「美容室で染めてからまだ2週間なのに、もう分け目の白髪が目立ってきた」という白髪染めに関する尽きない悩みを抱えてはいないでしょうか?その悩みを賢く解決してくれるのが、伸びてきた部分だけを染める「根元染め(リタッチ)」という方法です。
以下では、ご自宅で根元染めに挑戦したい方に向けて、そのメリットや最適な頻度といった基本知識はもちろん、失敗しないための「市販品の選び方」と「正しい染め方の手順」を徹底解説します。
この記事を読めば、白髪染めの負担を減らし、もっと賢く、きれいな髪を維持する方法が見つかるはずです。
「根元だけ染める」リタッチカラーとは?

伸びてきた根元の白髪、ほんの数センチのために、毎回髪全体を染めていないでしょうか?
そんな方におすすめなのが、根元だけを染める「リタッチカラー」という方法です。
以下では、白髪染めと賢く付き合っていくため、基本的な知識を見ていきましょう。
「リタッチ」とは?髪全体を染めるフルカラーとの違い
根元の伸びた部分は、白髪染めをしていると目立ってきて気になってしまう人も少なくないでしょう。この新しく生えてきた部分だけを、すでに染まっている毛先の色に合わせて染め直すことを「リタッチ」、または「根元染め」と呼びます。
髪全体を染め直す「フルカラー」とは、施術の範囲と目的が異なるので注意しましょう。それぞれの違いを知っておくと、ご自身の状況に合わせて使い分けが可能となります。
- リタッチ(根元染め)
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- 目的: 伸びてきた根元の白髪を目立たなくする。
- 施術範囲: 根元の伸びた部分のみ(通常1〜3cm程度)。
- フルカラー(全体染め)
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- 目的: 髪全体の色味を均一にしたり、髪色自体を変えたりする。
- 施術範囲: 根元から毛先までの髪全体。
リタッチは、毛先の色を活かしながら、気になる根元だけを効率的にケアするための方法、と覚えておくと良いでしょう。
髪・時間・お金にやさしい「リタッチカラー」の大きなメリット
フルカラーではなく、リタッチを選ぶことには、具体的にどのようなメリットがあるのでしょうか?
主に、「髪」「時間」「費用」という3つの観点から、その利点をまとめました。
- リタッチカラーを選ぶメリット
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- 毛先のダメージを最小限に抑えられる:すでに染まっている毛先に繰り返し薬剤が触れるのを防ぎ、髪全体のダメージの蓄積を抑えられる。
- 施術時間が短く、体への負担も少ない:リタッチは塗る範囲が狭いため、施術時間も短く済む。
- 費用を抑えられて経済的:定期的に行う必要がある白髪染めだからこそ、一回あたりの費用を抑えられる大きなメリット。
このように、リタッチを上手に取り入れることは、髪と時間、そしてお財布にもやさしい、賢い選択と言えそうです。
最適な頻度は「2ヶ月〜3ヶ月」が目安だとされる理由
リタッチを行う頻度は、一般的に「1ヶ月〜1ヶ月半」が一つの目安とされています。これは、髪が1ヶ月で約1〜1.5cm伸び、白髪が目立ち始めるのに合わせる考え方です。
しかし、髪と頭皮への負担を第一に考えるのであれば、理想的な頻度は「2〜3ヶ月」と言えるでしょう。白髪染めは、通常のカラー剤よりも髪や頭皮への刺激が強い場合があり、ダメージが蓄積してしまうためです。
もちろん、2〜3ヶ月の間隔をあけると、その分根元の白髪は目立ちやすくなります。その期間は、以下でご紹介するマスカラタイプの白髪隠しや、髪をいたわりながら穏やかに染めるカラートリートメントなどを上手に併用しましょう。
見た目の美しさと、髪と頭皮の健康の両方のバランスを考えながら、ご自身の白髪の量やライフスタイルに合った周期を見つけることが大切です。
白髪染めの頻度や色持ちについて、さらに詳しく知りたい方は、以下の記事も参考にしてみてください。
※参考:白髪染めの頻度が気になる?1ヶ月もたないと感じる人や色持ちが気になる人も必見
根元だけをセルフできれいに染める手順とコツ
リタッチは、美容室だけでなく、市販の白髪染めを使ってご自宅でも行えます。
自分で白髪染めのリタッチカラーに挑戦する場合、いくつかのポイントを意識するだけで、失敗のリスクを減らし、きれいに仕上げられるでしょう。
ただし、完璧にムラなく仕上げたい場合や、後ろなど見えない部分まできれいに染めたい場合は、やはり美容室で美容師にお願いしたほうが確実です。セルフカラーには限界があるという点をご理解いただいた上で、読み進めてみてください。
以下では、ご自宅で根元染めを行うための「準備」「実践」「仕上げ」という3つのステップに分けて、その手順とコツを詳しく解説していきます。
ステップ1:準備編|根元染めに最適な「クリームタイプ」を選ぼう

