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たくさんの人々に愛される柴犬は、島根から生まれた! ~ 柴犬の祖先「石号」のふるさと ~
島根県の西部、益田市の山あいにある美都町(みとちょう)。
春は桜、夏はホタル、秋から冬にかけては特産の柚子の実に彩られる、のどかな山里です。
この静かな山里が、実はすべての柴犬の故郷。
国の天然記念物で、世界的にも大人気の柴犬の祖先は、ここ益田市美都町で生まれたのです。
その名は石州犬(せきしゅうけん)の「石号」。
今の柴犬よりもやや大きく、顔は丸っこく、鼻は短い愛らしい姿だったそうです。
ですがとても勇敢かつ精悍で、優れた猟犬として山野を駆け回っていました。
反面、人に忠実で愛情深い性格は今の柴犬そのもの。
そんな「石号」と石州犬の歴史がわかる、記念館や石像があります。
「石号」と柴犬の歴史がわかる、柴犬の聖地「石号の里」。
「石号」の出身地・益田市美都町の二川(ふたかわ)地区には、「石号記念館(石号の家)」があります。
ここには「石号」の生い立ちや血統図、石州犬の歴史、「石号」の石像などが展示されていて、柴犬のルーツを知ることができます。
「石号」は5歳になるまで、二川地区の猟師・下山信市さんの猟犬として野山を駆け巡っていました。
この地をたびたび訪れていたのが、日本犬保存会の会員だった中村鶴吉さん。
美都町の隣町の弥栄町の出身で、東京で歯科医をしながら石州犬の調査と血統の保護活動をしていた中村さん。「石号」と出会ったのは、その過程だったと思われます。
詳しい経緯は伝わっていませんが、「石号」は昭和11年に中村さんに託されて、東京へと「山出し」されていきました。
こうして上京した「石号」は、日本犬保存会に貴重な純日本犬と認められて、正式に血統を登録されました。
その血統書の住所には、まぎれもない益田市美都町の二川地区が記されています。
さらに犬の展覧会でも、優秀賞や奨励賞などを続々と受賞!
当時の日本犬の専門家は、「日本犬としての素晴らしい本質(気魄と威厳、忠実で従順、素朴で風格)を持った犬」と高く評価しました。
「石号」が柴犬の祖先になれたのは、その素晴らしい資質のみならず、さまざまな強運が重なった結果だと言われています。
当時は激動の昭和初期。
世情は不安定で衛生状態も悪く、犬も人も伝染病や事故などで不意に亡くなることが多々ありました。
そんな時代に「石号」は伝染病に倒れず、良き伴侶や子孫たちにも恵まれて、子孫たちもまた伝染病や戦火、戦後の食料不足などをまぬがれたのです。
「石号」グッズと情報コーナーがある「道の駅サンエイト美都」。
「石号記念館(石号の家)」から車で約10分、国道191号線ぞいの「道の駅 サンエイト美都」では、「石号」のお土産やグッズを販売しています。
Tシャツ、ポロシャツ、トートバッグ、クリアファイルなどの日用品から、お土産にピッタリの可愛いクッキーやおせんべい、マスコットや缶バッジ、こだわりの米焼酎までラインナップ。
一部の商品は「道の駅 サンエイト美都」のオンラインショップでも販売しています。
その中から特におすすめの品を「道の駅 サンエイト美都」の店長・洗川洋二さんにうかがってみました。
石号クッキー
少し柔らかめのしっとりしたクッキーで、「ゆず」と「ゆずみそ風味」、ココアパウダー入りの「マーブルクッキー」の3種類の味が入っています。
形は石号の肉球をイメージしたぷっくり可愛い立体型と、平面型の2種類です。
石号マスコット
「石号の里」美都町二川地区の女性たちが、一針一針手作業で作ったフェルト生地のマスコット。
作り手ごとに個性があり、ひとつひとつ微妙に表情が異なります。
ストラップ付きなのでスマートフォンや家の鍵、バッグなどに付けられます。
強運 米焼酎「いし」25℃ / 強運 米焼酎「石」原酒44℃
強運に恵まれて柴犬の祖になった石州犬「石号」が育った「石号の里」で作られた、「強運米」を使用。
縁起の良い米焼酎です。
お米の旨味を残しつつ、スッキリとした口当たりに仕上げています。
25℃と44℃(原酒)の2種類あり、どちらもお湯割りや炭酸割り、美都町特産のゆず果汁割りなど、いろんな飲み方で楽しめます。
- DATA
石号 (柴犬の聖地「石号の里」)
HP:
https://masudashi.com/kankouspot/kankouspot-4683/ (益田市観光協会)
https://mitoshin.net/sekishu-lp/ (道の駅 サンエイト美都)
http://nukumori-sato.main.jp/ (地域自治組織ぬくもりの里二川)
石号グッズオンラインショップ:https://mitoshin.net/shop/products/list?category_id=15
住所:益田市美都町板井川 (双川峡 近く)
お問い合わせ:0856-52-2241 (地域自治組織 「ぬくもりの里二川」)
見学時間:自由
見学料金:無料
定休日:なし
取材協力・
写真提供:
地域自治組織ぬくもりの里二川,道の駅 サンエイト美都/無断転載禁止
ライター:風間梢(プロフィールはこちら)