サンライズ出雲｜東京と出雲をつなぐ日本唯一の寝台特急

東京から出雲まで、約900kmを駆け抜ける寝台特急。

高松（香川県）行きの「サンライズ瀬戸」と岡山まで連結し、ＪＲ岡山駅で分離してから２方向に向かいます。

個室や横になれる座席でくつろぎながら、便利な時短旅行ができるのが好評！
日本で唯一の寝台特急で、昔懐かしい夜行列車の旅を楽しめます。

運行区間：ＪＲ東京駅～ＪＲ出雲市駅
編成；全７両（全車両２階建て）
乗車時間：片道約12時間
※繁忙期に増便する「サンライズ出雲91号・92号」は片道約16時間半

「サンライズ出雲」とは？　便利・快適な寝台特急で出雲へＧＯ！

『サンライズ出雲』は出雲旅行の足に大人気の寝台列車。

下りは東京を夜（22時前）に出発して、翌日の朝（10時ごろ）に出雲に到着します。

上りは出雲を夕方（18時前）に出発して、東京に朝（７時過ぎ）に到着します。

※正確な運行時間は時刻表でご確認ください

１～２人用の個室が多めで、その種類も豊富！

寝転がれる相席の「ノビノビ座席」もあり、こちらはカーペット敷きのスペースが１人分の広さに区切られています。

どの席もゆったり体を伸ばせて、長時間の列車旅もラクラク！
シャワー室などの設備も充実していて、快適な車中泊を楽しめます。

夜や朝、夕暮れ、夜明けなどのムードも旅情たっぷり！
昔懐かしい夜行列車の風情を味わえます。

（宍道湖に流れこむ斐伊川と山陰本線の鉄橋）

「サンライズ出雲」の走行ルートと主な停車駅

『サンライズ出雲』の走行ルートは、JR東海道本線～山陽本線～伯備線～山陰本線。

大都市をつなぐ東海道本線をひた走り、伯備線で中国山地を越えて、のどかな田園風景が広がる山陰本線へと至ります。

この車窓の風景もお楽しみのひとつ！
主な停車駅は以下の通りで、途中乗車／途中下車も可能です。

東京・横浜・（熱海・沼津・富士・静岡・浜松・大阪・三ノ宮）・姫路・岡山・倉敷・備中高梁・新見・米子・安来・松江・宍道・出雲市
※（）内の駅は停車しない便もあります

