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すべての柴犬の先祖になった、島根県出身の純日本犬。【石号/島根県益田市美都町】

2023年2月16日

石号 すべての柴犬のルーツになった、島根県益田市美都町 出身の純日本犬。
「石州犬(せきしゅうけん)」という品種で、昭和20年代頃まで現地に生息していて、地元では「石見犬(いわみけん)」とも呼ばれていました。

この「石州犬」は人に忠実でとても強健なため、猟犬に最適でした。
「石号」も1936年に日本犬の血統を残すために東京に送られるまでは、石見の山野を元気に駆け回っていました。

この「石号」をしのぶ記念館が、出身地の益田市美都町にあります。
ここには「石号」の生い立ちや血統図、石州犬の歴史、「石号」の石像などが展示されていて、世界的に人気の高い柴犬のルーツを知ることができます。

益田市美都町

たくさんの人々に愛される柴犬は、島根から生まれた! ~ 柴犬の祖先「石号」のふるさと ~

島根県の西部、益田市の山あいにある美都町(みとちょう)。
春は桜、夏はホタル、秋から冬にかけては特産の柚子の実に彩られる、のどかな山里です。

この静かな山里が、実はすべての柴犬の故郷。
国の天然記念物で、世界的にも大人気の柴犬の祖先は、ここ益田市美都町で生まれたのです。

その名は石州犬(せきしゅうけん)の「石号」
今の柴犬よりもやや大きく、顔は丸っこく、鼻は短い愛らしい姿だったそうです。
ですがとても勇敢かつ精悍で、優れた猟犬として山野を駆け回っていました。

反面、人に忠実で愛情深い性格は今の柴犬そのもの。
そんな「石号」と石州犬の歴史がわかる、記念館や石像があります。

石号の里 昭和の初めに島根県益田市美都町で生まれた「石号」。
短い毛並みは密集した剛毛で、雨にぬれてもブルッと身震いするだけで水分がパッと飛んでいったと言われています。

大人気の柴犬! 現在 日本で飼育されている日本犬の約80%を占める 、大人気の柴犬!

天然記念物に指定された日本犬の6品種(柴犬・紀州犬・四国犬・甲斐犬・北海道犬・秋田犬)の中では唯一の小型種で、人懐っこくて愛情深い性格で愛されています。

島根県益田市美都町

「石号」と柴犬の歴史がわかる、柴犬の聖地「石号の里」。

「石号」の出身地・益田市美都町の二川(ふたかわ)地区には、「石号記念館(石号の家)」があります。

ここには「石号」の生い立ちや血統図、石州犬の歴史、「石号」の石像などが展示されていて、柴犬のルーツを知ることができます。

柴犬のルーツ

「石号」は5歳になるまで、二川地区の猟師・下山信市さんの猟犬として野山を駆け巡っていました。
この地をたびたび訪れていたのが、日本犬保存会の会員だった中村鶴吉さん。

美都町の隣町の弥栄町の出身で、東京で歯科医をしながら石州犬の調査と血統の保護活動をしていた中村さん。「石号」と出会ったのは、その過程だったと思われます。

詳しい経緯は伝わっていませんが、「石号」は昭和11年に中村さんに託されて、東京へと「山出し」されていきました。

石州犬の調査

こうして上京した「石号」は、日本犬保存会に貴重な純日本犬と認められて、正式に血統を登録されました。
その血統書の住所には、まぎれもない益田市美都町の二川地区が記されています。

さらに犬の展覧会でも、優秀賞や奨励賞などを続々と受賞!
当時の日本犬の専門家は、「日本犬としての素晴らしい本質(気魄と威厳、忠実で従順、素朴で風格)を持った犬」と高く評価しました。

「石号」の石像

「石号」が柴犬の祖先になれたのは、その素晴らしい資質のみならず、さまざまな強運が重なった結果だと言われています。

当時は激動の昭和初期。
世情は不安定で衛生状態も悪く、犬も人も伝染病や事故などで不意に亡くなることが多々ありました。

そんな時代に「石号」は伝染病に倒れず、良き伴侶や子孫たちにも恵まれて、子孫たちもまた伝染病や戦火、戦後の食料不足などをまぬがれたのです。

「アカ号」「紅子号」「中号」 左から「石号」の子「アカ号」、孫の「紅子号」、ひ孫の「中号」。

「石号」の子、四国出身の雌犬「コロ号」との間に生まれた「アカ号」は、「正統な柴犬の源流犬」と高く評価されています。

さらに孫の「紅子号」は、やはり「賢くて気品ある名犬」と讃えられて、この「紅子号」が太平洋戦争の戦火を逃れたのが、戦後の柴犬史の出発点だと言われています。

そしてひ孫の「中号」が数々の賞を受賞して、いま日本中で愛されている柴犬たちの血統を確立しました。

そんな歴史の源である「石号」は、まさに柴犬の祖で‟強運の犬”とも言えるでしょう。

花束贈呈式 「石号」の誕生日の11月2日前後には、「石号の里(石号の家)」や「道の駅 サンエイト美都」でイベントなどを開催。
「石号」や柴犬についての講演会、「石号」の石像への花束贈呈式などが行なわれて、日本全国から柴犬の愛好家が集います。

