「多鯰ヶ池(たねがいけ)」は鳥取砂丘のそばに広がる美しい池。
初夏にはスイレンが咲き乱れて、さながら砂漠のオアシス!
自由に散策できる木道があり、美しい景色を楽しめます。
そして池を見おろす丘には、神秘的な伝説が残る「多鯰ヶ池弁天宮(お種弁天)」がたたずんでいます。
蛇にまつわる神社で、12日に1度巡ってくる巳の日と、60日に1度巡ってくる己巳(つちのとみ)の日には、金運・財運・商売繁盛のご利益を願って鳥取県の内外から参拝者が訪れます。
別世界のような静寂にひたれる癒し系スポットです。
【多鯰ヶ池・多鯰ヶ池弁天宮(お種弁天)】
HP: https://www.tanegaike.com/
住所:鳥取市福部町湯山
社務所の開所日時:巳の日・己巳の日の8:30~12:00
駐車場:あり(多鯰ヶ池・多鯰ヶ池弁天宮とも)
~ 目次 ~
多鯰ヶ池 ~鳥取砂丘の南に広がる、中国地方で1番深い池~
多鯰ヶ池(たねがいけ)は中国地方で最も深い池!
周囲3.4キロメートル、面積24.8ヘクタール、最も深い場所の水深は約16メートルもあります。
景色も美しく、岸には緑豊かな木々が茂り、透明度の高い水面には風情あふれる小島が浮かんでいます。
鳥取砂丘のすぐそばで、砂丘の玄関口の「砂丘東口」バス停から徒歩4分弱。
澄んだ湖+砂丘という神秘的な風景が見られます。
多鯰ヶ池ができたきっかけは、約10万年前にできた古代の砂丘と、約5万年前に起きた火山の噴火でした。
火山から噴き出した軽石が、古代の砂丘と共にくぼ地の水をせき止めて、今見られるような多鯰ヶ池となりました。
山陰最古の「せき止め湖」で、流れこむ川はなく、雨水・雪解け水・湧き水だけで澄んだ水をたたえています。
その透明度はなんと約3.4メートル!
「水がきれいでびっくりした!」
「思ったよりもずっと透明度が高かった」
と驚く人が多く、特にたくさんのスイレンが咲き誇る6月~8月末ごろには、たくさんの人々で賑わいます。
睡蓮の花が咲く時期は、その年の気候によって変わります。暑い日が多いと花期が短くなり、涼しい年は花期が長くなります。
睡蓮の花が見られるのは、6月~8月末の午前中。
1番たくさん花が開く時間帯は10~12時ごろです。
「お種弁天」から約100メートル坂をくだった場所にあるウッドデッキ。
多鯰ヶ池のすぐそばで眺望抜群!
ウッドデッキの上には陽射しを遮る東屋があり、その下のベンチでゆったりくつろげます。
多鯰ヶ池・多鯰ヶ池弁天宮とも国立公園の一部で、動植物や昆虫などの採取は禁じられています。
違反すると自然公園法で罰せられるので、くれぐれも気をつけましょう!
イベントやライブなどをしたい場合も、必ず届け出が必要です。
多鯰ヶ池弁天宮(お種弁天) ~蛇に変じた女性の伝説が残る神社~
多鯰ヶ池の北にある丘には、「お種弁天」こと多鯰ヶ池弁天宮が建っています。
その昔、長者の使用人だったお種さんという女性が、白い蛇に変じて多鯰ヶ池の小島で柿の実をとっている姿を、同じ使用人に見られてしまいました。
秘密を知られたお種さんは、そのまま多鯰ヶ池の主となり、二度と長者の家に戻ることはありませんでした。
この伝説から、弁財天さまの御使いの蛇と、お種さんが変じた白蛇が重なって、「お種弁天」と呼ばれるようになりました。
「お種弁天」こと多鯰ヶ池弁天宮は金運・財運・商売繁盛のご利益があると言われています。
特に飲食店の経営者に人気があり、12日に1度の巳の日と、60日に1度の己巳(つちのとみ)の日には、鳥取県の内外から多くの参拝客が訪れます。
社務所は巳の日・己巳の日の8:30~12:00に開所していて、御朱印・おみくじ・御守りを授与していただけます。
※社務所の開所日は多鯰ヶ池HPのイベントカレンダー でチェック!
お種弁天のお参り方法 ~5つの神社と祠を巡ってご利益アップ!~
お種弁天には5カ所のお参りスポットがあります。
全てお参りすると、お種弁天のご利益を最大限に受け取れるので、ぜひ全部巡ってみましょう!
