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【由志園/松江市】見渡す限りの牡丹の楽園! 姫気分に浸れる日本庭園。

2019年5月14日

牡丹の最盛期の4月中旬~5月上旬には、島と庭園が一面の牡丹で埋め尽くされる。
特にGW期間中のイベント“池泉牡丹(ちせんぼたん)”は、池に浮かぶ3万輪もの牡丹が圧巻。

日本一の牡丹の生産地に広がる、牡丹づくしの絶景庭園。

「立てば芍薬(しゃくやく)、座れば牡丹」という言葉のように、女性の美しい姿と仕草を象徴する花・牡丹。
そんな美しい牡丹を1年中楽しめる庭園が、松江から車で約25分の大根島(だいこんじま)にあります。

『由志園(ゆうしえん)』。
約300種類もの牡丹と、四季折々に咲き乱れる花々を楽しめる、夢のような空間です。

牡丹の最盛期の4月中旬~5月上旬はもちろん、シーズンオフでも1年中牡丹が開花。
屋内庭園『牡丹の館』を備え、独自の特殊な技術で常春の光景を造り上げています。

季節や天候に影響されず、一年中満開の牡丹が見られる『牡丹の館』。

GWの最終日には、黄色系の牡丹による“幻の黄金の池泉牡丹”が見られる。
2019年は同時に“イエローガーデンフェスティバル”も開催し、黄色をテーマとした花々の催しや
お土産の販売、先着1000名限定の「黄色餡(芋餡)の牡丹饅頭」のプレゼントなどが行われた。
※気象条件などにより、会期や内容は変更される場合があります

日本一の栽培技術を誇る島で、牡丹の魅力を魅せる。

『由志園』ができたのは、昭和50年4月。
穏やかな中海にたたずむ風光明媚な大根島に魅せられた初代園主・門脇栄氏が、
「この地の観光の一助になりたい」と志し、「和」「寂」「趣」「彩」のコンセプトで作庭しました。

もともと大根島は、日本一の牡丹の生産地でした。
現在も年間約120万本もの苗が販売および輸出されており、
世界的にも最高峰の栽培技術を誇っています。

そこで生み出される牡丹は、一重から八重、赤から黄色、紫、白、
はては漆黒に近いものまでと、実に多彩。
優れた栽培と品種改良の技術を目の当たりにできる“牡丹の聖地”として、
花好きの間では知る人ぞ知る存在なのです。

そんな“牡丹の島”の魅力を、余すところなく伝えてくれる『由志園』。
花好きなら一度は訪れておきたいスポットです。

“池泉牡丹”で池を彩る牡丹は、苗を育てる過程で摘み取られたもの。
大根島の牡丹農家達の協力によって実現した、エコでありながら壮麗な光景。

『由志園』が誇る山陰最大級の規模の“池泉回遊式(ちせんかいゆうしき)日本庭園”。
池とその周囲を巡らせた路を中心に作られ、美しい花々や木々を間近で鑑賞できる。

大根島の全景。1,000年以上にも渡る放牧の歴史があり、
その恩恵として生まれた肥沃な土によって、
約250年前から牡丹と高麗人参が栽培されてきた。

春 ~ 1年でもっとも華やぐ牡丹と花々の季節 ~

四季を通じて華やかな光景が楽しめる『由志園』ですが、やはり最も花が豊富なのは春です。
2月下旬~3月初旬に咲き始める河津桜に、3月下旬~4月中旬に競い咲くチューリップ。

『由志園』のチューリップは、牡丹にそっくりな多弁咲きで「牡丹咲きチューリップ」と呼ばれています。
これも約3万輪もの本数(2019年時点)で、満開時の光景は圧巻!
牡丹の先駆けとして、訪れた人々の目を楽しませてくれます。

