~ 目次 ~
湯の花いっぱいの濃厚な温泉がたくさん! 温泉王国・島根の実力を実感。
春夏秋冬、いつでも旅人を癒してくれる温泉。
島根には、そんな旅行に欠かせない温泉がなんと46カ所もあります。(温泉地の数)
ここ「三瓶山温泉郷」は、中でも個性豊かな11湯が集う宝箱のようなエリア。
珍しい泉質や秘湯感たっぷりのロケーションで、温泉マニアの間でも熱烈な人気を誇っています。
路線バスなども通っていない秘境が多いため、すべて制覇するのは大変ですが、それだけの価値はアリ!
マイカーやレンタカーでぜひ巡ってみてください。
どんな温泉があるの? バラエティ豊かな全11湯をご紹介!
「三瓶山温泉郷」には、全11湯の個性あふれる温泉があります。
どれも秘湯ムード満点の、温泉好きなら一度は入ってみたい名湯ばかり!
泉質や特長など、それぞれの魅力をご紹介します。
①国民宿舎さんべ荘
三瓶山のふもとにある、中国地方最大の湧出量(毎分3,044.8リットル)を誇る温泉宿。
鉄分をたっぷり含んだ茶褐色の濁り湯は、湧きたては透明なのに、空気に触れると茶褐色になる「含鉄(Ⅱ,Ⅲ)-ナトリウム-塩化物温泉」。
鉄分と塩分の作用で、浸かると体の芯から温まります。
効能は肌荒れ・冷え性・貧血・月経不順など、女性に多いお悩みに効果的!
この珍しい温泉が16種類の露天風呂になっていて、国立公園の大自然を眺めながら浸かれます。
湯温は約38℃の源泉のままの「非加熱源泉風呂」と、ほどよく温めた約40℃の「加熱源泉風呂」の2種類。
これらに交互に入れば体の芯から温まります。
※温例交互浴:温かい湯で血管が広がり、冷たい湯で縮む「ポンプ作用」で血行が促進して、老廃物が排出されやすくなる入浴法
名産の三瓶そばや大アナゴなどが味わえるレストランもあり、立ち寄り湯やランチ・ディナーだけのご利用もOK!
周囲には三瓶山をはじめとするアウトドアスポットや、ワイナリー・博物館・石見銀山などの名所がいっぱいで、丸一日でも何泊でも遊び倒せます。
住所:島根県大田市三瓶町志学2072-1
電話:0854-83-2011
営業時間:10:30~21:00(最終受付20:00)
定休日:不定休
②三瓶温泉 志学薬師 鶴の湯
三瓶山のふもとにたたずむ、昔ながらの公衆浴場。
主に地元の人達が利用しますが、隣に観光案内所があってオープンな雰囲気です。
浴室は昭和レトロなタイル張りで、昔懐かしいノスタルジックなムードがたまりません。
鉄分をたっぷり含んだ茶褐色のお湯は、39℃〜40℃に加熱していてこんこんと湯船からあふれる源泉かけ流しです。
シャワーや蛇口などの洗い場はなく、アメニティ等も設置・販売していないため、入浴グッズを持参してください。
※無料休憩室あり
※タオルは近くの商店で販売
HP:http://sanbe.site/
住所:島根県大田市三瓶町志学932-1
電話:0854-83-2238(三瓶観光タクシー)
営業時間:12:00~21:00 (11~4月中旬は20:00まで)
定休日:元旦(1月1日)
③三瓶温泉 亀の湯
こちらも三瓶山の公衆浴場で、温泉街からは少し離れた場所にあります。
やはり湯量が豊富で、常に湯船からあふれだす「源泉かけ流し」です。
無人の浴場なので、タイミングによっては貸し切り状態!
湯温は35℃とかなりぬるめですが、夕方から加温されます。
こちらもシャワーや蛇口などの洗い場はなく、アメニティの販売や設置もないため、シャンプー・リンス・タオル等は持参してください。
※無料休憩室あり
※タオルは近くの商店で販売
HP:http://sanbe.site/
住所:島根県大田市三瓶町志学ロ357-5
電話:0854-83-2167(志学まちづくりセンター内 共同浴場管理組合事務局)
営業時間:10:00~21:00
定休日:なし(年中無休)
④小屋原(こやはら)温泉 熊谷旅館
三瓶山の北西のふもとにある、静かな山の中の一軒宿。
「秘湯」という言葉がピッタリの風情で、温泉マニアの間で熱烈な人気があります。
湯の花を豊富に含む「食塩性炭酸泉」は、浸かれば泡がビッシリ体にまとわりついて、体はポカポカ、肌はスベスベに!
湯温は37℃強とぬるめなので、ゆったり浸かって長風呂できます。
宿の真下から湧き出た源泉を完全非加熱・源泉かけ流しにしているので、4つある貸し切り風呂にはどれも湯の花がビッシリ!
