「セルフカラーに挑戦したいけれど、美容室だと、高いし時間もかかる」と思って、一歩踏み出せずにいないでしょうか?
確かに、セルフカラーはやり方を間違えると、髪に大きな負担をかけてしまうかもしれません。
ですが、安心してください。
正しい知識と手順さえ知っていれば、そのダメージは最小限に抑えて、きれいな仕上がりを目指せます。
以下では、セルフカラーで失敗しないための知識を、ステップごとに情報をまとめてみました。
以下の内容を把握できれば、セルフカラーに対する「怖い」という気持ちが、「これなら私にもできそう」という自信に変わっているはずです。
正しい知識を身につけて、賢く手軽に、理想のヘアカラーを楽しむための参考にしてみてください。
傷まないセルフカラーがあるって本当?
手軽に髪色を変えられるセルフカラーですが、「髪が傷む」というイメージを持つ方も多いのではないでしょうか?
一方で、美容室でのカラーは安心だけど、時間も費用もかかります。
以下では、まず「セルフカラーは本当に傷むのか?」という根本的な疑問にお答えし、市販のカラー剤と美容室で使われるカラー剤の具体的な違いや、それぞれのメリット・デメリットについて詳しく解説します。
結論:「セルフカラーは傷みやすい」は本当
まず結論からお伝えすると、「セルフカラーは美容室のカラーに比べて髪が傷みやすい傾向にある」というのは事実です。
しかし、ここでがっかりする必要はありません。
大切なのは、「なぜ傷みやすいのか」その理由を正しく理解することです。
その仕組みを知っておくと、ダメージをゼロにはできなかったとしても、最小限に抑えるための対策が見えてきます。
これから、セルフカラーがなぜ髪に負担をかけやすいのか、その具体的な理由と美容室のカラーとの違いについて、詳しく見ていきましょう。
セルフカラーとサロンカラーの根本的な違い
セルフカラーが髪に負担をかけやすい最大の理由は、市販のカラー剤と美容室で使われるカラー剤の「薬剤」そのものに違いがあるためです。
市販のカラー剤は、ドラッグストアなどで誰でも購入でき、太い髪や染まりにくい髪質の人でも、ある程度しっかりと染まるように設計されています。
そこでポイントとなるのが「アルカリ剤」です。
市販のカラー剤は、どんな髪質の人でもある程度しっかり染まるように、アルカリ剤が多めに配合されている傾向があります。
さらに、「アルカリ剤の種類にも違いがある」という点にも注目してください。
- アルカリ剤の種類の違い
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- 市販品に多いアルカリ剤:刺激臭は少ないが、髪の内部に残りやすい性質があるため、カラー後も髪が傷みやすい状態が続いてしまう。
- サロン品に多いアルカリ剤:揮発性(蒸発しやすい性質)が高く、髪に残留しにくいため、カラー後のダメージを比較的抑えやすい。
このように、誰でも手軽に染められるように設計されている点が、セルフカラーが髪に負担をかけやすいと言われる大きな理由です。
セルフカラーとサロンカラーのメリット・デメリット
薬剤に違いがあることを理解した上で、セルフカラーと美容室でのカラー、それぞれにどのようなメリットとデメリットがあるのかを比較してみましょう。
どちらがご自身の目的やライフスタイルに合っているかを考える参考にしてください。
- セルフカラーのメリットとデメリット
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- メリット:費用が安く、美容室に行く時間がない時でも、ご自身の都合の良いタイミングで手軽に染められる。
- デメリット:薬剤による髪への負担が比較的大きく、自分で染めるため色ムラになりやすい。また、ダメージケアも全て自己責任で行う必要がある。
- サロンカラーのメリットとデメリット
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- メリット:美容師が髪質やダメージレベルに合わせて薬剤を調整してくれるため、髪への負担を最小限に抑えられる。
- デメリット:セルフカラーに比べて費用が高く、施術に時間がかかる。また、美容室の予約を取るという手間もかかる。
このように、どちらの方法にも一長一短があります。
手軽さや費用を優先するならセルフカラー、髪や頭皮へのやさしさや仕上がりの質を優先するならサロンカラーが向いていると言えるでしょう。
ご自身が何を最も重視するかを考え、納得のいく方法を選んでみてください。
傷まないセルフカラーの第一歩は選び方にあり!