満開の「牡丹咲きチューリップ」は、牡丹を思わせる多弁咲き。

牡丹と同じく様々な色と形が楽しめる芍薬。

さらに4月中旬~5月上旬には、いよいよ牡丹の最盛期を迎えます。
それを過ぎると、牡丹によく似た芍薬がすぐに見頃に。

新旧の貴重な品種や、その年ごとの流行種などを交えて、こちらも華やかな姿を見せてくれます。
同じ頃に咲き誇る藤・ツツジ・サツキなども相まって、『由志園』は引き続き多くの人々で賑わいます。

そして庭園の緑が日々色を増していき、陽射しのまぶしさがどんどん強くなってくると、
水と緑が美しい季節・夏がやってきます。

初夏の『由志園』を彩る花菖蒲。
水辺に沿って咲くため“池泉回遊式日本庭園”の醍醐味を味わえる。

ドライミストの噴霧による「雲海庭園」。夏の『由志園』を爽快に演出。

流れ落ちる滝を表現した「白糸の滝イルミ」。
暑さが厳しくなる8月には、このようなナイトイベントも行われる。

夏 ~ 緑と水がまぶしい輝きの季節 ~

初夏の『由志園』を彩るのは、6月上旬から下旬にかけて咲き誇る花菖蒲です。
白・紫・ピンクなどの花々が、梅雨でけぶりがちな空の下でも清々しい姿を見せてくれます。

そして6月中旬~7月中旬には、やはり清々しい色彩の紫陽花(あじさい)が最盛期に。
石畳の小径沿いに揺れる姿は、まるで来訪者に語りかけてくるかのような愛らしさです。

さらに、この季節は庭園の緑が最も美しく輝く頃でもあります。
ドライミストの噴霧による瑞々しい「雲海庭園」なども見られ、緑のコントラストがまぶしい日本庭園の醍醐味に浸れます。

赤と緑の競演が目にも鮮やかな、錦秋の『由志園』。

秋のライトアップ“夜間鑑賞会”。池が鏡のように紅葉を映し出す。

秋 ~ 紅葉が燃える日本庭園の極致 ~

続く秋には、庭園の各所に植えられた紅葉が真っ赤に色づきます。
見頃は11月中旬~12月上旬で、この頃には夜間ライトアップが行われます。

夜闇と水面に映える赤は、決して忘れられない鮮烈な印象。
さらに日に日に寒さが増していくと、落葉した紅葉が地面の上でも輝く“下紅葉”に。
一面が赤に燃え立つ光景は、まるで別世界に迷い込んだかのようです。

寒さ厳しい山陰の冬でも咲き誇る「寒牡丹」の艶姿。

庭園の池に面したカフェ・「茶房 一望」より雪景色の庭園を望む。

冬 ~ 健気に咲く寒牡丹に侘び寂びの境地を見る ~

森閑とした寒さに閉ざされる冬でも、『由志園』の華やぎは変わりません。
霜よけの“薦(こも)”に守られて咲く「寒牡丹」は、この時季ならではの風物詩。
冬に開花するように改良された露天の「冬牡丹」と共に、雪景色の中でも健気な美しさを見せてくれます。

これらと競演する壮麗なイルミネーションや、
牡丹の奥深い魅力を伝える国内外のアーティストとのコラボ展なども、多数開催。
冬ならではの楽しみで、変わらず人々を惹きつけてくれます。

2018−19の冬のイルミネーションの光景。山陰最大規模の120万球で、
伯耆富士・大山(ほうきふじ・だいせん/鳥取県にある西日本の最高峰)の景観を表現した。

出雲特産の斐伊川和紙・安倍英四郎和紙・京唐紙とのコラボ行灯(2016年)

8回に渡って開催されている“牡丹コラボレーション仮屋崎省吾”展。
繊細かつ大胆な作風で牡丹の魅力を伝える。

3つの食事処でくつろぎながら、庭園をゆったりと鑑賞。

こうした四季折々の風情を楽しむためにも、滞在時間はしっかり確保したいところ。
そんなニーズを叶えるために、『由志園』は豊富な食事処を備えています。

食事処「日本料理『竹りん』」で供されるのは、大根島と山陰ならではの和食。
日本海や宍道湖で獲れた近海物の魚介・肥沃な黒ボク土で育まれた大根島特産の野菜・数百年の栽培の歴史を誇る牡丹と並ぶ特産品の「雲州人参(高麗人参)」などなど、旬の恵みをふんだんに取り入れています。

