添う内容をまとめました。
まず、あなたの抜け毛が「心配ない自然現象」か「注意すべきサイン」かを見分けるポイントを解説します。
その上で、夏特有の原因から、今日からできる具体的な予防方法や改善策など、網羅的に紹介しています。
正しい知識とケアで、夏のダメージを乗り切り、秋以降も健やかな髪を保ちましょう。
夏の自然現象で起こる抜け毛の見分け方

夏になると、シャンプーやブラシに絡まる髪が増えて、「もしかして薄毛の始まり?」と不安になる方も多いのではないでしょうか?
その抜け毛が、誰にでも起こりうる「季節的な抜け毛」なのか、それとも、少し注意が必要な「頭皮からの危険サイン」なのか把握できていると安心です。
以下では、ご自身で判断するための一つの目安として、両者の見分け方のポイントを詳しく解説します。
季節による「自然な抜け毛」の特徴
夏になると、お風呂の排水溝やブラシに絡まる髪が増えて、ドキッとした方も少なくないでしょう。
抜け毛が続くと、「このまま薄毛になってしまう」と心配になる気持ち、よく分かります。
しかし、まずはご安心ください。健康な人でも、夏から秋にかけては一時的に抜け毛が増えるケースが、ごく自然な現象として知られています。
ご自身の抜け毛が、心配のいらない「自然な抜け毛」かどうか以下の2つの点で確認してみましょう。
- 確認するべきポイント
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- 1日の抜け毛の本数は50〜100本程度:一般的に健康的な人であっても、ヘアサイクルによって毎日50〜100本ほどの髪は自然に抜け落ちる。
- 抜けた毛の「毛根」が、白くふくらんでいる:毛根部分が、マッチ棒の先のように、白くふっくらとしていれば、寿命を全うした健康な抜け毛である。
もしあなたの抜け毛がこれらの特徴に当てはまるなら、それは季節による一時的なものである可能性が高いでしょう。
自然な抜け毛と感じないのなら要注意!これは頭皮からの危険なサイン
一方で、「自然な抜け毛」の特徴に当てはまらない場合は、少し注意が必要かもしれません。
それは、頭皮が何らかの助けを求めているサインである可能性があるからです。
もし、以下のどれかが当てはまるかチェックしてみてください。
- 確認するべきポイント
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- 明らかに抜け毛の量が多い:1日に150本や200本など、目安を大きく超える量が続く。
- 細くて短い毛がたくさん抜ける:寿命を全うする前に抜けてしまっている、弱々しい髪が目立つ。
- 頭皮に、かゆみや赤み、フケがある:抜け毛と同時に、頭皮環境そのものに異常を感じる。
- 分け目や頭頂部など、特定の部分だけが薄く感じる:全体的に抜けるのではなく、一部分に集中している。
これらのサインが見られる場合は、単なる季節性の抜け毛ではなく、専門的なケアや治療が必要な場合もあります。
一度、皮膚科や専門のクリニックに相談してみてください。
頭皮と髪を疲れさせる原因は?夏に抜け毛が増える理由
夏の抜け毛の多くが、ある程度は自然な現象だと分かっていても、「なぜこの季節に集中するのだろう?」と、疑問の思う人も少なくないでしょう。
その背景には、夏特有の過酷な環境が、知らず知らずのうちに頭皮と髪を疲れさせているという事実があります。
以下では、代表的な5つの原因をまとめました。
「紫外線ダメージ」による頭皮の日焼けや乾燥

夏の抜け毛を考える上で、最も大きな原因となるのが「紫外線」です。
肌と同じように、頭皮や髪も紫外線を浴びることで日焼けし、ダメージを受けてしまいます。
頭皮が乾燥するとバリア機能が低下し、健康な髪を育てるための土台そのものが弱ってしまうでしょう。
さらに、紫外線は頭皮の奥深くにまで到達し、髪を作る大切な毛母細胞にまでダメージを与え、正常なヘアサイクルを乱す原因にもなりかねません。
もちろん、髪の毛自体も例外ではないため、髪の毛をきれいに保ちたい方も注意しましょう。
表面のキューティクルが傷つくことで、ツヤが失われるだけでなく、切れ毛が増えるリスクも高まるからです。
このように、紫外線は頭皮と髪の両方にとって大敵と言えます。
頭皮へのより詳しい影響については、以下の記事をご参照ください。
※参考:紫外線は1年の間ずっと気を付けたほうがいい理由と頭皮への影響はコレ!
「汗・皮脂」による毛穴の詰まりと雑菌繁殖