セルフカラーによるダメージを最小限に抑えるためには、まず「どんなカラー剤を選ぶか」が非常に重要です。
ドラッグストアには多くの製品が並んでいますが、ご自身の髪の状態や目的に合わせて、髪にやさしいものを見極めるポイントを知っておきましょう。
「ヘアカラー」と「カラートリートメント」の違いを知っておく
セルフカラー用の製品は、大きく分けて「ヘアカラー(医薬部外品)」と「カラートリートメント」の2種類があります。
この2つは、髪を染める仕組みが根本的に異なるという点に注目しましょう。
- 「ヘアカラー」と「カラートリートメント」の違い
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- ヘアカラー(医薬部外品):髪の色素を脱色しながら内部に染料を浸透させられる。しっかり髪色を変えられるが、髪への負担は比較的大きい。
- カラートリートメント:トリートメント成分をベースに染料が配合されており、髪の表面に徐々に色を付着させていく。髪を脱色する作用はないため、染める力は穏やか。
髪へのダメージを何よりも避けたい場合や、白髪をやさしくぼかしながらケアしたいといった場合には、カラートリートメントが適しています。
カラートリートメントの詳しい使い方や、より満足のいく仕上がりにするためのコツについては、以下も参考にしてみてください。
※参考:カラートリートメントで白髪をカバー!満足できない人のための正しい使い方
ご自身が「一度でしっかり染めたいのか」、それとも「ダメージを避けながら穏やかに染めたいのか」を考え、どちらのタイプが目的に合っているかを見極めましょう。
これが傷まないセルフカラーの第一歩です。
染めやすさで選ぶのがおすすめ
ヘアカラー剤には、クリームや乳液、泡といった様々な形状(剤形)があります。
それぞれに使いやすさや得意な染め方が異なるため、ご自身の目的やセルフカラーの経験に合わせて選んでみてください。
- セルフカラーの形状ごとの特徴
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- クリームタイプ:少し硬めのテクスチャーで液だれしにくく、狙った場所にとどまって密着できる。生え際の白髪をしっかり染めるリタッチにおすすめ。
- 乳液タイプ:クリームタイプよりもやわらかく、髪全体によく伸びるのが特徴。ロングヘアの方や髪の量が多い方でも、手早く髪全体に薬剤を塗布できる。
- 泡タイプ:シャンプーをするような感覚で髪全体にもみ込むだけで染められる。セルフカラー初心者でもムラになりにくい。
泡タイプは手軽さが魅力ですが、製品によっては白髪が染まりにくいといった特性もあります。
泡カラーでの白髪染めを検討している方は、こちらの記事で詳しい使い方や違いを確認してみてください。
※参考:その泡カラー、白髪が染まらないかも?購入前に知るべき違いと正しい使い方
このように、剤形によってそれぞれ得意な染め方があります。
ご自身の目的や、セルフカラーの経験に合わせて、最も扱いやすいと感じるタイプを選びましょう。
髪をいたわる「ケア成分」にも注目してほしい
カラー剤を選ぶ時は、色や染めやすさだけで決めてしまいがちですが、髪への負担を考えるなら、配合されている「ケア成分」にも注目してみましょう。
最近の市販のカラー剤には、カラーリングによるダメージを軽減するための工夫がされている製品が多くあります。
製品のパッケージや公式サイトで、「トリートメント成分配合」や「美容液入り」といった表記を探してみてください。
具体的には、以下のような成分が含まれているものがおすすめです。
- おすすめの成分
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- 保湿・ツヤ成分(アルガンオイル、椿オイルなど):髪に潤いを与え、カラー後のパサつきを抑えて、ツヤのある仕上がりに導く役割がある。
- 補修成分(ケラチン、シルクプロテインなど):カラーリングで失われがちな髪の主成分であるたんぱく質を補い、内側からケアする働きが期待できる。
これらのケア成分が含まれているからといって、髪が全く傷まないわけではありません。
しかし、セルフカラーによる髪への負担を少しでも和らげるために、こうした髪をいたわる成分が配合された製品を選んでみてください。
セルフカラーで髪を傷ませないための正しい染め方
髪にやさしいカラー剤を選んでも、染め方を間違えてしまっては元も子もありません。
ダメージと色ムラを防ぐためには、美容師が行うような正しい手順と、ちょっとしたコツを知っておくことが大切です。
ここでは、セルフカラーを成功させるための具体的な方法を、3つのステップに分けて解説します。
差がつくのは「染める前」の準備!
