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満奇洞・井倉洞|中国山地の神秘的な鍾乳洞|岡山県新見市

2024年8月12日

美しい鍾乳洞 岡山県と鳥取県の県境にある、2つの美しい鍾乳洞。
中国山地のカルスト台地が雨水に浸食されてできました。

『満奇洞(まきどう)』は全長約450mの横長の鍾乳洞で、歌人の与謝野鉄幹・晶子夫妻に「奇に満ちた洞」と絶賛されました。

『井倉洞(いくらどう)』は全長約1,200m・高低差約90mのダイナミックな地形で、洞内にはなんと落差約50mの滝まであります。西日本では山口県の秋芳洞に次ぐ大きさです。

どちらも個性的で見ごたえがあり、洞内はカラフルにライトアップされています。

【満奇洞】
HP:https://www.city.niimi.okayama.jp/kanko/spot/spot_detail/index/77.html
住所:岡山県新見市豊永赤馬2276-2
探勝時間:約30分

【井倉洞】
HP:https://www.ikurado.jp/
住所:岡山県新見市井倉409付近
探勝時間:約40分

満奇洞とは? 与謝野鉄幹・晶子夫妻が絶賛した幻想的な鍾乳洞

満奇洞

『満奇洞(まきどう)』は岡山県の天然記念物に指定されている、美しい鍾乳洞です。

洞内は横方向に延びていて、全長は約450m。
発見されたのは江戸時代の末期で、タヌキを追いかけていた猟師が見つけたと伝わっています。

名前は地名の槇(まき)に由来していて、昔は「槇の穴」と呼ばれていました。
それが昭和4年に訪れた歌人の与謝野鉄幹・晶子夫妻に「奇に満ちた洞」と絶賛されたことによって、『満奇洞』と呼ばれるようになりました。

洞内は一年中15℃前後で、夏は涼しく冬は暖かく感じます。

満奇洞の見どころ

満奇洞

『満奇洞』の中はLEDでカラフルにライトアップされています。
数秒ごとに刻々と移り変わる色と光が、自然の造形をさらに美しく引き立たせます。

そのため同じスポットでも訪れるタイミングによって全く違う印象に!
ぜひゆっくり足を止めて、幻想的な風景を満喫してください。

①「五重の塔」付近

「五重の塔」付近

鍾乳洞の床から天井まである巨大な鍾乳石。
五重の塔のように段々になっていて、まるで匠の彫刻のようです。

周囲に広がる「銀の幕」と呼ばれるカーテンのような鍾乳石も見どころ!

②「仁王の脚 」付近

「仁王の脚 」付近

まるで仁王像の足のように二股に分かれた鍾乳石。
近くには鏡のように周囲を映す「水鏡」があり、とても写真映えします。

ぜひ自分の姿を映したり、周囲の鍾乳石を映してみてください。

③泉水

泉水

『満奇洞』の奥に広がる広大な湖の入り口。

天井からはいろんな形の鍾乳石が垂れ下がっていて、実に神秘的な景観です。

④千枚田

千枚田

『満奇斜面を流れる水がたくさんの水たまりを形成して、棚田のような形になったもの。

山口県の秋芳洞の「百枚皿」と並ぶ日本屈指のリムストーンプール※で、映画「八つ墓村」シリーズのロケ地としても有名です。

※リムストーンプールとは:堤防のような石に囲まれた水たまり

⑤竜宮橋

竜宮橋

湖の真ん中に赤い橋がかかっていて、その名のとおり竜宮城への架け橋のように見えます。
橋の上で頭上を見上げれば、天井から垂れ下がった鍾乳石が間近に見えて迫力満点!

近くには「乙姫の寝殿」や「乙姫と浦島(に見える鍾乳石)」といった、竜宮城にちなんだ奇石があります。

⑥「恋人の泉 」付近

「恋人の泉 」付近

『満奇洞』の一番奥にある泉。
入口がハート型に見えることから、“恋人の聖地”に選ばれています。

カップルで訪れたら、ぜひ画像のような記念写真を撮って“映え”を目指してみてください!

⑦遊歩道

遊歩道

『満奇洞』の上にある、全長約1.5kmの遊歩道。
『満奇洞』を含む高梁川上流県立自然公園の美しい景色を楽しめます。

特に紅葉シーズンが素晴らしく、真っ赤に色づいたもみじのトンネルが見事!
紅葉するのは毎年11月初旬~中旬ごろで、5月ごろの新緑シーズンもおすすめです。

動きやすい服装と歩きやすい靴で行きましょう 鍾乳洞の中は階段が多くて足元が水で滑りやすいため、動きやすい服装と歩きやすい靴で行きましょう。

大雨などの影響で臨時休洞になることもあるので、お天気と営業情報をホームページでチェックして行くのがおすすめです。
(『満奇洞』・『井倉洞』とも)

