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石見銀山の麓にフォトジェニックな図書館が誕生! 本・人・地域と出会える場。
島根県大田市にある大森町は、世界遺産・石見銀山のまち。
銀が盛んに掘られていた江戸時代の町並みが残り、それにまつわる文化や暮らしも色濃く残っています。
そんな情緒たっぷりの古都に、素敵な本や地元の人々と出会える図書館が誕生!
その名は『石見銀山まちを楽しくするライブラリー』。
各界の著名人が選んだ本や、地元の人々との出会いを楽しめる、滞在型の図書館です。
豪商の邸宅を趣あふれる図書館に。豊富なスペースに気ままに滞在。
『石見銀山まちを楽しくするライブラリー』の建物は、大森町に残る「旧松原邸」をリノベーションしたもの。
松原家は酢の醸造と取引で栄えた商家で、約575平方メートルもの敷地に建つ木造建築は見事の一言!
往時の繁栄を語る造りを活かして、さまざまな滞在スペースを設けています。
①行燈本棚
まず目に入るのは、エントランスのすぐそばに並ぶ行燈型の本棚。
高さは天井から畳の床まであり、内側からほのかな光を放っています。
幻想的に浮かび上がる本は、各界の著名人や島根県で活躍する人々が選んだ「人生に影響を与えた本」。
200冊以上の中から生きる指針や座右の銘が見つかるかもしれません。
②えほんのどうくつ
石見銀山の間歩(まぶ/坑道のこと)を模した絵本コーナー。
蔵を改造したトンネルのような空間に、子どもに人気の絵本が200冊以上並んでいます。
さらに同じ1Fには、お子さんが水遊びできる浅いプールもあり。
あちこち探検したり、気になった絵本を読んだり、水遊びしたりと、お子さんも楽しめる図書館です。
③ラウンジ・休憩スペース
館内のいたるところにソファやテーブルがあって、気に入った場所で自由に本を読めます。
おすすめは風雅な坪庭に面した1Fの縁側と、大森町の町並みを望める2Fのラウンジ。
ラウンジには長~いソファといくつものミニテーブル、開放的なガラス張りの大窓があり、伝統の石州瓦(せきしゅうがわら/島根県西部名産の赤茶色の瓦)の町並みに癒されます。
※ラウンジは有料(1名220円/1時間)
さらに1Fの芝生広場にはウッドデッキがあり、パラソル付きの屋外ソファでくつろげます。
季節やお天気に合わせてのどかに読書にひたれます。
④コワーキングスペース (大部屋/個室)
2Fにあるお仕事スペース。
独立した机がブース式に区切られた大部屋と、個室の2タイプがあります。
どちらも商家の建築を活かした組子細工や木の壁が美しい、和の癒しにあふれた空間。
カフェの商品を買うと使用料が半額になるのもうれしい!
地元食材によるこだわりカフェは読書もOK!
『石見銀山まちを楽しくするライブラリー』では、本の貸し出しは行なっていません。
そのぶんくつろげる場所が充実していて、カフェでも本が読めます。
ここでは地元食材によるオリジナルスイーツやドリンクを提供。
島根県立大学の学生が地元のお店や生産者と開発した、個性豊かなメニューを楽しめます。
コーヒー/カフェオレ
大田市の焙煎所・山羊コーヒーの自家焙煎豆によるオリジナルブレンド。
特にアメリカンは苦みや酸味が控えめで、「コーヒー本来の旨みがしっかり味わえる」と好評! 専用にブレンドされた、ここでしか味わえないコーヒーです。
不動のプリン
大森町の平飼い卵で手作りした自家製プリン。
固めでしっかりした食感のクラシックプリンで、濃厚な味わいを楽しめます。
どんな世代でも美味しく感じる、懐かしくも新しい逸品。
しまねのクリームあんみつ
江戸時代に石見銀山領の飢饉を救った‟いも代官”井戸平左衛門にちなんだ、地元食材たっぷりのあんみつ。
お隣の飯南町のブランドさつまいも「森の絹」の冷やし焼きいもに、大森町の人気店「ベッカライ コンディトライ ヒダカ」の「木次牛乳のミルクジェラート」を添えて、さらに大田市名産の甘夏のピールや、あんこなどをトッピングしています。
ほかにもお茶処・出雲の紅茶や玄米茶、大田市の甘夏を使った夏限定のソーダやフロートなどもあり。
地産地消のドリンクやスイーツを、お気に入りの本を片手に楽しめます。
図書館とカフェで町おこし。石見銀山の新たな交流拠点。
『石見銀山まちを楽しくするライブラリー』は、島根県立大学のサテライトキャンパスを兼ねています。
学生たちによる地域づくりの”学び”の拠点となっていて、実践的な地域おこしや交流が行なわれています。
たとえば地元食材を活かしたカフェメニューの開発や、イベント、ワークショップ、子どもから大人まで遊べる縁日などを、学生たちが主体となって開催。
地域と共生し、地域を盛り立てる人材を育成しています。
このライブラリーは、そのビジョンを具現化するためのモデルケース。
単に本の貸し借りをする箱物では無く、本を「人が集うためのコンテンツ」として位置づけています。
訪れた人々がこれらの活動に触れることで、石見銀山の歴史や文化、そこに住む人々の人情を体感できる場にもなっています。
やがて石見銀山を訪れる目的になるかもしれない、新たなスタイルの図書館。
気軽にふらりと立ち寄って、石見銀山の風土や人々とふれあってみませんか?
- DATA
石見銀山まちを楽しくするライブラリー
HP:https://ginzan-books.com/
Instagram:https://www.instagram.com/ginzan_cafe.library/?igshid=YmMyMTA2M2Y%3D
住所:島根県大田市大森町ハ94
電話:0855-24-2201 (大学事務局)
メール:kikaku@u-shimane.ac.jp
営業時間:10:00~17:00
定休日:月・火・水曜
(その他、不定期に閉館する可能性あり)
利用料金:基本無料
(2階コワーキングスペースは1時間300円~)
取材協力・
写真提供:
石見銀山まちを楽しくするライブラリー/無断転載禁止
ライター:風間梢(プロフィールはこちら)