セルフカラーの仕上がりは、カラー剤を髪に塗る前の「準備」で大きく変わります。
焦らずスムーズに作業を進めるためにも、以下の準備をしっかり行いましょう。
まずは、染め始めてから「あれがない!」と慌てないように、必要なものは全て手元に揃えておきます。
カラー剤に付属しているもの以外に、以下のものがあると便利です。
- 髪を染めるための準備物
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- 髪をブロック分けするためのクリップ
- 薬剤を均一に伸ばすためのコーム(目の粗いもの)
- 放置時間を正確に計るためのタイマー
また、カラー剤が皮膚につくと、かぶれや色素沈着の原因になってしまうかもしれません。
そこで、あらかじめ顔の生え際や耳の周り、首筋などにワセリンや油性のクリームを塗っておきましょう。
これだけで肌を保護できます。
ちなみに、カラーリングにはスタイリング剤などが何もついていない乾いた髪の状態で行うのが基本です。
ただし、染める直前のシャンプーは避けてください。
頭皮の皮脂には、カラー剤の刺激から地肌を守るバリアの役割があります。
カラーリングの前日までにシャンプーを済ませておくのが理想的です。
これらの下準備を丁寧に行っておくと、肌トラブルを防ぎ、きれいな仕上がりへとつながります。
正しい塗り方と放置時間のルールを守る
準備が整ったら、いよいよカラー剤を塗っていきます。
ダメージと色ムラを防ぐために、以下の3つのルールを守っておいてください。
- カラー剤の正しい塗り方
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- 髪を4〜6つに「ブロッキング」する:髪をクリップで4〜6つに分けておく。塗り残しを防ぎ、手早く均一に染められる。
- 「染まりにくい場所」から塗り始める:染まりにくい「襟足や後頭部」から塗り始める。染まりやすい「顔周りや毛先」は最後に塗る。
- 説明書の「放置時間」を厳守する:指定時間を超えても染まり具合は変わらないばかりか、髪と頭皮へのダメージが増える。タイマーを使用する。
このように、髪をブロック分けし、塗る順番を意識し、放置時間を守るという基本的なルールを徹底しましょう。
これが、セルフカラーで失敗しないための最も重要なポイントです。
色持ちとダメージを抑えるには染めた直後の洗い方が大事
指定された放置時間が終わった後、すぐにシャンプーを始めてはいけません。
染めた直後のひと手間が、その後の色持ちや髪のコンディションを大きく左右します。
- 髪を染めた直後の洗い方
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- すすぎの前に「乳化」を行う:シャワーで流す前に、少量のぬるま湯を加えて髪全体をやさしくもみ込んでおく。
- カラー後は専用のシャンプーやトリートメントを使う:カラーケア用シャンプーで弱酸性に戻しておく。トリートメントは色落ちやダメージ予防のために付けておく。
- すぐにドライヤーで乾かす:タオルでこすらずにやさしく水分を拭き取って、すぐにドライヤーで髪を乾かすこと。
この染めた直後の正しいケアの徹底こそが、ダメージを最小限に抑え、きれいな色を長持ちさせるための鍵となります。
傷まないセルフカラーを探すよりもアフターケアを意識してほしい
「傷まないセルフカラー剤」を探すのも大切ですが、どのような製品を使っても、髪への負担をゼロにできません。セルフカラーで髪をきれいな状態に保つためには、染めた後のケアこそが最も重要だと考えてください。
「染めた後」のケアが最も重要な理由
ヘアカラー直後の髪は、薬剤の影響で表面のキューティクルが開いており、髪の内部にあるたんぱく質や染料が非常に抜け出しやすい、無防備な状態になっています。
そのため、このアルカリ性に傾いた髪を本来の弱酸性に戻す施術を、メニュー内に取り入れている美容室も少なくありません。
これは、開いたキューティクルをしっかりと閉じて、色持ちをよくするだけでなく、髪の毛をきれいな状態にキープするためです。
