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絶景と発見がいっぱい♪ 知的好奇心が満たされる、旅の出発地点。
離島。
旅情とノスタルジックが香るその響きから、旅行先やお取り寄せグルメなどで人気を集めています。
そんな非日常を体感したい方にぜひ訪れてみてほしいのが、島根県の「隠岐(おき)諸島」。
ユネスコ世界ジオパークに認定された、独自の自然や地形などが多数ある、驚異のネイチャー・スポットです。
エリア全体が見どころいっぱいで、それらを分かりやすく解説・案内してくれるのが、この「隠岐ジオゲートウェイ」と「隠岐自然館」。
ひとつの建物に観光案内所と展示施設の機能が詰まっていて、旅の情報や隠岐の知識を得る場として、隠岐旅行の「入り口」に最適です。
隠岐ジオゲートウェイ ~ 旅行者を迎える「隠岐の玄関」 ~
まずは「隠岐ジオゲートウェイ」の1Fを訪ねてみましょう。
ここには隠岐の観光スポットやその効率的な巡り方、あなた好みの旅のしかたなどを紹介してくれる、「隠岐の島町観光協会」があります。
島巡りへのアドバイスや、絶景スポットを巡る遊覧船などの予約もおまかせ♪
島旅のいろんなニーズにこたえてくれます。
また、フリースペースには海を眺めながら調べ物や仕事ができるコンセント付のデスクや、ゆったりくつろげるソファ席、そしてのんびりできる畳スペースまであります。
フェリーの待ち時間や島旅の休憩に、隠岐の美しい海を眺めながら癒しのひとときを過ごせます。
隠岐自然館 ~ 隠岐のすべてがここで分かる! 隠岐の見どころを知って、充実した島旅を ~
次に訪れたいのは、2Fの「隠岐自然館」です。
隠岐の見どころとその価値がよく分かる、充実の展示です。
隠岐旅行の醍醐味は、島ごとに異なるダイナミックな地形や景観、また隠岐という環境に寄り添って暮らす人の営みを、肌で感じること。
旅をしながら出会う、見たこともない岩肌や、不思議な動植物、ユニークな文化などの「なぜ?」を知り、より深く隠岐を知ることで、旅に深みが増すでしょう。
「隠岐自然館」は、以下の3つのゾーンに分かれています。
忙しい人もサラリと見られて、興味があればじっくり深掘りもできて、旅の情報収集にも、学びの場所としてもオススメです。
●「大地の成り立ち」ゾーン
ここでは隠岐諸島ができた経緯と、それまでの地球の歴史を、その記憶を記した時代ごとの岩石から学べます。
隠岐の誕生までの歩み、奇岩や絶景が生まれた仕組みなど、ダイナミックな地球の営みにびっくり!
かつての日本列島がユーラシア大陸の一部だったことを示す2億5000万年前の岩石や、地球内部のマントルの成分を取り込んだ岩石など、隠岐の岩石を通じて壮大な地球の歴史をかいま見られます。
●「独自の生態系」ゾーン
ここではジオラマや生き物たちの剥製を交えて、隠岐の陸と海に暮らす生き物と、その多様な生態系が作られた理由を紹介しています。
隠岐の固有種の「オキサンショウウオ」のジオラマや、びっくりするほど大きな魚の剥製は、子どもたちを中心に人気!
さらに隠岐の海に生息する魚・貝・海藻の実物を用いた資料が数十点もあって、その豊かな生命の営みに感動します。
●「人の営み」ゾーン
こちらは隠岐の文化・歴史を紹介するゾーン。
隠岐で採れる黒曜石を介しての隠岐と島外の人々の約3万年前からの交流や、天皇のご配流、独特な古典相撲など、隠岐だからこそ生まれた歴史と文化が分かります。
中でも隠岐に100以上もある神社の分布や、各地での祭りの紹介などは、神社マニアや年配の方々に人気!
島の歴史を創りあげてきた、人々の営みを実感できます。
隠岐の主な見どころ ~ 絶対に行きたい名所はココ! ~
「隠岐ジオゲートウェイ」で隠岐の見どころを知り、「隠岐自然館」で予習をしたら、いよいよ島内のスポットへ出発!