※新型コロナウイルスの感染拡大状況などにより、中止の場合あり
※開催予定日は「道の駅 サンエイト美都」および「ぬくもりの里二川」のホームページで告示

「石号」の石像 「石号」の石像は「石号記念館(石号の家)」から車で約10分の「美都温泉 湯元館」前にもあり。
すぐそばの「道の駅 サンエイト美都」には、石号の情報コーナーとお土産コーナーがあるのでぜひ立ち寄ってみて!

美都 「石号」にまつわる資料や「石号」が駆け巡っていた野山を見ていただき、石号と今飼っておられる愛犬を繋ぐ血統、現在の柴犬の原点となった人と自然と犬が密着した暮らしを実感してみてください」

と、「石号の里」がある地域自治組織「ぬくもりの里二川」事務局長の小原静伍さん。

「それらを通して犬種を問わず、愛犬とのきずなが深まることを願っています」

とも語ります。

道の駅 サンエイト美都

「石号」グッズと情報コーナーがある「道の駅サンエイト美都」。

「石号記念館(石号の家)」から車で約10分、国道191号線ぞいの「道の駅 サンエイト美都」では、「石号」のお土産やグッズを販売しています。

サンエイト美都の石号コーナー

Tシャツ、ポロシャツ、トートバッグ、クリアファイルなどの日用品から、お土産にピッタリの可愛いクッキーやおせんべい、マスコットや缶バッジ、こだわりの米焼酎までラインナップ。

一部の商品は「道の駅 サンエイト美都」のオンラインショップでも販売しています。

その中から特におすすめの品を「道の駅 サンエイト美都」の店長・洗川洋二さんにうかがってみました。

石号クッキー

石号クッキー

石号クッキー

少し柔らかめのしっとりしたクッキーで、「ゆず」と「ゆずみそ風味」、ココアパウダー入りの「マーブルクッキー」の3種類の味が入っています。

形は石号の肉球をイメージしたぷっくり可愛い立体型と、平面型の2種類です。

石号マスコット

石号マスコット

「石号の里」美都町二川地区の女性たちが、一針一針手作業で作ったフェルト生地のマスコット。
作り手ごとに個性があり、ひとつひとつ微妙に表情が異なります。

ストラップ付きなのでスマートフォンや家の鍵、バッグなどに付けられます。

強運 米焼酎「いし」25℃ / 強運 米焼酎「石」原酒44℃

強運 米焼酎「いし」25℃/強運 米焼酎「石」原酒44℃

強運に恵まれて柴犬の祖になった石州犬「石号」が育った「石号の里」で作られた、「強運米」を使用。
縁起の良い米焼酎です。

お米の旨味を残しつつ、スッキリとした口当たりに仕上げています。
25℃と44℃(原酒)の2種類あり、どちらもお湯割りや炭酸割り、美都町特産のゆず果汁割りなど、いろんな飲み方で楽しめます。

「石号」のイメージキャラクター 令和2年に全国からの公募で決定した「石号」のイメージキャラクター。

「道の駅 サンエイト美都」や萩石見空港、美都温泉、石号記念館など、地元スポット別のバージョンもあって、これらのスタンプを使ったスタンプラリーなども開催!

「石号」の石像

- DATA
石号 (柴犬の聖地「石号の里」)

HP
https://masudashi.com/kankouspot/kankouspot-4683/ (益田市観光協会)
https://mitoshin.net/sekishu-lp/ (道の駅 サンエイト美都)
http://nukumori-sato.main.jp/ (地域自治組織ぬくもりの里二川)

石号グッズオンラインショップhttps://mitoshin.net/shop/products/list?category_id=15

住所:益田市美都町板井川 (双川峡 近く)

お問い合わせ:0856-52-2241 (地域自治組織 「ぬくもりの里二川」)
見学時間:自由
見学料金:無料
定休日:なし

取材協力・ 写真提供: 地域自治組織ぬくもりの里二川,道の駅 サンエイト美都/無断転載禁止
ライター:風間梢(プロフィールはこちら

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