夏の強い日差しに加え、高温多湿の気候による「汗」や「皮脂」の増加も、抜け毛の大きな原因のひとつです。
夏は、汗や皮脂の分泌量が他の季節の2〜3倍になるとも言われています。
この過剰な汗や皮脂が古い角質やホコリと混じり合って毛穴に詰まると、髪の成長に必要な栄養が毛根まで届きにくくなってしまうでしょう。
また、湿度の高い状態の頭皮は、ニオイやかゆみの原因となる雑菌が繁殖しやすくなっています。
雑菌が過剰に増えると頭皮が炎症を起こし、毛根そのものにダメージを与えて、健康な髪の成長を妨げてしまうことにもつながりかねません。
よかれと思ってかぶっている帽子も、通気性が悪いと、かえって頭皮を蒸れさせ、この悪循環を助長してしまう場合があるため注意が必要です。
「エアコン」による頭皮の乾燥と血行不良

夏の暑さを乗り切るために欠かせないエアコンですが、その快適さと引き換えに、頭皮や髪に負担をかけている場合があるのをご存じでしょうか?
- 頭皮の負担が増加するメカニズム
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- 想像以上の「乾燥」を引き起こす:頭皮が乾燥するとバリア機能が低下し、頭皮トラブルが増える原因になる。
- 「冷え」による頭皮の血行不良:体が冷えると、頭皮の毛細血管が収縮し、血行が悪化する。その結果、これが抜け毛や髪が細くなる原因となる。
快適なはずの室内環境が、知らず知らずのうちに頭皮を疲れさせている、というわけです。
「夏バテ」による髪の栄養不足

夏の暑さは、髪の外側だけでなく、私たちの体の中、つまり内側からも影響を及ぼします。
その代表例が、「夏バテ」による栄養不足です。
暑さで食欲が落ち、そうめんやアイスといった、のどごしの良いものばかり食べてしまうことはないでしょうか?
こうした食事の偏りは、髪の主成分であるたんぱく質や、健やかな頭皮に必要なビタミン・ミネラルの不足を招きます。
髪を作るための栄養が不足すると毛根の働きが弱まり、新しく生えてくる髪が細くなるだけでなく、成長途中で髪の毛が抜け落ちる原因にもなりかねません。
夏バテによる体力の低下は、そのまま髪の体力の低下にも繋がっている、と考えると分かりやすいでしょう。
「熱帯夜」による睡眠不足と成長ホルモンの乱れ

最後の原因として、見過ごされがちですが非常に重要なのが、「睡眠の質の低下」です。
寝苦しい熱帯夜が続くことで起こる睡眠不足もまた、抜け毛に繋がってしまいます。
というのも、私たちの体は眠っている間に「成長ホルモン」を分泌しているからです。
このホルモンは、日中に受けたダメージを修復するだけでなく、新しい細胞を作る上でも重要な役割を担っています。
髪の毛も、この成長ホルモンの働きと大きく関わっているといっても過言ではありません。
しかし、熱帯夜などで寝苦しく睡眠の質が低下した場合、この成長ホルモンの分泌が十分に行われず、髪の成長が妨げられたり、頭皮のダメージが回復しにくくなったりして、抜け毛が増える原因となってしまいます。
夏の抜け毛を防ぐための「守りのヘアケア」
夏の抜け毛の原因がわかったところで、次は、それらのダメージから髪と頭皮を守るための具体的な予防策をご紹介します。
以下の3つの場面で、それぞれ適切な対策を行うようにしましょう。
日々の少しの工夫が、秋以降の髪を健やかに保つ鍵になります。できることから、始めてみてください。
帽子や日傘、UVカットスプレーで紫外線を防ぐ