メニューは大根島の在来種(その土地独自の品種)を使った手打ち蕎麦や、
季節の恵みを惜しみなく盛り付けた特製弁当、“宍道湖七珍(しんじこ しっちん)”のひとつに数えられているうなぎ料理など。
目にも美味しい季節の味が、訪れるたびに楽しめます。

さらに予約制の「料亭『菖蒲』」・「お食事処『紅葉』」・「お食事処『禅』」もあり。
これらでは、山陰名物の「蟹会席」や、薬膳と美味を両立させた・「雲州人参会席」などなど、
これまた大根島ならではの料理を味わえます。

季節の地元食材が満載の「竹りん弁当 月」。

大根島ならではの薬膳会席「雲州人参会席」。

「雲州人参」とは、大根島産の高麗人参のこと。
松江藩の第七代藩主・松平不昧(ふまい)公のもとで栽培が奨励され、藩の専売品として財政を支えた。
現在、日本で高麗人参を栽培しているのは大根島を含めたわずか3ヶ所のみ。

庭園の外にある『人参方役所』は、松江藩が設けた雲州人参の製造・加工・販売を担う施設を復元したもの。
雲州人参を使った様々なメニューが味わえる「人蔘茶カフェ」や、
雲州人参の歴史を紹介する「雲集人参ミュージアム」などを併設。

気軽に立ち寄れる茶房「一望」では、オーダー焙煎のコーヒー・高麗人参茶・地元産食材によるスイーツなどを提供している。ドリンクはテイクアウトも可能。

大根島ならではのお土産を、麗しい記憶と共に持ち帰る。

美しい庭園と美味しい料理を堪能した後は、ショッピングの楽しみもあります。
牡丹にまつわる多彩なグッズをはじめ、健康に良いと評判の「雲州人参」の商品も販売。

「高麗人蔘液」や「高麗人蔘粉末」をはじめ、トラブル肌や乾燥肌にやさしい「高麗人蔘入り石鹸(100g×2個入セット)」・粉末スープ・飴など、お好みとライフスタイルに合わせて選べます。

さらに、もちろん牡丹苗の販売もあり。
華やかな大輪の花を、自宅に持ち帰って咲かせることができます。

苗はすべて説明書付きで、ガーデニング初心者でも安心。
専門の販売員が親切に解説してくれるので、分からないことは何でも訊ねてみましょう。

また、有機肥料100%の牡丹専用肥料も販売しているので、こちらもぜひ一緒に購入しましょう。
牡丹の育成に最適なバランスで、苗の栽培を助けてくれます。

無数の品種の中からお気に入りの牡丹を家に連れて帰れる。

『由志園』は出雲の自然を模した箱庭でもある。
奥出雲の名勝“鬼の舌震”、豊かな流れの斐伊川、宍道湖の凪いだ水面など、
様々な名所を彷彿とさせる造りとなっている。

- DATA
由志園

HP:http://www.yuushien.com/
住所:島根県松江市八束町波入1260-2

電話:0852-76-2255(代)

<庭園>
営業時間:
9:00~17:00(最終入園は閉園の30分前)
※夜間ライトアップ期間(8月・11月・12月・1月)は開園時間を延長(時間は要確認)
※4月・5月のGW期間中は18:00まで開園
休日: 年中無休

入園料:
一般/800円(レギュラーシーズン)・1,000円(ベストシーズン)・900円(夜間特別ライトアップ期間)

<駐車場>
大型バス50台 / 自家用車300台

<公共交通機関>
松江境港直行バス:
松江駅 ←→ 由志園 片道700円(約25分)
境港 ←→ 由志園 片道470円(約16分)

取材協力・ 写真提供: 由志園/無断転載禁止
ライター:風間梢(プロフィールはこちら

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