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すべては”美味しいキャビア”のために! 中国山地の清水で「世界三大珍味」のひとつを育む。【セレビアキャビア/邑南町】

2020年6月20日

世界三大珍味のひとつ・キャビアを産み出すチョウザメを、中国山地の清らかな水と島根県の豊かな自然環境で養殖。低温殺菌はおこなわず、塩分は3%以下に抑えて、厳選した魚種から独自の「フレッシュ・キャビア」を創り出している。

”本当のキャビアの美味しさ”を広めたい! 中国山地の豊かな自然が育む「フレッシュ・キャビア」。

世界三大珍味のひとつ、キャビア。
「とにかく高価」「めったに食べられない」といったイメージが強いグルメですが、そんな珍味が島根県の山里で造られていることをご存知でしょうか?

日本で売られているキャビアのほとんどは、海外から長い距離を運ばれてくる輸入品。主な産地はロシアや中国などで、長期輸送のために低温殺菌などの処理が行われがちです。
ですが、この『セレビア キャビア』は国産の「フレッシュ・キャビア」! 輸入品にはない味付けや製法で独自の美味しさを実現しています。

チョウザメの育て方・卵の鮮度・塩加減・製造方法などを工夫して、なるべく自然に近い美味しさを保っている。そのオリジナルの製法から「フレッシュ・キャビア」と名付けた。

中国山地の懐(ふところ)にある島根県邑南町(おおなんちょう)には、天然記念物のオオサンショウウオが生息する清流が多数ある。この清らかな水でチョウザメを育てて、島根県産のキャビアを生み出している。

キャビアの親・チョウザメの燻製(くんせい)や生体も販売。これらも国内ではめったに味わえない珍味!

淡水魚のチョウザメは山の天然水でもよく育つ。澄んだ雑味のない味わいは、島根と邑南町の美しい自然のたまもの。

新鮮だからよけいな加工はしない! キャビア本来の味が生きている逸品。

『セレビアキャビア』の良さは、養殖場内の敷地に加工場があるため、鮮度抜群なことです。そして瓶詰めの際の塩分も3%以下におさえているため、キャビア本来の美味しさが生きています。

7年以上もかけて育てた大きなチョウザメを、水揚げ後すぐに加工場へ。そして新鮮なキャビアを取り出して、天然岩塩だけで丁寧に塩漬けにしています。
こうすることで、クリーミーな食感や甘みが生きた宝石のようなキャビアが完成! 普通のキャビアによく行われている低温殺菌も行なっておらず、素の美味しさが味わえます。

数十種類もいるチョウザメの中から、6種類のチョウザメを厳選して養殖中。そのうちHPでは3種類のキャビアを販売していて、なんとも贅沢な「キャビアの食べ比べ」ができる。

「最初の一粒から最後の一粒まで、全てをより良い状態で召し上がっていただけるように日々努力しています」と語る、株式会社セレビア社長の小林憲治さん。島根の豊かな自然の中で愛情たっぷりに育てたチョウザメは、みんな健康で元気いっぱい!

美しい山々に囲まれたチョウザメの養殖池。自然の川や湖に近いストレスフリーな環境で、美味しいチョウザメとキャビアが育つ。

お好みで選んでも、食べ比べても満足! 「国産キャビア」と「チョウザメの燻製」に舌つづみ。

こうして加工された『セレビア キャビア』は、以下の2種類があります。さらに母体のチョウザメを加工した燻製も販売しており、身も卵も味わえます。

●ベステル キャビア

オオチョウザメのメスとコチョウザメのオスを交配させた、「ベステル チョウザメ」から採れるキャビア。日本国内では最も多く養殖されていて、その美味しさに定評があります。

卵膜(卵を覆っている膜)は柔らかめで、ネットリとした食感を感じられる物もあります。味はクリーミーかつほど良い甘味があり、魚体によって色・大きさ・味に個性があるため、買うたびに新鮮な味を楽しめます。

●アムール キャビア

「アムール チョウザメ(ロシアと中国の国境にあるアムール川に生息するチョウザメ)」から採れるキャビア。これを邑南町で約10年間も育て、手間ひまかけてキャビアを採っています。

「ベステル キャビア」よりも粒が大きく、卵膜がしっかりしているので、プチプチとした食感が格別! 甘味は控えめですが、サッパリした後味が好評です。
色は深いオリーブグリーンからやや茶色がかった色。

●チョウザメの燻製(くんせい)

新鮮なチョウザメの身を、ナラの木で10時間以上燻してから食塩と砂糖のみで味付け。世界三大珍味のひとつを産みだす魚だけに、その旨味と豊かなスモーク香とのハーモニーは極上!