夏の抜け毛対策で、まず基本となるのが、原因のひとつである「紫外線」から頭皮と髪を守るという点です。
日中の外出時には、以下のような対策を習慣にしましょう。
まず、帽子や日傘で、物理的に紫外線をカットしてください。
日差しが強い日は、帽子や日傘を活用するのが最も効果的です。
帽子を選ぶ際は、頭皮が蒸れないように、コットンや麻など通気性の良い素材を選びましょう。
日傘は、UVカット率(遮光率)の高いものを選ぶのがおすすめです。
中には、「帽子をかぶると、蒸れてかえって抜け毛が増えるのでは?」と心配になってしまうかもしれません。
しかし、素材選びと清潔を保つことを心がければ、基本的には問題ないでしょう。
詳しくは、以下の記事も参考にしてみてください。
※参考:帽子をかぶると抜け毛が多くなるのはデマ?薄毛の真実を淡々とまとめてみた
そして、髪と頭皮用の「UVカットスプレー」を併用するのもおすすめです。
帽子や日傘だけでは防ぎきれない、照り返しの紫外線などもあります。
お出かけ前には、髪や頭皮にも使える「UVカットスプレー」を全体に吹きかけておくと、より安心です。
汗をかいた後などは、こまめにスプレーを吹きかけ直してください。
正しいシャンプーで頭皮を清潔に保ち、しっかり保湿

外出時の紫外線対策とあわせて、一日の終わりに汗や皮脂をきちんと洗い流し、頭皮を清潔に保つのも、夏の抜け毛対策には欠かせません。
- シャンプーで汗や皮脂を洗い流す方法
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- シャンプーは、頭皮へのやさしさと保湿力で選ぶ:夏の頭皮は複雑な状態にあるため、洗浄力が程よいアミノ酸系など、低刺激で保湿成分の入ったシャンプーを選ぶ。
- 髪よりも「頭皮」を指の腹でやさしく洗う:洗い方のポイントは頭皮をマッサージするようにやさしく洗うこと。予洗いを丁寧に行い、シャンプーはよく泡立てておく。すすぎはシャンプーの倍の時間をかける意識が大事。
- お風呂上がりには頭皮の保湿も忘れずに行う:お風呂上がりの清潔な頭皮は、潤いを補給するのに適したタイミング。タオルドライの後、頭皮用の保湿ローションや美容液を使い、乾燥を防ぐこと。
ご自身の頭皮の状態に合ったシャンプーの選び方については、以下の記事でより詳しく解説しています。
※参考:頭皮ケアシャンプーがおすすめの人はこんな人!選び方や使い方の情報も公開中!
バランスの良い食事と質の良い睡眠を心がける

紫外線対策やシャンプーといった外側からのケアとあわせて、食事や睡眠などの「内側からのケア」も、夏の抜け毛を防ぐためにも大切です。
健やかな髪は、健康な体から作られます。
まず、髪の材料となる「食事」を見直しましょう。
夏は食欲が落ち、つい簡単な食事で済ませてしまいがちですが、髪の栄養不足に直結します。
髪の主成分であるたんぱく質はもちろん、頭皮の健康を保つビタミンやミネラルも、バランス良く摂ることを心がけましょう。
また、髪を育てる「質の良い睡眠」を確保してください。
髪の成長を促す「成長ホルモン」は、私たちが眠っている間に分泌されます。
寝苦しい夜は、エアコンのタイマー機能を上手に使って、快適な室温を保つ工夫も大切です。
40代からは特に重要になる!夏に負けない「攻めの頭皮ケア」
基本的な予防策とあわせて、40代からのヘアケアで特に意識したいのが、未来の髪を育てるための積極的な「攻めの頭皮ケア」です。
夏のダメージは、年齢を重ねた頭皮にとっては、若い頃よりも回復が難しく、より深刻な問題につながる可能性があります。
以下では、なぜ40代から「攻めのケア」が必要になるのかという理由と、そのための具体的な方法について、詳しく見ていきましょう。
40代からは「攻めのケア」が必要になる理由