絶景を肌で感じられるレンタサイクルなら、車では見落としてしまう穴場や行きづらいスポットまで、余すところなく巡れます。
(オススメは電動アシスト付きの「E-BIKE」)
以下は隠岐の主な見どころです。
もちろんこれ以外にも絶景・名所・グルメなどが盛りだくさんなので、あなた好みのスポットを「隠岐ジオゲートウェイ」で調べて巡りましょう♪
●摩天崖(まてんがい) <西ノ島町>
離島ならではの絶景といえばここ! 国賀海岸の「摩天崖(まてんがい)」です。
水面からほぼ垂直に切り立った高さ257mの絶壁は、日本海の波風を受けて作られた天然の防波堤。
約7kmに渡る国賀海岸のいただきには、草原が広がり、牛や馬がのびのびと過ごしています。
摩天崖の頂上から海岸まで下り降りるトレッキングは、「天空ウォーク」と呼ばれていて、まるで空の上を歩いているような気分♪
さらに遊覧船に乗って絶壁を下から見上げたり、海の波の侵食であいた洞窟に入りこんだり、水平線に沈む夕日が侵食された岩に重なって美しい影を作る光景に、心を奪われるような体験もできます。
●ローソク島 <隠岐の島町>
隠岐の島町の北西の海上から突き出た、独特な形の奇岩。
元々は島後と一続きの陸地だったものの、波の侵食を受け、ここだけが取り残されたといわれています。
夕日がローソクの灯りのように重なる瞬間を見られるのは、遊覧船からのみ!
昼間は展望台から白い岩肌と青い海を楽しみ、夕暮れに遊覧船からローソクが灯る姿を望み、二度感動を味わうのもオススメです。
●明屋海岸(あきやかいがん) <海士町>
海士町の北側、レンタサイクルで30分ほど走ると見えてくるスポット。
穏やかで真っ青な海と、剥き出しの真っ赤な地層のコントラストが美しい海岸です。
地球の長い年月の中で、火山が噴火し、波で削られ、今の形になりました。そのダイナミックな歴史と儚さに、つい想いをはせてしまう絶景です。
写真の奥に見える「ビシャゴ」という切り立った岩場は、波によって削られた穴がハートの形に見えることから、「ハート岩」とも呼ばれています。
夏はこの素晴らしい景色の中で、海水浴やキャンプを楽しめます。
●赤壁(せきへき) <知夫町>
大地の断面を目のあたりにできる、圧倒的な迫力のスポット!
知夫里島の北西にあり、赤や褐色、黒など、部分ごとに色合いや風合いが違う迫力の断崖が約1kmに渡って続いています。
雨の後は岩肌に水が滴り、夕暮れ時にはいっそう赤が映えるなど、天気や時間帯によって変わる表情を、展望台や遊覧船から眺められます。
●乳房杉 <隠岐の島町>
樹齢約800年の杉の巨木で、幹が乳房のように垂れ下がった不思議な樹形が特徴です。
それ自体の価値もさることながら、「岩倉神社」の御神木にもなっています。
山のただ中のひんやりとした空気や、荘厳で神秘的な佇まいに、古来から人々に大切にされてきたその歴史や神秘性に、つい想いをはせてしまいます。
島内には、この乳房杉を含めた「島後三大杉」があるので、E-BIKEで巡るのもオススメ!
「隠岐ジオゲートウェイ」は、隠岐の観光・教育の拠点として、2021年4月にオープンしたばかりの新しい施設。
今後はより便利で楽しい旅をしてもらえるような工夫や、隠岐の人々が気軽に訪れられる空間づくり、そして旅人と島人がフレンドリーに交流できる仕組みづくりを、コロナ禍の後に向けて行なっていく予定です。
- DATA
隠岐ジオゲートウェイ
HP:https://www.e-oki.net/spot/detail.php?spot_id=14
住所:島根県隠岐郡隠岐の島町中町目貫の四61
電話:08512-2-0787
営業時間:8:00~19:00
休日:年末年始(12/29~1/3)
入館料:無料
- DATA
隠岐自然館
住所:島根県隠岐郡隠岐の島町中町目貫の四61(同上)
電話:08512-2-1583
営業時間:9:00~17:00
休日:第2・第4火曜日 / 年末年始(12/29~1/3)
入館料:高校生以上500円・小中学生250円
取材協力・
写真提供:
(一社)隠岐ユネスコ世界ジオパーク推進協議会,隠岐観光協会/無断転載禁止
ライター:風間梢(プロフィールはこちら)