まるで鍾乳洞のようで、それぞれおもむきが違う浴室もお楽しみです。
効能はリウマチ・皮膚病・神経痛など。
1736~40年頃に湧き出した、歴史の長い温泉です。
※入浴は宿泊客優先のため、日帰り入浴は要・事前問合せ
住所:島根県大田市三瓶町小屋原1014-1
電話:0854-83-2101
営業時間:要・事前問合せ(入浴は宿泊客優先)
定休日:不定休
⑤千原温泉 千原湯谷湯治場
その名のとおり、昔ながらの湯治場の風情が漂うひなびた秘湯!
足元から源泉が湧き出る珍しい「足元湧出泉」で、ポコポコと泡が立ちのぼる湯船は、まるで天然のジャグジーのよう。
開湯は明治の初期で、その頃から湯治場として多くの人々を癒してきました。
「何かあったら千原の湯へ行け」
というのが地元の人達の合言葉で、ケガ・火傷・虫刺され・皮膚病・腰痛・高血圧など、さまざまな効能で親しまれています。
非加熱&源泉かけ流しの贅沢なお湯は、約34℃~37℃で長風呂も楽々!
効能たっぷりの濃厚な温泉に心ゆくまでひたれます。
10~6月は薪風呂が焚かれるので、温かいお湯でゆっくりぬくもれます。
温泉の持ち帰りもできて、1リットル100円で販売しています。
HP:http://www.chihara-onsen.jp/
住所:島根県美郷町千原1070
電話:0855-76-0334
営業時間:
8:00~18:00/最終受付17:00(4月~10月)
8:00~17:00/最終受付16:00(11月~3月)
定休日:木曜
⑥湯抱(ゆがかい)温泉 中村旅館
万葉集の歌人・柿本人麻呂(かきのもとひとまろ)の終焉の地と伝わる古湯です。
大正5年創業の老舗旅館で、お食事付きの日帰り入浴か、宿泊のどちらかで利用できます。
特徴は湯の花がビッシリこびりついた湯船で、花びらのような湯の花が幾重にも積み重なったようすは、まるで鍾乳洞の「千枚田」のよう!
自然の驚異と美しさを感じられます。
泉質は効能たっぷりの「含弱放射能泉‐ナトリウム‐塩化物泉・炭酸水素塩泉」で、切り傷・冷え性・末梢循環障害・皮膚乾燥症・痛風・リウマチなどに効果的。
「玉造温泉」で有名な美肌成分のメタケイ酸もたっぷりの、化粧水いらずの名泉です。
住所:島根県邑智郡美郷町湯抱315-3
電話:0855-75-1250
営業時間:要問い合わせ
定休日:不定休
※日帰り入浴(食事付)・宿泊とも要予約
⑦波多温泉 満壽(まんじゅ)の湯
個性的な濁り湯が多い「三瓶山温泉郷」の中で、唯一の無色透明な温泉。
2002年に湧いたばかりの新しい温泉なので、きれいな施設と行き届いた設備で手ぶらでも気軽に立ち寄れます。
※アメニティグッズは有料
浴室からのどかな里山を一望できて、入浴後の休憩室や食事処なども完備!
泉質は「カルシウム・ナトリウムー硫酸塩泉(低張性弱アルカリ性低温泉)」で、肌ざわりが柔らかく、湯冷めしにくい優しいお湯です。
併設のお食事処「満壽」では、川魚や新鮮野菜などの地元食材を味わえます。
住所:0854-64-0800
電話:島根県雲南市掛合町波多1171-1
営業時間:10:00~20:00
定休日:水曜
⑧塩ヶ平(しおがひら)温泉 掛合まめなかセンター
静かな川のほとりに建つ、地域の交流センターの中にある温泉。
こぢんまりとした浴室と湯船ですが、常に新鮮なお湯があふれる源泉かけ流しです。
茶褐色の濁り湯は、光の加減で黄金色にも見える縁起の良い温泉!
