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塩見縄手 ~松江城のお堀端、江戸時代の風景が残る通り~
「塩見縄手」とは、松江城の北側、お堀にそって広がる約500mの通り。
名前の由来は「武家屋敷」に住んでいた塩見小兵衛という武士です。
彼が松江藩で異例の出世を果たしたため、それにあやかって「塩見縄手」と呼ばれるようになりました。
そして「縄手」とは、縄のように一筋にのびた道のこと。
道沿いには武士の家中屋敷(かちゅうやしき)※が立ち並び、その建物を活かした記念館・美術館・お店などが軒を連ねています。
※家中屋敷(かちゅうやしき)とは:城のまわりを取り囲むように立ち並ぶ武士の屋敷。城のお殿様に仕える武士たちが住んだ。
武家屋敷 ~松江城のお殿様に仕えた武士の屋敷~
「武家屋敷」があるのは、塩見縄手のほぼ中央。
この一帯に残る唯一の完全な武家屋敷で、江戸時代の建物が当時のまま保存されています。
約70坪の主屋をはじめ、長い塀や長屋門(武家屋敷の伝統的な造りの門)などがしっかり残っていて、一歩足を踏み入れれば江戸時代の武士になった気分!
かつての松江藩士の暮らしを偲べます。
そんな歴史ある建物の中に上がれるのが魅力で、主屋の屋敷ではかつての家主・塩見小兵衛の精巧な人形がお出迎え。
季節ごとの伝統的な飾り付けもされていて、今も誰かが暮らしているように見えます。
主屋の内部では当主の部屋、奥方の部屋、台所、刀箪笥(かたなだんす/刀を保管するタンス)、奥方の化粧道具、台所道具や子どもの玩具など、武家の建築や家具を見学できます。
武家屋敷ならではの造りは、来客に見せる区画とプライベートな区画との違い。
表にあたる式台玄関(来客用の玄関)から座敷までの区画と、裏にあたる私生活用の区画では、造りも建材も異なります。
これは公私のけじめをしっかりつけていた武家の暮らしを示すものです。
来客を通すお座敷は書院(床の間の脇に設けられた出窓のような棚)や、柾目(まさめ/平行な木目)の長押(なげし/壁を囲むように飾った木材)、九曜紋の釘隠しなど、格式を重んじた造りになっています。
一方プライベートな居住空間は、当主の居間に設けられた面皮(角に丸みを残した木材)の長押や、ふくら雀の形をした愛らしい釘隠しなど、遊び心があふれています。
屋根の棟瓦には出雲名産の来待石(きまちいし/赤茶けた砂岩)が使われていて、島根ならではの特徴も見られます。
武家屋敷の行事とイベント ~季節の行事・松江水燈路~
伝統を重んじる武家らしく、武家屋敷では季節ごとの行事や飾り付けが行なわれます。
ひな飾りや五月人形など、四季折々の飾り付けは情緒たっぷり!
ほかにも以下のような行事やイベントが行なわれます。
1月元旦 ・・・ 紅白餅の配布
2月3日 ・・・ 節分福豆の配布
2月下旬~4月初旬 ・・・ ひな飾り
4月~5月 ・・・ 五月人形飾り
7月 ・・・ 七夕飾り
さらに見逃せないのが、秋の一大イベント「松江水燈路(すいとうろ)」。
松江城と城下町の一帯が、秋の夜長に幻想的にライトアップされます。
【松江水燈路】
開催期間:9月下旬~10月中旬の土・日・祝日
開催時間:18:00~21:00
入場料金:無料
イベント内容:ライトアップ・手づくり行燈や光のオブジェの展示・屋台・縁日・光船(松江堀川遊覧船)・スタンプラリー・ライブ・コンサート・夜神楽・ナイトミュージアム・怪談イベントなど
※イベント内容は毎年変わります
期間中は武家屋敷の庭園にもアーティストや市民による手づくり行燈が並べられて、庭園は入場無料に!
※「松江水燈路」の時間帯のみ
松江城や塩見縄手も幻想的に照らしだされて、まるで異世界に迷い込んだような気分になれます。
塩見縄手の見どころ ~松江の歴史にひたれるストリート~
塩見縄手の見どころはほかにもいっぱい!
大人旅にピッタリの落ち着いた通りで、ゆったり巡れば城下町の住人になった気分で楽しめます。
松江城
言わずと知れた松江のシンボル。
国宝に指定された威風堂々たる姿は必見です。
4重5階 地下1階の城内は迫力満点で、最上階から眺める松江市内と宍道湖の風景はまさに絶景!
