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【AKARI BREWING/鳥取県鳥取市】歴史ある城下町の町おこしを目指す、エモーショナルなマイクロブルワリー。

2020年5月13日

のどかな鳥取の山あいから生まれた、地ビールらしからぬオシャレなクラフトビール。
「地元の食材を活かしたビール造りがしたい!」という想いで、鳥取県 鹿野町の町おこし団体・「あかり本願衆」が中心となって2018年4月から醸造を始めた。
地元産の大麦・柚子などを副原料に、鷲峰山(じゅうぼうざん)の伏流水を仕込み水にしたこだわりの味で人気。

クラフトビールの最先端を鳥取から発信!

日本のあちこちに生まれているマイクロブルワリー(小規模醸造所)。
全国各地でその土地ならではの地ビールを醸し、クラフトビール・ブームを巻き起こしています。

鳥取市の鹿野町に生まれた『AKARI BREWING(アカリ ブリューイング)』も、そんなマイクロブルワリーのひとつ。若者たちの町おこし団体・「あかり本願衆」が、鹿野町の新たな名物を作るために立ち上げました。

彼らが造るビールは、農業が盛んな鹿野町と鳥取市の恵みを副原料に、鹿野町にそびえる鷲峰山(じゅうぼうざん)の伏流水で仕込んだナチュラルな味わい。
それでいて、普通のマイクロブルワリーで主流となっているメジャーなスタイルにはこだわらず、あえてとがった個性的なスタイルを追求しています。

たとえば看板商品の「ジンジャー ブラウンエール」は、生姜の香りがさわやかに香る、ローストモルトをベースにしたスタイル。他にもIPA(インディア・ペール・エール/ホップを多く使った香りと苦みが際立つスタイル)を中心に、個性的な銘柄をラインナップしています。

クラフトビールのトレンドはアメリカが発信源。それをいち早く取り入れて、最先端のクラフトビールを醸している。

ニューイングランドIPA、ピーチセッションIPA、オレンジウィートなど、ビール通なら目をみはる品ぞろえ。のどかな山里からクラフトビールのトレンドを発信!
(直営パブ『Beer Bonds AKARI(ビアボンズ アカリ)』の店内)

ノーマルなIPAやアメリカンペールエールなど、メジャーなスタイルもあり。基本を大事にしながら常に斬新なフレーバーを追い求めている。

ビール好きのポリシーと、鹿野町という“軸”から生まれるビール。

『AKARI BREWING』のクラフトビールは、主に2つの軸で作られています。

まずは地元・鹿野町と鳥取市の農産物を副原料にした、「ジンジャー ブラウンエール」。
そして、クラフトビールの世界的なトレンドを反映させた「アメリカン ペールエール」です。

さらに新たなビールの開発にも熱心で、毎年のように新商品が登場します。
昨年2019年には、苦味と甘味のバランスが絶妙なバランススィート スタウトスタイルの「Devil」、そして鳥取大学との共同研究によって生まれた、桜の酵母で醸した「Party Buddy」などをリリースしました。

常に新たな驚きを与えてくれる、マイクロでいてグローバルなブルワリー。これぞクラフトビールならではの魅力と言えるでしょう。

多くの副原料とビールスタイルを使い分け、どんなビール通をも飽きさせない。
「それぞれのビールの味わいの違いと、今まで飲まれていたビールとの違いに気づいていただければ幸いです」と、醸造長の清部直樹(せいべ・なおき)さんは語る。

そんな『AKARI BREWING』のおすすめは、やはり看板商品の「Ginger Brown Ale(ジンジャー ブラウンエール)」だそうです。

これは同じ鳥取市内の気高(けたか)町産の生姜をふんだんに使ったスパイシーな香りと、対照的にマイルドな味わいが特徴。さらに喉ごしはスッキリで、ブラウンエールが初めての人にも飲みやすい一品です。

『AKARI BREWING』が5年の歳月をかけて造り上げた、記念すべき第1号のクラフトビール。コクがあり、飲みごたえのある味わいは、体に優しくて1年中美味しく飲めます。

「Ginger Brown Ale」に使われている生姜は、「日光生姜」という江戸時代の初期から栽培されている品種。農薬と化学肥料を減らした“特別栽培”で、貯蔵用の洞窟で5ヶ月も熟成して、まろやかな甘みを引き出している。

そして次のおすすめは、鹿野町の「城跡公園」内に咲く桜の花びらの酵母で醸した『Party Buddy(パーティー バディー)』です。
副原料は、やはり鹿野町産のカボスと、同じ鳥取市内の下段(しもだん)産のユズ。フルーティーな味わいが印象的な、さわやかなサワーエールです。