湯の花たっぷりの濃厚な泉質で、泉質は「ナトリウム‐塩化物・炭酸水素塩泉」。アレルギー・皮膚病・高血圧・動脈硬化・更年期障害・慢性消化器病などに効果的です。
国道54号線ぞいにあり、松江自動車道の吉田掛合ICから車で約10分というアクセスの良さ。
男性風呂のみサウナ付きです。
住所:雲南市掛合町掛合821-1
電話:0854-62-0231
営業時間:12:00〜20:00
定休日:月曜
※2021年5月より、点検・修理のため当面のあいだ休業中
⑨湯谷温泉 弥山荘
石見銀山近くの緑豊かな田園の中にたたずむ、のどかな日帰り温泉。
戦国時代に兵士が傷を癒したと伝わる古湯で、約500年もの歴史があります。
2019年にリニューアルしたばかりなので、建物はとても新しくてキレイ! さらにバリアフリーなので、お年寄りや体の不自由な方でも安心です。
泉質は「ナトリウム‐塩化物泉(低張性弱酸性冷鉱泉)」で、効能は神経痛・筋肉痛・切り傷・抹梢循環障害・冷え性・皮膚病・疲労回復など。
茶色がかったサラッとしたお湯は、入浴後もポカポカと温かさが続きます。
源泉かけ流しの豊富な湯量と、信楽焼きの「つぼ湯」や季節ごとの薬湯など、バラエティ豊かな湯船がお楽しみ。
館内にはメニュー豊富なレストランとお土産屋さんもあります。
住所:島根県邑智郡川本町大字湯谷781-2
電話:0855-72-2645
営業時間:10:00~20:00
定休日:月曜(祝日の場合は翌日)
⑩頓原(とんばら)天然炭酸温泉 頓原ラムネ銀泉
その名のとおり、シュワシュワとした泡が立ちのぼる日本有数の「天然炭酸温泉」!
空気に触れると緑から黄色、黄色から黄金色へと移り変わるため、日によって違う色が楽しめます。
含まれる炭酸が皮膚をマッサージして血行を良くしてくれるので、疲労回復・腰痛・皮膚炎などに効果的!
弱酸性でお肌がツルツルになる‟美肌の湯”でもあります。
成分は炭酸ガス1400ppm・炭酸水素イオン1240ppmと、対照的な性質を高濃度で併せ持っていて、「二酸化炭素泉(炭酸泉)」と「炭酸水素塩泉」の両方の特徴があります。
そのため入浴中はややヒンヤリ感がありますが、湯上り後は汗が止まらないほど温まります。
貸切風呂もあって、レトロな五右衛門風呂やスロープと手すり完備のバリアフリー風呂などで楽しめます。
お土産屋さんと癒し処(整体・ヒーリング・カウンセリングなど)も併設されていて、近所にはレストランや観光スポットがたくさんあります。
HP:https://www.ramune-ginsen.com/
住所:島根県飯石郡飯南町頓原1070
電話:0854-72-0880
営業時間:11:00~20:00
定休日:木曜
⑪加田温泉 加田の湯
黄金色に輝く、珍しい濁り湯の温泉!
温度はぬるめですが、炭酸ガスをたっぷり含んでいるので細かな泡が体にまとわりついて体の芯から温まります。
隣には地元の高原野菜などを使った料理が味わえる「ごんべえ茶屋」があり、大豆がたっぷり入った「呉汁」など、やさしい味わいの田舎料理が好評です。
その昔、名をはせた武将が傷を癒したと伝わる効能たっぷりの‟黄金の濁り湯”と、滋味あふれる田舎料理に癒される温泉です。
HP:https://kadanoyu.amebaownd.com/
住所:島根県飯石郡飯南町下来島707-2
電話:0854-76-3357
営業時間:10:00~20:00(最終受付 19:30)
定休日:第2・第4火曜日
名湯ぞろいの温泉スタンプラリーで、全国に「三瓶山温泉郷」の素晴らしさを伝えたい。
これら11湯の温泉は、すべて地元の人々に愛されて、永らく守らり伝えられてきたもの。ですが過疎化やお湯を守る人々の高齢化などで、その存続には赤信号が灯っています。
「一度にすべての温泉をご利用いただくことは難しいとは思いますが、ぜひ何度も訪れていただき、温泉だけでなくご宿泊やお食事、周囲のお店のご利用などで、『三瓶山温泉郷』とこの地域の活性化につながればと思っております」
こう語るのは、スタンプラリーを企画した『国民宿舎さんべ荘』の温泉ソムリエアンバサダー・長尾純さんです。
温泉ファン垂涎(すいぜん)の秘湯の未来は、そこを訪れる旅人あってこそ。
美しい三瓶山が生んだ名湯を守り、盛り上げていくための「三瓶山温泉郷スタンプラリー」にぜひ参加してみてください。
- DATA
第4期 三瓶山温泉郷スタンプラリー
HP:https://sanbesanonsenkyou.jimdofree.com/
開催場所:島根県大田市・雲南市・飯石郡飯南町・邑智郡美郷町・川本町
開催期間:無期限
お問い合わせ:0854-83-2011(三瓶山温泉郷協議会事務局/国民宿舎さんべ荘内)
営業時間:温泉施設ごとに異なるため、ホームページをご参照ください
休日:同上
料金:同上
【第4期三瓶山温泉郷スタンプラリーのGoogleマイマップ】
取材協力・
写真提供:
三瓶山温泉郷協議会/無断転載禁止
ライター:風間梢(プロフィールはこちら)