また、鍾乳洞の中は天井が低い場所があるので、頭をぶつけないように気を付けましょう。

備北バス 『満奇洞』~『井倉洞』間の距離は約15km(車で約20分)。
路線バスでも移動できますが、本数が少ないため、あらかじめ時刻表を確認しましょう。

【備北バス】
路線:新見駅・渡辺病院⇔満奇洞・ピオーネ交流館
バス停:「井倉洞前」または「満奇洞」
乗車時間:「新見駅」から「井倉洞前」まで約40分・「満奇洞」まで約70分

井倉洞とは? 西日本で2番目に大きいダイナミックな鍾乳洞

井倉洞

続いてご紹介する『井倉洞』も、『満奇洞』と同じ岡山県新見市にあります。

洞内は全長約1,200m、高低差約90mもあり、西日本では山口県の秋芳洞に次ぐ大きさ!
起伏に富んだ地形の中にたくさんの奇岩や怪石があります。

発見されたのは昭和32年頃で、大理石の採掘調査で見つかり国の天然記念物に指定されました。

鍾乳洞に入る前から絶景!

入口付近は落差240mもある断崖絶壁になっていて、鍾乳洞に入る前から絶景!
断崖からは滝が流れ落ちていて、秋は紅葉に美しく彩られます。

鍾乳洞内は四季を通じて15~16℃前後で、夏は涼しく、冬は暖かく感じます。

井倉洞の見どころ

『井倉洞』の内部は入口から出口までぐるっと一周できる道で繋がっています。
その道順にさまざまな見どころがあり、LEDで美しくライトアップされています。

①地軸の滝

地軸の滝

鍾乳洞の中を流れる高さ50mもある滝。

落差、水量とも他の鍾乳洞では見られない見事さです。

②黄金殿堂

黄金殿堂

高さ約30mもある広大な空間で、天井からは「すだれ」のように細長い鍾乳石が無数に垂れ下がっています。

広間の右手にはクラゲのように見える「クラゲ岩」が、上にはこうもりが羽を広げたような形のこうもり岩があります。

③音の滝

音の滝

『井倉洞』の中で一番高い場所で、入口と出口のほぼ中間地点。

鍾乳石の裏側に水がしたたり落ちていて、流れは見えないものの、滝のような音が反響して聞こえます。

④水衣

水衣

ドレスかスカートのように見える不思議な石。
上から石灰成分を含んだ水が絶えず流れ落ちていて、それが水の衣をまとっているように見えることから、こう呼ばれています。

何かのキャラクターのようにも見える奇石です。

⑤瀬戸の海

瀬戸の海

まるで瀬戸内海のように見える湖。

湖の中から突き出た鍾乳石は石筍(せきじゅん)と呼ばれる堆積物で、天井からしたたり落ちる水に含まれている成分が地面に積み重なった物です。

すき焼き風牛丼 入口そばにある「井倉洞レストラン」では、新見市特産の「千屋牛」のすき焼き風牛丼や、熟成肉のランチプレートなど、地元の名物を味わえます。

お土産屋さん お土産屋さんには新見市の特産品やご当地ゆるキャラ「にーみん」のキャラクターグッズなどが並びます。

本物の桃そっくりのお菓子「岡山のもも」は、岡山県産の桃ジャムを果肉入りの白餡と薄皮で包んだ人気商品!

デゴイチ 『井倉洞』の駐車場には、貴重なSL蒸気機関車D51 838(通称デゴイチ)が展示されています。

1943年(昭和18年)に製造されて、1974年(昭和49年)まで現役だった車両。
1971年(昭和46年)には、島根県で開かれた「第22回全国植樹祭」に向かう天皇陛下のお召し列車を牽引しました(岡山駅から米子駅まで)。

神秘的な洞窟 2024年の秋には、新見市を含む岡山県の北部で国際芸術祭「森の芸術祭 晴れの国・岡山」が開催されます。

満奇洞や井倉洞にもアート作品が展示され、アートと神秘的な洞窟とのコラボを楽しめます。

HP:https://forestartfest-okayama.jp/
会期:2024年9月28日(土)~11月24日(日)

- DATA
満奇洞

HPhttps://www.city.niimi.okayama.jp/kanko/spot/spot_detail/index/77.html
住所:岡山県新見市豊永赤馬2276-2

電話:0867-74-3100(満奇洞管理事務所)
入洞時間:8:30~17:00(入洞受付は16:30まで)
定休日:なし(年中無休)
入洞料:大人(高校生以上)1,000円・中学生800円・小人500円・小学生未満 無料
※団体・障害者割引あり
※大雨などの影響で休洞する場合があります


- DATA
井倉洞

HPhttps://www.ikurado.jp/
住所:岡山県新見市井倉409付近

電話:0867-75-2224(株式会社井倉洞)
入洞時間:8:30~17:00(入洞受付は16:30まで)
定休日:なし(年中無休)
入洞料:大人(高校生以上)1,000円・中学生800円・小人500円・小学生未満 無料
※団体・障害者割引あり
※大雨などの影響で休洞する場合があります

取材協力・ 写真提供: 一般社団法人 新見市観光協会/無断転載禁止
ライター:風間梢(プロフィールはこちら

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