セルフでの根元染めを成功させるには、実際に染め始める前の「準備」がとても大切です。使う道具や薬剤をきちんと選べるようになると、仕上がりの質は変わってきます。
まず、白髪染めの種類を選んでください。
根元だけを的確に狙って染めるリタッチには、液だれしにくく、狙った場所にしっかりとどまる「クリームタイプ」が最も向いています。泡タイプは髪全体を染めるのには便利ですが、細かな塗り分けにはあまり適していません。
色を選ぶ際は、現在染まっている毛先の色を基準に、それと同じか、少しだけ暗い色味を選ぶのが失敗しないコツです。明るすぎる色を選ぶと、根元だけが浮いて見えてしまう可能性があるため注意しましょう。
薬剤の他にも、以下の道具をあらかじめ揃えておくと、スムーズに作業を進められます。
- 薬剤以外にも揃えておくべきアイテム
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- 染料を塗るためのハケ、コーム
- 髪を分けとるためのクリップ(ダッカール)
- 手や衣服を汚さないための手袋、ケープ、保護クリーム
正しい道具と薬剤を準備することが、きれいな根元染めへの第一歩です。
ステップ2:実践編|ムラなく、手早く。「塗り方」の基本

準備が整ったら、いよいよ薬剤を塗っていきます。セルフリタッチをきれいに仕上げるコツは、「ブロッキング」と「塗り方」にあります。
- きれいに染めるコツの一例
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- 最初に髪を4つに「ブロッキング」する:頭のてっぺんから耳の後ろを通って髪を前後に分け、さらにそれぞれを左右に分けること。4つの毛束をクリップで留めておく。
- 白髪が目立つ部分から、薬剤を「置く」ように塗る:分け目など、白髪が一番気になる部分から薬剤を塗布していく。ハケに薬剤を取り、地肌につかないように注意しながら、根元の伸びてきた部分に「置く」ような感覚で乗せる。
そして、すでに染まっている毛先に、薬剤を広げすぎないようにしましょう。これが、最も大切な注意点です。
必要以上に薬剤がつくと、その部分のダメージが進行し、切れ毛やパサつきの原因になってしまいます。あくまで、新しく生えてきた根元部分だけを狙ってください。
ステップ3:仕上げ編|「放置時間」を守り、丁寧に洗い流す

薬剤を塗り終えたら、最後は「放置」と「洗い流し」です。この仕上げの工程が、色の定着と髪のコンディションを決めます。
- 薬剤を塗り終えた後のコツ
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- 説明書に書かれた「放置時間」を正確に守る:放置時間をきちんと守ることが重要。長く置きすぎると、髪や頭皮に必要以上の負担をかけてしまう。
- ぬるま湯で、丁寧にすすぎ、トリートメントで仕上げる:カラー後の髪はデリケートな状態なので、トリートメントでキューティクルを整え、潤いを補給させる。
この3つのステップを守ることで、自宅での根元染めも身近になるはずです。慣れないうちは、まず目立ちやすい顔周りや分け目だけ試してみましょう。
次の美容室までを乗り切るための根元の白髪を隠す方法
次の美容室までの少し気まずい期間を、上手に乗り切るための便利な方法とアイテムをご紹介します。
以下では、その日だけ隠せる「白髪隠しアイテム」、徐々に染める「カラートリートメント」、そして「スタイリングの工夫」というアプローチ方法をまとめました。
お出かけ前に使える「白髪隠しアイテム」の種類と特徴