まず最初にお参りするのは、本宮の「多鯰ヶ池弁天宮」です(①)。
その周りに2つの祠(ほこら)があるので、こちらも忘れずにお参りしましょう(②③)。祠は小さくて見逃しやすいですが、石碑や蛇の置物などの目印が置かれています。
④と⑤は少し離れた場所にあるので、道順の札に従って進みましょう。
④はお地蔵さんが3体祀られている「地蔵尊堂」。
⑤は「お種の社(やしろ)」です。
「多鯰ヶ池弁天宮」の前には広い駐車場があって、車での参拝もOK!
「お参り後に宝くじを買ったら当選しました!」という報告があるそうで、弁「財」天様のご霊験あらたかなパワースポットです。
多鯰ヶ池の遊び方 ~ウォーキング・レンタルボート・釣りなど~
多鯰ヶ池の遊び方は、なんと言ってもウォーキング!
散策用の木道が整備されていて、池に咲くスイレンを間近で見られます。
スイレンが咲いていない時季でも景色が美しく、町や道路から離れていてとっても静か♪
非日常のムードにひたれて、心身共にリフレッシュできます。
また、以下のようなアクティビティやイベントも楽しめます。
①多鯰ヶ池ガイドツアー(約30分)
多鯰ヶ池と多鯰ヶ池弁天宮を巡るネイチャーツアー!
2日前までに要予約です。
お種さんが柿を採っていた小島など、多鯰ヶ池のビュースポットを巡りながら多鯰ヶ池のエピソードを聞けます。
気さくで話題豊富なガイドさんが、参加者に合わせた話をしてくれるので、お子さんからお年寄り・カップル・学生・社会人まで好評♪
参加者はお土産に「お種弁天」の御朱印・白蛇のおみくじ・蛇の皮入りの御守り(お金が貯まるご利益あり!)の3点セットをもらえます。
「お種弁天」の社務所は開所日が少ないため、巳の日・己巳の日に来られない人はこのツアーに参加するのがオススメです。
ツアー時間:約30分(要予約・2日前まで)
料金:1名500円(1ツアー20名まで/21名以上はガイドを増員して別グループとして対応)
予約・お問い合わせ:090-3179-9911(浜湯山・多鯰ケ池活性化委員会 代表 大塚さん)
②水上自転車(2台)
子どもから大人まで乗れる水上バイク!
こちらも要予約でレンタルできます。
池の上から眺める景色は、岸辺とはまた違った感動があります。
予約・お問い合わせ:090-3179-9911(浜湯山・多鯰ケ池活性化委員会 代表 大塚さん)
③多鯰ヶ池サマーフェスティバル
毎年7月下旬に開催される、夏の恒例イベント!
ステージイベントや音楽ライブ・飲食店の出店・特産品の販売・多鯰ヶ池を舞台にした水上アクティビティなど、幅広い催し物を楽しめます。
特に注目なのが、「手づくりいかだレース」と「タネコレ(多鯰ヶ池コレクションこと子ども達のファッションショー)」。
多鯰ヶ池のロケーションを生かした楽しいイベントです。
開催日:毎年7月下旬
※日時・プログラム等は多鯰ヶ池HP でご確認ください
鳥取市民に愛されてきた癒し系スポット
多鯰ヶ池は古くから鳥取市民に愛されてきた、鳥取砂丘のオアシス。
夏でも涼しいクールスポットで、岸辺の木々の木陰が気持ち良く、季節や時間帯によって千差万別の表情を見せてくれます。
ですが近くに高速道路が開通してからは、遠方から訪れる人は減ってしまいました。
それを案じて「かつての賑わいを取り戻したい!」と立ち上がったのが、地元の有志からなる浜湯山・多鯰ケ池活性化委員会。
多鯰ヶ池の木道や駐車場の整備、お種弁天の管理、「多鯰ヶ池サマーフェスティバル」の開催など、鳥取市民が愛する多鯰ケ池を盛り上げています。
鳥取砂丘そばの幻想的な池で、別世界のようなムードにひたってみませんか?
浜湯山・多鯰ケ池活性化委員会は、現在代表を務める大塚尚生さんの先代が作った団体。
残念ながら一昨年亡くなられてしまいましたが、多鯰ヶ池を盛り上げるために、とても熱心に活動されていたそうです。
亡くなる直前までイベントの企画などに奔走していて、多鯰ヶ池の素晴らしさを広めるのが悲願だったそう。
砂丘×緑豊かな美しい池という奇跡のような風景は、そんな人々に今も守られて続けています。
- DATA
多鯰ヶ池・多鯰ヶ池弁天宮(お種弁天)
HP:https://www.tanegaike.com/
住所:鳥取市福部町湯山
社務所の開所日時:巳の日・己巳の日の8:30~12:00
駐車場:あり(多鯰ヶ池・多鯰ヶ池弁天宮とも)
取材協力・
写真提供:
浜湯山・多鯰ケ池活性化委員会/無断転載禁止
ライター:風間梢(プロフィールはこちら)
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