セルフカラーの場合、この重要な工程を自分自身で行う必要があります。
このアフターケアを怠ってしまうと、キューティクルが開いたままの状態が続き、髪のダメージが進行するだけでなく、せっかく入れた色素までもがすぐに抜け出てしまうでしょう。
髪をきれいな状態に保つ上で、このキューティクルの状態がいかに大切かについては、こちらの記事でも詳しく解説しています。
※参考:髪をきれいにするにはキューティクルを守る!できずに損する人がやるべき方法3選
つまり、「染めた後」のケアを正しく行うことこそが、セルフカラーの仕上がりと、その後の髪のコンディションを左右する最も重要な鍵です。
色持ちと質感が変わるアフターケア習慣
セルフカラー後の髪のコンディションは、日々の過ごし方で大きく変わります。
きれいな色と質感を長持ちさせるために、以下の習慣をぜひ意識してみてください。
- 色持ちと質感が変わる方法
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- シャンプーの選び方と洗い方:髪を染めた当日はシャンプーを使わずに、ぬるま湯でしっかりすすぐ。翌日は、カラーケア専用シャンプーやアミノ酸系シャンプーでやさしく洗う。
- 染めた後1週間は集中補修を行う:髪を染めた直後から1週間は、集中補修タイプのトリートメントやヘアマスクを使う。
- 濡れた髪はすぐに乾かす:お風呂から出たら、タオルで髪をこすらずやさしく水分を拭き取り、すぐにドライヤーで根元から乾かす。
- 日中の乾燥や紫外線から髪を守る:外出前には、洗い流さないトリートリートメントで髪を保湿する。帽子や日傘、髪用のUVカットスプレーなども活用する。
これらの日々の小さな習慣の積み重ねが、セルフカラー後の髪の質感を保ち、きれいな色を長持ちさせるコツです。
ヘアカラーの色落ちを防ぐための、さらに詳しい方法については、こちらの記事もぜひ参考にしてください。
※参考:ヘアカラーをしていて色落ちが気になる人はするべき方法3選!40代以上の人は特に必見
髪の主成分「ケラチン」で内部から補ってみて!
日々のトリートメントに加えて、より積極的にダメージを補修したい方には、髪の主成分そのものを補う、ワンランク上のケアをおすすめします。
セルフカラーの薬剤によって、髪の内部から特に失われがちなのが、髪の約80%以上を構成する「ケラチン」というたんぱく質です。
この髪の骨格とも言えるケラチンが失われると、髪は空洞化してもろくなり、パサつきや切れ毛の原因となります。
そこで、失われたケラチンをケアする心がけをしましょう。
「エポハリツヤケラチンエッセンス」は、このケラチン補給に着目したヘアエッセンスです。
大きさの異なる2種類のケラチンを配合しており、髪の表面に近い大きなダメージホールと、内部の細かなダメージの両方にアプローチしやすくなっています。
毎日のドライヤー前、タオルドライした髪になじませるだけでも効果的です。
※商品詳細:エポハリツヤケラチンエッセンス
正しい知識とケアでセルフカラーでもきれいな髪をキープしよう
今回は、セルフカラーで髪を傷ませないための方法について、カラー剤の選び方から正しい染め方、そして最も重要なアフターケアまで詳しく解説しました。
セルフカラーは、美容室でのカラーに比べて髪が傷みやすい傾向にあるのは事実です。
しかし、なぜ傷みやすいのかという理由を正しく理解し、「薬剤の選び方」「染め方」「染めた後のケア」という3つのポイントを丁寧に実践すれば、そのダメージは最小限に抑えられるでしょう。
特に、傷まないセルフカラーの鍵は「染めた後のアフターケア」にあります。
どんな製品を使っても、カラー後の髪は非常にデリケートです。
その後のケアを徹底できれば、きれいな色と質感を長持ちしやすくなるでしょう。
セルフカラーは、正しい知識があれば、髪への負担を抑えながら手軽におしゃれを楽しめる心強い味方になります。
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