「根元染めをするにはまだ少し早いけれど、お出かけの時に、分け目の白髪が気になる」という時に役立つのが、シャンプーで洗い流せる「一時着色料」タイプの白髪隠しです。
隠したい場所や範囲に合わせて、いくつかの種類があります。
- 白髪隠しアイテムの種類の一例
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- 生え際やもみあげには「マスカラ」「スティック」タイプ:狭い範囲をピンポイントでカバーしたい場合には、マスカラタイプやスティックタイプが便利。気になる白髪を1本から的確に隠すことができる。
- 分け目などの広い範囲には「ファンデーション」タイプ:分け目部分など、少し広い範囲の白髪が気になる方には、ファンデーションタイプがおすすめ。ポンポンと軽く叩くように乗せるだけで、広範囲の白髪を自然にカバーできる。
このように、隠したい場所や範囲に合わせてアイテムを使い分けるのが、上手に白髪をカバーするコツです。とはいえ、いずれにしても頭皮に薬剤がつかないように注意しましょう。
髪をいたわりながら、徐々に染める「カラートリートメント」という選択肢

「その日だけ隠せれば良い」というよりは、「次の白髪染めまで、少しずつ色を補いながら、髪もケアしたい」という方におすすめなのが、「カラートリートメント」です。
その名の通り、染料が配合されたトリートメントを指します。シャンプー後のトリートメントとして使うたびに、髪の表面に少しずつ色が付き、数回の使用で白髪が目立ちにくくなる、という仕組みです。
ヘアカラー剤と違い、髪にダメージを与えることなく、むしろ補修しながら穏やかに染められるのが大きな利点といえるでしょう。いつものトリートメントと同じように使える手軽さも、多くの方に選ばれている理由です。
ただし、製品によって染まり方や使い方のコツが少しずつ異なります。カラートリートメントで上手に白髪をカバーするための、より詳しい使い方については、以下の記事で解説しています。
※参考:カラートリートメントで白髪をカバー!満足できない人のための正しい使い方
ヘアセットの工夫と小物で物理的に白髪を隠す

白髪隠しアイテムが手元にない時や、髪に何もつけたくない日もある人もいるのではないでしょうか?その時は、スタイリングの工夫や小物を使って、気になる根元を物理的に隠すという方法もおすすめです。
- 白髪を隠す工夫
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- 分け目を変えたり、根元を立ち上げたりする:たまに分け目をジグザグに変えておき、ドライヤーで根元をふんわりと立ち上げて、分け目自体をぼかしたりするだけでも、印象を変えられる。
- カチューシャや帽子などの小物を活用する:お出かけの際には、ファッションアイテムを上手に活用するのもおすすめ。
そもそも、根元の白髪が伸びてきても目立ちにくい髪型にしておくという方法も、試しておくべき方法のひとつです。白髪と上手に付き合っていくための髪型選びの方法については、以下の記事で詳しく解説しています。
※参考:白髪が目立たない髪型はコレ!髪の長さや髪色を中心に選び方も詳しく解説
セルフの根元染めで注意すべき点と最も大事な対策
セルフでの根元染めは手軽ですが、いくつかの注意点を守らないと、「色ムラができた」といった失敗に繋がってしまうでしょう。
以下では、そうした失敗を避けるための注意点はもちろん、染めた後の髪と頭皮をいたわるアフターケア、そしてセルフケアが難しいと感じる場合の別の選択肢まで、一歩踏み込んで解説します。
セルフリタッチでよくある失敗例と、その原因

手軽なセルフでの根元染めですが、慣れないうちは失敗をしがちです。まずは、よくある失敗例とその原因を知っておきましょう。
- よくある失敗例
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- 根元と毛先で色が違う、くっきりと「境目」ができる:薬剤の選定ミスや、塗り方が不均一であることが一般的な原因。前回染めた部分にまで薬剤を重ねて塗ってしまうと、不自然な境目が生まれるから要注意。
- 髪がパサパサになってしまう:薬剤を必要以上に広い範囲に塗った場合や、放置時間を守らなかった場合で起こる。特に、すでにダメージがある毛先に薬剤が重なると、質感が悪化するリスクが高まる。
- 頭皮がかゆくなってしまう:人によってはアレルギー反応や刺激の原因となることがある。
こうした失敗は、正しい手順と注意点を守れば、その多くを予防できるでしょう。
きれいな髪色を長持ちさせる「染めた後」のアフターケア

