前編に続き、エポ麦甘酒の原材料、「媛もち麥®︎」を作るジェイ・ウィングファームを訪れた後編では、食物繊維豊富な紫色の媛もち麥®︎が生まれるまで、そして持続型のものづくりの考えを伺います。なぜもち麦なのか?なぜ紫色なのか?ここに至った理由には、信念に基づく理由があります。
古くからの実り「媛もち麥®︎」を今に
アメリカで農業を学んだジェイ・ウィングファーム代表取締役の牧 秀宣さんは帰国後、疑問を覚えます。
「なぜ雑穀、雑草いうんやろ?日本人は白米が一番と考えていて、みんなが白米を食べる。今では注目されるハーブも、元々は雑草。日本では白米以外の穀物や雑草を、下に見るような向きがある。」
アメリカのスーパーへ行くと、米は赤い米、黒い米、長い米などがあり、肉は象やワニの肉まであります。海外では多種多様なのに、日本は画一的。何だか不自然で、面白くないと感じたそう。
ここで“あまのじゃく”根性が動きます。
「そうだ、農場の気候にも合った、他ではあまり見かけない麦を作ろうと。麦の品種はいくらでもあるはず。米もいいけど、稲穂が下を向く『頭を垂れる(こうべをたれる)』の、腰を低く、謙虚っちゅうのは性に合わんし。麦はピンッと上を向いて育ち、刈り取りの時期にカクンと折れる。潔い!こういうんがええな、思って。」
ちょうどそんな時に「あんた変わっとるから作らんか?」と四国農場試験場から声がかかります。その品種が、当時絶滅寸前だったもち麦のダイシモチ。「媛もち麥®︎」の原種です。
食物繊維が白米の約20倍!ポリフェノールを含むもち麦
ダイシモチは、弘法大師が唐から麦の種を持ち帰ったという伝説が残る瀬戸内海沿岸地域で、古くから栽培されていた品種。だんだんと廃れ、消え去ろうとしていたタイミングでした。
牧さんはまず、少量を栽培。すると、何と紫色に成長!
麦農家の人が当時貴重だったもちを食べたいともち性の麦を育て、粉にし、蒸し、もちとして食べていた麦。それが「もち麦」と呼ばれるようになり、中でもダイシモチは、古くから瀬戸内海沿岸で栽培されていただけあり、ジェイ・ウィングファームで栽培するのは“適地適作”です。
ただ背が高く風で倒れやすかったため、四国農業試験場で品種改良を行い、10年もの歳月を経て、育てやすい今の媛もち麥®︎にたどり着きました。
媛もち麥®︎の食感は、プチプチ&もちもち。白米に比べて約20倍、ごぼうの約2倍以上もあるという食物繊維が、腸内環境を整え、便秘の解消やダイエット、美容に効果的です。
そして、水溶性食物繊維の一種であるβ-グルカンが豊富。水に溶けて体の中でジェル化してふくらみ、糖質や脂質の吸収を抑え、満腹感を与える働きがあります。善玉菌を増やす作用もあり、腸活に役立ちます。
そして特徴的な紫色は、ポリフェノールの一種、アントシアニン由来の色。視力回復やメタボ・花粉症予防効果で注目される栄養素です。そのため、皮部分を削り過ぎず、食感と栄養のバランスを考えた絶妙な加減で皮を残しています。
これらの魅力的な健康・美容効果の恩恵を、エポ麦甘酒からも受けられるというわけです。
大麦は消化・吸収をよくするために、少し潰す加工を施しますが、ジェイ・ウィングファームでは成分が変質しないよう、非加熱で行うのがこだわり。
「そばも熱を加えず、石臼でひく方がおいしいやろ。麦も同じ。媛もち麥®︎にも、石臼を使っとるよ。」
“変わり者”たちの互いの努力で作り、使う
そうして大切に育まれた媛もち麥®︎と国産有機米、ユーグレナ(ミドリムシ)の力が加わった麹・みどり麹だけで、エポ麦甘酒は作られています。
媛もち麥®︎のせんべいやクッキーはありましたが、エポ麦甘酒のようなリキッド状の加工は、これまでなかったそう。多様な穀物を、多様な表現で届けていきたい。「新しい表現を楽しまんと!」そう考える牧さんの想いに、響いたポイントだったようです。
「わしらが作っているのは原材料だから、それをどう使ってもらうか。ここが一番大事。媛もち麥®︎を製品化した頃は、あちこちで『見たことない』『知らない』と言われ、それでもまずは食べてもらって、良さを伝えて。そしたら、だんだんファンができて……。これはエポラさんも一緒やな。いいと信じたミドリムシや成分にスポットを当てて、ストレートに伝えて。最初は見向きされんでも、ちゃんとわかってくれる人ができてくる。“変わり者”と珍しがられても、いいものはいい。それだけよ。本当にいいものは、繋いでいかなあかん!一過性のブームではなく、根付いていくと思うから。」
はだか麦の甘酒にこだわった3つの理由
微生物や酵素の働きによって、栄養成分を消化・吸収しやすくし、発酵の力でアミノ酸やビタミン類などの多彩な栄養素を取り入れることができる発酵食品。中でも甘酒は、“飲む点滴”と呼ばれるほど、栄養素が豊富です。
一般的な甘酒は、米麹や米、水から作られることが多いと思います。
ですが、epoの甘酒ははだか麦の媛もち麥®︎を配合することにこだわりました。
それは、なぜでしょう?
1 より豊かな栄養が摂れるから
β-グルカンやポリフェノールを含む媛もち麥®︎を配合することで、はだか麦が持つ栄養も摂れます。さらに、59種類もの栄養素をもつスーパーフード「ユーグレナ(ミドリムシ)」が麹の可能性を引き上げた「みどり麹」を使い、甘酒のさらなるパワーアップを叶えているのです。
2 食物繊維が圧倒的に豊富だから
炭水化物が少なく食物繊維が多いといわれる甘酒に媛もち麥®︎が加わることで、白米の約20倍もの食物繊維の力が発揮できます。これは、便通やダイエット、美容に関心のある方に、特に注目いただきたいポイント。甘酒界の中でも、高い食物繊維の含有量に自信を持っています。
3 もちもち食感でおいしさがアップするから
媛もち麥®︎を生かすために、あえて粒感を残した製法をとっています。一般的な麦はパサパサした食感が気になるかもしれませんが、媛もち麥®︎はもち麦のため、甘酒にしても、もちもち食感。“食べる甘酒”と呼ぶ方がいるほど腹持ちがいいので、ダイエット時やファスティング時のサポート食にもぴったりです。
epoのフードラインの開発コンセプトは、“おいしく食べて、カラダが整う”、食品とサプリのあいだのような存在。
カラダに作用する機能性はもちろん、日々の食事に取り入れたいと思えるおいしさをちゃんと感じられるよう意識しています。おいしくないと当然、続かないからです。
世の中になかったもの、あっても魅力が知れ渡っていなかったものに目を向け、その良さを伝え続け、いいものを繋いでいく。土地や環境に感謝しながら、邁進していく。そんな考え方が、ジェイ・ウィングファームとepoの共通点です。媛もち麥®︎が味わえるエポ麦甘酒は、水やお湯で薄めて飲むのはもちろん、アレンジレシピもおすすめです。ご興味あれば、ぜひチェックしてみてください。
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牧 秀宣さん
愛媛県東温市で米麦二毛作のほか、雑穀や野菜などの栽培・加工・販売を行う、有限会社ジェイ・ウィングファーム代表取締役。日本のみならず海外の農業事情にも詳しく、農業界の道標でもある、カリスマファーマー。