そのまま味わっても美味ですが、サッパリ系のドレッシングをかけてカルパッチョ風にしたり、チーズを巻いたりするのもおすすめ。
もちろんお酒との相性も良いので、おつまみにも最適です。

キャビアはチョウザメの種類によって色・大きさ・味が異なる。数種類のチョウザメから卵を採っているので、食べ比べてお好みのキャビアを見つけてみよう。

どうして山の中でチョウザメを養殖? “島根県産キャビア”の誕生秘話。

“島根県産キャビア”を始めたのは、有限会社小林建設でした。

国の公共工事が2001年頃から大幅に減少したことで、地方の建設会社は仕事が激減。そのため「このままでは会社の存続が厳しくなる」と判断した小林さんが、苦境を乗り越えるために、チョウザメの養殖を思いついたのです。

株式会社セレビアと有限会社小林建設がある邑南町の風景。“桃源郷”とも呼ばれている風光明媚な山里で、豊かな自然と食に恵まれ、島根旅行の穴場としても注目されている。

建設業の技術を生かし、2005年の春頃からチョウザメの養殖池を自作。そうした設備造りはスムーズにいきましたが、肝心かなめのチョウザメの養殖でつまづいてしまいました。

飼育を始めるやいなや、しばらく順調に育っていたチョウザメたちが、だんだん弱ったり、死んだりしてしまったのです。そして最終的には仕入れた稚魚がほぼ全滅してしまいました。

その後は、飼育方法や飼育環境を見直して生存率を改善。ですが世界三大珍味のひとつ・キャビアといえども「作れば即売れる」という訳ではありませんでした。

今でこそ「国産キャビア」の名ブランドとなり、‟島根県産のキャビア”として名をはせるようになった『セレビアキャビア』だが、それまでの道のりは長かった。

「最初の2~3年はサンプルの配布や宣伝で精一杯。利益はほぼ上がらず、製造技術がまだ未熟だったこともあり、解凍の際にドリップ(旨味を含んだ細胞内の水分)が出てしまったり、キャビアの粒が潰れてしまったりと、課題が多々ありました」

ですが小林さんの試行錯誤によって、これらの課題も徐々に改善。そして品質に定評を得られて取引先も増えていく中で、「『小林建設』という名前ではキャビアの販売がしにくい」と判断。2014年に株式会社セレビアを設立しました。

今も健在の小林建設では、同じく島根県邑南町で、国産チョウザメの稚魚や成体を販売。チョウザメの養殖を始めたい企業や、ペットとして飼いたい個人客などを応援している。

のどかな島根県の山里で、「国産キャビアのトップブランド」を目指す!

「ここ数年、チョウザメ養殖への新規参入起業が増えています。そこで弊社では、他社との差別化をはかるために、2014年からまだ国内ではあまり例のない『アムールチョウザメ』の種苗生産を始めました。
試行錯誤や失敗もありましたが、2016年の春に無事に孵化に成功。これを機に、2017年から小林建設ではチョウザメの養殖を、株式会社セレビアではキャビアの製造・販売を本格化させ、それぞれの業務を完全に移行・分離しました」

そして今、小林建設は「アムールチョウザメ」の孵化に毎年成功しながら、シベリアチョウザメ・コチョウザメ・シロチョウザメの孵化にも新たに成功!
そして株式会社セレビアは、「土建会社」のイメージが払拭(ふっしょく)されたことによってキャビアの取引先が増加しました。そのため日本全国の百貨店や飲食店、個人客などから、多くの注文が寄せられているそうです。

「多くの方々に助けられて、現在に至ることができました。今後も小林建設と株式会社セレビアの2社で互いに切磋琢磨し、さらなる品質向上と新商品の開発などに努力して参ります」

緑あふれる島根の山里から、独自の「フレッシュ・キャビア」とチョウザメをお届け。小林さんの大胆な挑戦から始まった事業は、全国の人々に美味と夢をもたらしいます。

さまざまな困難を経て、島根県産の「フレッシュ・キャビア」が誕生! 世界三大珍味のひとつを国産で味わえる驚き。

よく見ると可愛くて愛嬌があるチョウザメ。食べても美味しいけれど、ペットとしてもおすすめの魚。
※ペットにされる場合は、成長がとても早い魚種のため、飼育環境や設備を十分にご検討の上でご購入ください。
※稚魚から1年で10~20㎝、約3年で40~50㎝、成魚になると小型でも30~40㎝、大型のものでは2m以上になります。

『セレビア キャビア』がある島根県邑南町は、他にも「石見(いわみ)和牛」や「石見ポーク」、島根県産そばなどの産地として知られる‟A級グルメ”の町。これらを供してくれるレストランや宿も多く、島根旅行の通なスポットとして注目されている。
一流の料理人やバイヤーが目指す地で、食通おすすめのグルメを堪能する旅行も一興。さらに中国山地の高原地帯にあるため、夏でも夜は涼しいので夏休みのバカンスにもおすすめ。

- DATA
セレビアキャビア(株式会社セレビア)

HPhttp://www.shimanecaviar.com/
住所:島根県邑智郡邑南町上田所418番地1

電話:0855-83-2120
営業時間:9:00~17:00
休日:日曜 第2・第4土曜

取材協力・ 写真提供: 株式会社セレビア/無断転載禁止
ライター:風間梢(プロフィールはこちら

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