きれいに根元を染められたのなら、その状態をできるだけ長く保ちたいでしょう。その場合は、染めた後の数日間、そしてその後の日々のヘアケアが、色持ちを良くするためにはとても重要になります。
- アフターケアのコツ
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- 染めた後、1〜2日はシャンプーを控える:染料が完全に定着していないため、最低でも24時間はシャンプーを控えること。
- カラーヘア用のやさしいシャンプーを使う:普段使うシャンプーは、洗浄力が穏やかなアミノ酸系など、カラーヘア用の製品を選ぶこと。
- ぬるま湯で洗い、しっかり乾かす:熱いお湯はキューティクルを開き、色落ちの原因になるため、少しぬるいと感じる程度のお湯を使用する。また、すぐにドライヤーで乾かすのも色持ちを良くするポイント。
- 紫外線対策を忘れない:外出する際は、髪用のUVカットスプレーを使うだけでなく、帽子や日傘を活用して、髪を紫外線から守る意識が大切。
こうした日々の少しの心がけが、きれいな髪色を長く楽しむための秘訣と言えるでしょう。
頻繁な根元染めをした場合の頭皮には頭皮ケアが必須

ここまでは、染めた「髪」をきれいな状態で保つためのケアについて解説しました。しかし、忘れてはならないのが、その髪が育つ土台である「頭皮」へのケアです。
リタッチカラーは、毛先へのダメージは減らせますが、薬剤が頭皮のすぐ近くに付着することに変わりはありません。短い周期で白髪染めを繰り返してしまうと、知らず知らずのうちに頭皮に負担をかけ、乾燥や刺激の原因となってしまいます。
そのため、美しい髪を未来にわたって維持するには、染めた髪を保護する「守りのケア」と同時に、これから生えてくる髪のために頭皮環境を整える「攻めの頭皮ケア」という視点を大切にしてください。
そんな頭皮ケアの際に使用するべきおすすめのアイテムが、薬用育毛剤「FUSARI」です。
- 薬用育毛剤「FUSARI」のポイント
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- 健やかな頭皮の育成:育毛の基点となるクロレラエキスを高配合と、厳選した保湿成分によって、ハリコシのある髪を育てやすくなる。
- 乾燥対策:ナノ化ヒアルロン酸、国産真珠エキス、水溶性コラーゲン、加水分解シルク液といった厳選された保湿成分が、頭皮の乾燥を防げる。
- 有効成分による育毛促進:グリチルリチン酸ジカリウム、ニンジンエキス、センブリエキスの3種の有効成分が頭皮に働きかけ、抜け毛予防に役立つ。
お風呂上がりに「FUSARI」を使い、そのままの状態でマッサージをすると、頭皮に潤いを与えながら、健やかな状態に整えられるでしょう。
繰り返しリタッチカラーをしたとしても、そのダメージに負けない頭皮に育てられるはずです。
※商品詳細:FUSARI 薬用育毛剤
セルフが難しいと感じたら「白髪ぼかし」という選択肢も視野にいれる

ここまでセルフでの根元染めの方法や注意点を解説してきましたが、「やっぱり自分できれいに染めるのは難しそう」と感じた方もいるかもしれません。
そんな方には、美容室で相談できる「白髪ぼかし」という新しい選択肢もあります。
これは、ただ白髪を暗く染めて「隠す」のではなく、ハイライトなどを筋状に入れて、白髪と黒髪を「ぼかして馴染ませる」技術です。
白髪をデザインの一部として活かすため、根元が伸びてきても、くっきりとした境目ができにくくなる点が魅力といえるでしょう。白髪が目立ちにくくなるため、その結果、美容室に行く頻度を2〜3ヶ月に一度に減らせる場合もあります。
いつもと違うスタイルに挑戦したい方や、白髪染めの頻度そのものを減らしたいと考えている方は、一度美容師さんに相談してみてはいかがでしょうか?白髪ぼかしについて、さらに詳しく知りたい方は、以下の記事もご覧ください。
※参考:白髪ぼかしが高いのはなぜ?仕組みを知ればわかる!コスパがいいって話
根元染めを上手に活用して白髪と賢く付き合おう
今回は、伸びてきた根元の白髪をきれいな状態で保つための「リタッチ(根元染め)」について、ご自宅でのやり方から、便利な白髪隠しアイテム、そして美容室での選択肢まで、幅広くご紹介しました。
毎回髪全体を染めるのではなく、気になる根元だけを白髪染めで髪を染めることは、髪への負担や、時間・費用の節約に繋がる、とても賢い方法です。
セルフで行う方法もあれば、一時的に隠すアイテム、そして美容室で相談できる「白髪ぼかし」のような方法もあります。
ご自身のライフスタイルや髪の状態に合わせて、これらの方法の上手な使い分けが大切です。「こうでなければならない」と気負わずに、ご自身が一番続けやすいと感じる方法を見つけてみましょう。
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