『AKARI BREWING』のクラフトビールは、鹿野町の醸造所と、鳥取市の直営パブ『Beer Bonds AKARI(ビアボンズ アカリ)』にてボトルで購入できる。

『Beer Bonds AKARI』では量り売りも行なっている。洗浄済の容器を持参する必要があるので、忘れないようにしよう。

クラフトビールを文化ごと味わえる、ムードたっぷりの直営パブ。

さらに『AKARI BREWING』には、直営のパブもあります。
鳥取市内に2017年にオープンした『Beer Bonds AKARI(ビアボンズ アカリ)』で、タップルームを備えた本格派!
もとはイベントへの出店が主だった『AKARI BREWING』のビールを、「いつでも飲める場所が欲しい!」というリクエストに答えてオープンしました。

築数十年の建物をハイセンスにリノベーションした店内は、クラフトビールの文化をも味わえる雰囲気抜群の空間。
過疎化が進む鳥取市の「街中にアカリをともす」ことを目指して、鹿野町の醸造所と共に、「価値は生み出すもの、つくりだすもの、波及するもの」というポリシーを実践しています。

※2020年5月10日現在、新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、店内での飲食は一時的に休止中。
 テイクアウトのみで営業している(17:00 〜 21:00/メニューは日替わり)

テイクアウトメニューの一例「チキンバスケットセット」。こうしたフードの材料も、もちろん地元産!

おすすめメニュー「鹿野地鶏ピヨの鉄板焼」。
シャモ(軍鶏)をベースに鳥取県 中小家畜試験場が長年にわたる研究の末に生み出した地鶏で、鉄板でこんがり焼き上げた香ばしさと、濃厚な旨みとのハーモニーが美味しい。

同じく鹿野地鶏ピヨを使った「よだれ鷄」。
肉質が良く、歯応えがしっかりした地鶏に、甘辛い中華風のタレをトッピング。ビールとの相性も考え抜かれている。

口どけが良いオレイン酸を55%以上も含む「鳥取和牛オレイン55」のローストビーフ。
こうした“鳥取のうまいもの”が盛りだくさん!

美味しいビールを求めて人々が集い、人の輪が広がって、鳥取の魅力が広がっていく。

鹿野町を盛り上げて、鹿野町の伝統を守り伝える。

『AKARI BREWING』代表の鹿児嶋敦(かごしま・あつし)さんは、大のビール好きだそう。
日本と海外のビールを取り寄せては飲み比べ、その味と魅力を堪能していたビアマニアで、その趣味がきっかけとなって『AKARI BREWING』のアイデアが生まれました。

そして、そのアイデアを形にしたのが、鹿児嶋さんの仲間たちである鹿野町の町おこし団体・「あかり本願衆」でした。
鹿野町の活性化を目指す30代の若者たちが中心となって、イベントや鹿野町の伝統を守り伝える活動などを実施。そんな“町想い”のグループの、新たな名物づくりの取り組みが『AKARI BREWING』だったのです。

『AKARI BREWING』の醸造長を務める清部直樹(せいべ・なおき)さん(左)。農業大学出身の彼の発想と手腕によって、『AKARI BREWING』のクラフトビールは醸造するたびに即完売するほどの人気に!

『AKARI BREWING』のオリジナルグラス。その名はすでにブランドとなった。

「現在、クラフトビールは1回の醸造につき約100リットル仕込んでいます。量が少ないため、なかなか全てのご注文にお応えすることができませんが、今後は生産ラインを拡大して、より多くのお客様に飲んでいただけるように頑張っていきます」
と、清部さん。

「また、醸造所の拡大と共に、醸造所での量り売りや50リットルクラスでの委託醸造、OEM製品の醸造なども行っていく予定です。様々なお客様のご要望に応え、鹿野町のように新たな名物を作りたい町や団体のお役に立てるように、アイデアと技術を提供していきます」

鹿野町の町おこしだけでなく、日本全国の名物づくりにも貢献。
鳥取発・最先端のクラフトビールが、新たなローカル文化の輪を広げていきます。

ミニマムなマイクロブルワリーから、全国に通用するトレンドを発信。

- DATA
AKARI BREWING

■オンラインショップ
https://akaribrewing.thebase.in/

■AKARI BREWING(醸造所)
https://www.facebook.com/AKARIBREWING/
住所:鳥取県鳥取市鹿野町今市78

電話:0857-35-0532
営業時間:9:00~17:00
休日:土・日(イベント出店時は変則的に平日休みあり)

■Beer Bonds AKARI(PUB)
https://www.facebook.com/Beer-Bonds-AKARI-872544096441584/
住所:鳥取県鳥取市栄町759

電話:0857-23-7000
営業時間:17:00~24:00
休日:日・月

取材協力・ 写真提供: AKARI BREWING/無断転載禁止
ライター:風間梢(プロフィールはこちら

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