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貴重なたたら製鉄の歴史資料と、鉄師頭取のお屋敷
「可部屋集成館」と「櫻井家住宅・庭園」があるのは、島根県の奥出雲町。
この地では、約1400年の昔から砂鉄と木炭による鉄づくりが行われてきました。
そして江戸時代になると、松江藩に任ぜられた「鉄師」たちによって、この「たたら製鉄」がいっそう盛んに。
それを指揮して「鉄師筆頭御三家」と呼ばれるまでに栄えたのが、櫻井家です。
「櫻井家住宅」は櫻井家のお屋敷で、「可部屋集成館」は貴重な歴史資料や文化遺産を展示する資料館。
※「可部屋」は櫻井家の屋号
460平方メートルもの広大な敷地の中に、たたら製鉄の資料や文献、櫻井家を訪れた文人墨客たちによる美術工芸品・調度品・武具など、約4,500点もの品々を収蔵・公開しています。
奥出雲とたたら製鉄の歴史にひたれる、風情たっぷりの空間です。
櫻井家とたたら製鉄の歴史を物語る歴史資料館 ~ 可部屋集成館 ~
「可部屋集成館」には、櫻井家に代々伝わる歴史資料や美術工芸品が展示されています。
古くは江戸時代から収蔵されてきた貴重な品々で、どれも「たたら製鉄」と奥出雲の歴史を物語る貴重な文化遺産。
「たたら製鉄」の道具や古文書、松平不昧公直筆の掛け軸、櫻井家始祖の戦国武将・塙団右衛門(ばんだんえもん)にまつわる甲冑や刀剣、櫻井家に逗留した南画家(中国の南宗画の流れを汲む山水画家)・田能村直入の作品などで、ここでしか見られないものばかり!
春・夏・秋の年3回展示替えがあり、訪れるたびに新たな発見があります。
季節によって移り変わる櫻井家の景観と共に、奥出雲の歴史と風情を感じられます。
櫻井家の歴史を奥さまから聞ける! ~ 奥さまが伝える「櫻井家の魅力」とお茶のおもてなし ~
「櫻井家住宅」と「可部屋集成館」に行くなら、ぜひ参加してみたいのがこの体験プラン。
櫻井家14代目当主の奥さまから、櫻井家の歴史や奥出雲の逸話を聞かせてもらえます。
最初に「可部屋集成館」を見学してから、「櫻井家住宅」に移動。
普段は入れないお座敷に上がらせていただき、奥さまが手ずからご用意したお抹茶と和菓子をいただきます。
奥出雲の優雅なお座敷で、奥様が語る櫻井家の歴史に耳を傾けるひととき。
まさに非日常の、櫻井家でしかできない体験です。
TBSドラマ「VIVANT」の聖地でもある! ~「櫻井家住宅」と奥出雲町のロケ地 ~
「櫻井家住宅」は、2023年放映のTBSドラマ「VIVANT」のロケ地でもあります。
堺雅人さんが演じた主人公・乃木憂助のふるさととして登場し、主人公の父親役の役所広司さんが、奥出雲の「たたら製鉄」と米作りについて語るシーンがあります。
※奥出雲町は‟お米の西の横綱”と呼ばれる「仁多米(にたまい)」の名産地!
乃木家は櫻井家と同じく「たたら製鉄」を営んでいて、「たたら製鉄御三家」だったという設定。櫻井家や奥出雲町の歴史と重なるシーンも多いので、「VIVANT」のファンはぜひ訪れてみて!
「VIVANT」のロケ地巡りとあわせて、櫻井家の文化や歴史にふれる旅を楽しめます。
また、「櫻井家住宅」では乃木家の家紋が入った「乃木家のクッキー」をお土産に販売しています。
戦国武将がルーツの櫻井家 江戸時代から今に至る歴史が奥出雲に息づく
櫻井家のご先祖は、戦国武将の塙団右衛門(ばんだんえもん)です。
徳川家と豊臣家の決戦・大阪夏の陣で討ち死にしたのちに、その嫡子が広島の「可部郷」に移り住み、「たたら製鉄」を営むようになりました。
さらにその子の直重が、出雲に移り住んで屋号を「可部屋」と改めたのが、櫻井家の始まり。
そして直重が名鉄「菊一印」を創り出し、松江藩から「鉄師頭取」を拝命しました。
江戸時代から今に至るまで、変わらず奥出雲にたたずむ歴史ある名家。
そのお屋敷と文化遺産の数々は、奥出雲と「たたら製鉄」の悠久の歴史を物語ってくれます。
- DATA
可部屋集成館/櫻井家住宅・庭園
HP:http://kabeya-syuseikan.com/
Facebook:https://www.facebook.com/kabeyasyuseikan/?locale=ja_JP
住所:島根県仁多郡奥出雲町上阿井1655
電話:0854-56-0800
営業時間:9:00~16:30(入場16:00まで)
休館日:月曜(祝祭日の場合は翌日)・12月中旬~3月中旬
<入館料>
■可部屋集成舘・櫻井家庭園 共通券
一般 1000円 / 高校・大学生 650円 / 小・中学生 450円
■可部屋集成舘のみ
一般 700円 / 高校・大学生 400円 / 小・中学生 300円
■櫻井家庭園のみ:一般 400円 / 高校・大学生 300円 / 小・中学生 200円
取材協力・
写真提供:
奥出雲町観光協会・有限会社 藤本米穀店/無断転載禁止
ライター:風間梢(プロフィールはこちら)