ハイシーズンに増便する臨時便「サンライズ出雲91号（東京発）・92号（出雲市発）」もあり。
こちらは運行速度がややゆっくりで、駅に長めに停車します。

そのぶん乗車時間は片道約16時間半（ふつうの『サンライズ出雲』は約12時間）と長くなりますが、写真撮影やホームでのお買い物など、のんびり列車旅を楽しめます。

※１～２分しか停車しない駅もあるため、車内アナウンスをよく聞いて、乗り遅れには気をつけましょう！

「サンライズ出雲」の設備

『サンライズ出雲』には、快適な列車旅を楽しめるさまざまな設備があります。

中には事前の準備が必要な設備（シャワー室／「シャワーカード」の購入）もあるので、乗る前に把握しておきましょう。

なお、車内販売は無くて食堂車も無いため、食事は乗車前に済ませるか、お弁当を買って乗りましょう。

①シャワー室

旅の汗をサッパリ流せるシャワー室。
利用には有料の「シャワーカード」が必要で、枚数制限があるため早めに購入しましょう！

「シャワーカード」は始発駅（東京・出雲市）で売り切れることが多く、うっかりすると「夏にシャワーが浴びられなくて体がベタベタ！」などということも……。

ただし個室の「シングルデラックス」には、専用のシャワー室があります。
乗車券にシャワーカードが付いているので、改めて購入しなくてもシャワーを使えます。

②ラウンジ

通路の両側にカウンター席のような机とイスがある共用ラウンジ。
車窓の風景をながめながらくつろげます。

「ノビノビ座席」で乗車した時の気分転換や、ちょっとしたデスクワークなどにおすすめ！

③トイレ・洗面台・自動販売機ほか

『サンライズ出雲』には、ほかにもトイレ・洗面台（お湯あり）・飲み物の自動販売機（アルコール無し）などの設備があります。

トイレや洗面台は乗車・降車の前後は混み合うので、人が少ない時にサッと用事を済ませましょう。

「サンライズ出雲」の個室と座席

『サンライズ出雲』には、バラエティ豊かな個室と、横になって眠れる「ノビノビ座席」があります。

※全席・全個室に掛け布団付き（毛布／デラックスシングルのみ羽毛布団）

個室はソロ・シングル・シングルツイン・シングルデラックス・サンライズツインと種類が多く、個人・カップル・友人同士など、さまざまなスタイルで利用できます。

※個室には浴衣・ゴミ袋・スリッパ・ハンガー・コンセント・鏡・紙コップなどの設備があります（グレードによって変化）
※個室は全て鍵付き（内側・外側とも）

座席は相席の「ノビノビ座席」で、隣の席とは頭と足の部分だけが仕切られています。
それぞれの特徴を詳しく見ていきましょう。

ノビノビ座席（普通車／相席）

１人分のスペースに区切られたカーペット敷きの細長い席。

座席というよりも二段ベッドのような造りで、掛け布団（毛布）もきちんと用意されています。
ですが枕はないので、旅行用の枕やネックピローを持参すると良いでしょう。

席は上段と下段があり、下段には上段に昇るための階段があるので、やや狭く感じるかもしれません。
頭側と足側には仕切りがあり、隣席とつながっていますがほど良いプライベート感があります。

『サンライズ出雲』の乗車券の中では一番安い席で、節約したい人や３人以上のグループ・家族などにおすすめです。

車両：５・12号車

ソロ（Ｂ寝台／１人用）

一番安い１人用の個室。
シングルよりも少し狭くてテーブルもありませんが、安く個室を利用したい人に好評です。

全てのソロ個室は駆動車（モーターのある車両）にあるため、音や揺れに敏感な人は普通のシングルが良いかもしれません。

部屋の位置は上段・下段の２種類から選べます。

【車両：３・10号車】

シングル（Ｂ寝台／１人用）

『サンライズ出雲』のスタンダードな個室。
リーズナブルで必要十分な設備があり、一番人気！

小さめのテーブルもあり、大きな窓で景色を独り占めできます。

部屋の位置は階上・階下・平屋の３種類で、少し広く展望の良い「階上」が人気！
ですが揺れがやや大きいため、乗り物酔いしやすい人は「階下」がおすすめです。

「平屋」は天井が高くて解放感がありますが、車両の駆動部や端にあるため、音と振動がやや響くかもしれません。

【車両：1・2・6・7・8・9・13・14号車の1階の一部】

シングルデラックス（Ａ寝台／１人用）

１人用としては最上級の個室で、『サンライズ出雲』で唯一のＡ寝台！
※ツインのＡ寝台はありません

設備もデラックスの名にふさわしい上質さで、広い洗面台・机・イスなどがあり、掛け布団も羽毛布団になっています。

また、アメニティもシャンプー・リンス・石けん・歯ブラシ・カミソリ・ヘアブラシ・シャワーキャップなど、ビジネスホテルのような充実ぶり。
長時間の移動を快適に過ごしたい人や、移動中もノートパソコン等で仕事をしたいビジネスパーソンにおすすめです。

なお、同じ車両（４・11号車）内には「シングルデラックス」の乗客専用のシャワールームがあり、乗車券に付属する「シャワーカード」で利用できます。
※シャンプー・ボディソープあり

【車両：４・11号車】

シングルツイン（Ｂ寝台／１～２人用）

１人でも２人でも泊まれる個室。

シングルと同程度のスペースに、上下２段のベッドが設置されています。
※上段のベッドは折り畳み可能

下段のベッドはシーツを外してマットの中央部分を取り外せば、向かい合わせの座席にチェンジできます。

上段にも下段にも窓があって、天井が高いのが魅力！
ですが立てるスペースが狭いため、２人で泊まると少々窮屈かもしれません。成人男性２人など、大柄な大人同士は「サンライズツイン」の方が良いでしょう。

また、全ての部屋が車両の端にあるため、音と振動がやや気になるかもしれません。

【車両：１・２・６・７・８・９・13・14号車の1階の一部】
※車いす対応のシングルツインもあり（２・９号車の一部）

サンライズツイン（Ｂ寝台／２人用）

２人用の大きめの個室。
２つのベッドが左右に並んでいます。

２人旅に大人気で、部屋数が少ないため早めに予約しましょう！

ベッドは「ソロ」や「シングル」よりもやや大きく、ゆったり横になれます。

【車両：４・11号車】

このように、長時間の車中泊も快適に過ごせる『サンライズ出雲』。
今や日本で唯一の寝台特急で、出雲旅行の足として、鉄道ファンの憧れの車両として大人気です。

特に連休・春休み・ＧＷ・夏休み・年末年始は早々にチケットが売り切れるので、なるべく早めに予約しましょう！

取材協力・ 写真提供： JR西日本中国統括本部　経営企画部総務／無断転載禁止
ライター：風間梢（プロフィールはこちら）