上記でご紹介した「守りのケア」は、夏の抜け毛対策の基本です。
しかし、40代以降の頭皮は、若い頃と同じケアだけでは、夏のダメージから回復しきれない可能性があります。
それは、年齢とともに、肌の生まれ変わりのサイクルが遅くなるだけでなく、女性ホルモンの影響で頭皮が乾燥しやすくなるなど、頭皮そのものの「回復力」が、少しずつ低下してくるためです。
そこで、紫外線や乾燥などのダメージをただ「防ぐ」だけでなく、頭皮環境そのものを健やかに整え、これから生えてくる髪を力強く「育てる」という、一歩進んだ「攻めの頭皮ケア」という考え方が大切になってきます。
夏の過酷な環境にも負けない、健やかな頭皮の維持が、秋以降の抜け毛を減らし、薄毛の悩みを最小限に抑えられるようになるでしょう。
頭皮環境を整える育毛剤でのスペシャルケアも必須

では、具体的に「攻めの頭皮ケア」とは何をすれば良いのでしょうか?
そこでおすすめしたいのが、「薬用育毛剤」を毎日の習慣に取り入れることです。
- 薬用育毛剤の期待できる効果
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- 頭皮の血行を促進する
- 髪の成長に必要な成分を毛根に届ける
- 乱れた頭皮の状態を整える など
夏のダメージで弱った頭皮環境を健やかに整え、ハリ・コシのある、抜けにくい髪を育てる手助けをしてくれるといっても過言ではありません。
中には「育毛剤」と聞くと、薄毛がかなり進行してから使うもの、というイメージがあるかもしれません。
しかし、実際には、頭皮環境が気になり始めた段階から、予防的に使い始めるのがおすすめです。
育毛剤を使い始めるタイミングについて、詳しくは以下の記事で解説していますので、参考にしてみてください。
※参考:育毛剤を使うのはいつからがベスト?考えすぎないことが1番の対処法
夏の抜け毛はいつまで続く?「残暑」から「秋」にかけての注意点

夏の抜け毛に悩む多くの方は、「この抜け毛は、一体いつまで続くのだろう?」と気になってしまうのではないでしょうか?
髪がダメージを受けてから実際に抜け落ちるまでに、数ヶ月の時間のずれがあるといわれており、夏のダメージによる抜け毛のピークは、少し遅れてやってきます。
そのため、夏の間に受けた紫外線や頭皮の疲れの影響は、「秋」になってから、抜け毛として現れるケースが多いようです。
この季節性の抜け毛は、一般的に1〜2ヶ月ほどで自然に落ち着くと言われています。
しかし、だからといって安心はできません。
この「残暑」から「秋」にかけての時期は、夏のダメージを回復させ、冬の乾燥に備えるための、非常に重要なケア期間と言えるでしょう。
夏に引き続き、紫外線対策を続けるのはもちろん、頭皮の保湿や、血行を促す頭皮マッサージを丁寧に行ってください。
また、空気が乾燥し始める季節でもあるため、髪と体の両方から潤いを補給する意識も大切です。
夏の終わりのこの時期のケアが、秋以降の健やかな髪を育てるための土台となります。
正しい夏のヘアケアで秋以降も健やかな髪を保とう
今回は、夏の抜け毛について、その見分け方から原因、そして具体的な対策まで、幅広く解説しました。
夏に増える抜け毛は、多くの場合、季節による自然な現象です。
しかし、その背景には、紫外線や汗、エアコンなど、夏特有の環境が髪と頭皮を疲れさせているという事実があります。
そして、その夏の間に受けたダメージをいかにケアするかが、秋以降の髪の状態を決めると言っても良いでしょう。
夏の終わりの今からでも、正しいケアを始めるのに遅すぎることはありません。
今回紹介した内容を参考に、健やかな髪と頭皮を育み、季節の変わり目も自信を持って過ごしましょう。
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