城のある「亀田山」全体が緑豊かな公園になっていて、明治時代の洋風建築「興雲閣」とその中のカフェ「亀田山喫茶室」、代々の松江藩主を祀った松江神社、小泉八雲が「怪談」のインスピレーションを得た城山稲荷神社など、見どころいっぱいです。
日本に12城しか現存しない天守のうちの一つ!
松江歴史館
松江藩の家老屋敷を改築した歴史博物館。
その名のとおり、松江の歴史と文化を楽しく学べます。
ここに行ってから松江を旅すれば、何倍も面白くなること間違いなし!
松江城が見える日本庭園と、館内の「喫茶きはる」で味わえる現代の名工による和菓子は女子旅に好評です。
松江観光の最初に立ち寄りたい、松江のビジターセンター的な博物館です。
小泉八雲記念館・小泉八雲旧居
「耳なし芳一」などで知られる小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)の記念館。
作品と生涯、原稿や遺品、著書のライブラリー、ゆかりの美術品や作家の展示会など、小泉八雲の世界にひたれます。
隣にある「小泉八雲旧居」では、八雲の家と松江での暮らしぶり、作品の舞台となった風景などを見学できます。
八雲が生きた明治時代の空気が香る、心癒される空間です。
田部美術館
奥出雲の山林王・田部家ゆかりの美術館。
田部家に伝わる陶器や絵画・茶道具などの美術品や、第23代当主・田部長右衛門氏が収集した品々を展示しています。
松江は茶人で知られる第七代松江藩主・松平不昧公(ふまいこう)の影響でお茶文化が盛んな土地。
そんな松江の伝統をくんだ風流な美術館です。
ぐるっと松江堀川めぐり(松江堀川遊覧船)
松江城のお堀を屋根付きの小船でぐるりと一周!
水上からながめる城下町は、ひと味違った風景です。
船頭さんの観光案内や舟唄、アトラクション感覚の「橋くぐり」は旅の想い出作りにピッタリ。
お姫様やお殿様気分で舟遊びを楽しめます。
“プロが選ぶ水上観光船30選”7年連続入選!
明々庵
塩見縄手の裏通りにある、松平不昧公ゆかりの茶室です。
風雅な茶室や緑豊かな庭園は、わびさび漂う心洗われる風景!
茶道の作法や歴史などを学べる「茶道体験」ができます。
塩見縄手めぐりはお得な「3館共通券(武家屋敷・松江城天守閣・小泉八雲記念館)」がおすすめ!
松江の歴史と文化を感じられる塩見縄手。
お得に巡りたいなら「3館共通券(武家屋敷・松江城天守閣・小泉八雲記念館)」がおすすめです。
ネットで買える アソビュー!の「3館共通券」 は、武家屋敷・松江城天守閣・小泉八雲記念館の3施設に
お得に入場できて、その他10以上の観光スポットでも割引してもらえてとっても便利!
混雑する土日祝日でも現地で並ばずに済みます。
※現地の窓口で買える紙のチケットもあります。
【3館共通券(武家屋敷・松江城天守閣・小泉八雲記念館)】
購入サイト:https://www.asoview.com/channel/ticket/QodAX07zYM/ticket0000023352/
有効期間:購入日を含む3日間
割引施設:松江歴史館・松江堀川遊覧船・田部美術館・明々庵・小泉八雲旧居・月照寺(1割引)・普門院(1割引)・八重垣神社宝物殿・宍道湖遊覧船(はくちょう号)(1割引)・松江堀川地ビール館(お土産・飲食1割引)・袖師窯絵付け体験(1割引/10人以上は要予約)
※その他の施設は2割引
- DATA
松江市指定文化財 武家屋敷
HP:https://www.matsue-bukeyashiki.jp/
住所:島根県松江市北堀町305
電話:0852-22-2243
休館日:なし(年中無休)
<開館時間>
4月1日~9月30日/8:30~18:30(入館は18:00まで)
10月1日~3月31日/8:30~17:00(入館は16:30まで)
<入館料>
大人:310円(団体料金(20名以上)240円)
小人(小・中学生):150円(団体料金(20名以上)120円)
※障がい者手帳・療育手帳などの所持者及び介護者1名は無料
※並ばずに買える便利な電子チケット あり
※武家屋敷・松江城天守閣・小泉八雲記念館3館のお得な共通券あり(電子チケット もあり)
取材協力・
写真提供:
松江市指定文化財 武家屋敷・公益財団法人 島根県観光連盟・松江市役所 文化スポーツ部 観光振興課/無断転載禁止
ライター:風間梢(プロフィールはこちら)