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神話の国・島根にそびえ立つ、日本一の高さを誇る「海の守護者」!【出雲日御碕灯台/島根県出雲市】

2020年5月17日

島根半島の西端、出雲大社から約10kmの地にそびえる、美しい白亜の灯台『出雲日御碕灯台(いずもひのみさきとうだい)』。43.65メートルという日本一の高さを誇り、海面から頂点までの高さは63.3メートルもある。
放つ光の強さ=光度は48万カンデラで、日御碕灯台の灯りは約40km沖まで届く。できてから117年経った今も、島根と山陰の海の安全を守り続けている。

出雲日御碕灯台(いずもひのみさきとうだい)~日本海の紺碧に映える、美しい白亜の灯台

海を旅する船と、その船に乗る人々の安全を守り続けてきた「灯台」。航海の目印として岬や港などに建てられ、その姿と光で船を導いてきました。

その起源は、丸木舟やいかだが使われていた古代にまでさかのぼります。目的地にたどり着くためや、出発した港に戻るために、最初は岬の先端や、そこにある木などを目印にしていました。

ですが、船を造る技術や航海の技術が発達するにつれ、船はどんどん大きくなっていきました。すると航海=海の旅行の距離もまた長くなり、初めて行く土地の目印が自然物だと、分かりづらくなってしまったのです。そのため、より分かりやすいように高い塔を建てて頂上に光を灯すようになりました。

こうして灯台は、現代のような姿になったのです。中でも日本一の高さと、それにふさわしい美しさを持つ『出雲日御碕灯台(いずもひのみさきとうだい)』は、島根旅行の名所にもなっています。

日御碕灯台と海 明治36(1903)年に建てられて以来、『出雲日御碕灯台』は島根の地にそびえ立ち、日本一の高さを今まで保ち続けている。その美しさと歴史的な意義から、島根旅行の名所としても有名。

出雲日御碕灯台 『出雲日御碕灯台』の美しい純白の姿は、灯台がそびえる地・島根県美保関町(みほのせきちょう)から切り出された「森山石」で造られている。
※森山石:島根半島北東部の海岸などから採石された凝灰質砂岩で、「海石」とも呼ばれている石
灯台の内壁はレンガ造りで、外壁と内壁の間には意図的に空間が設けられており、特殊な二重構造になっている。

出雲日御碕灯台の全景 『出雲日御碕灯台』は、その歴史的な価値と文化的な価値から、平成10(1998)年に‟世界の歴史的灯台百選”に選ばれた。さらに平成25(2013)年には、国の「登録有形文化財」にも選ばれ、名実ともに“日本一の灯台”になった。

大山隠岐国立公園 『出雲日御碕灯台』がそびえる地は、島根から鳥取にかけて広がる「大山隠岐国立公園」の一部。波に浸食された奇岩や、紺碧の海と緑なす松林とのコントラストが、実に風光明媚。

レア体験!おすすめの出雲日御碕灯台見学旅行~日本一の灯台の歴史を知る

この美しい『出雲日御碕灯台』は、ただ眺めるだけでなく、その内部を見学することもできます。

外壁の内側には長大ならせん階段が巡らされており、参観料を払えば、遥か頂上の展望台まで昇れます。その段数は、なんと163段! これを昇って至る約40メートルの展望台からの眺めは、まさに絶景です。

眼下に広がる日本海のパノラマと、島根半島の全景、そして晴れの日に遠望できる中国山地や隠岐諸島などの眺めは格別!島根旅行で訪れた方は、そのルートの多くを一望できる爽快さに驚くでしょう。

さらに敷地内にある「灯台資料展示室」は、『出雲日御碕灯台』の歴史や構造の秘密などを、より深く知ることができるおすすめの見学スポットです。
※入場は無料

灯台資料展示室 「灯台資料展示室」。遺跡のように格調高い『出雲日御碕灯台』の、実はハイテクな仕組みを展示・解説している。

出雲日御碕灯台の内部 出雲日御碕灯台の内部。縦長の空間をフルに生かし、海の安全を守る仕組みにびっくり!

ガイドツアーのススメ~日御碕の人々による、とっておきの見どころ案内!

『出雲日御碕灯台』の見どころは、まだまだこれだけではありません。その周囲に広がる大自然も、島根旅行に来たなら外せない見どころです。あなただけの旅行をコーディネートしてくれる、地元・日御碕の人々による‟ガイドツアー”に参加してみましょう。

●定時ガイド「神縁(しんえん)」
催行日:2020年4~11月/毎週土曜・日曜
時間:60分(全コース約700メートル/途中離脱OK)
料金:500円(小学生以下は無料)
コース:日御碕ビジターセンター→神蹟 隠ヶ丘→経島→日御碕神社

日本遺産の‟日が沈む聖地 出雲”に指定されている日御碕には、出雲神話の名所などが多々残されています。こうした史跡や、ジオパーク・島根半島ならではの大自然に触れられるツアーで、その魅力を堪能してみましょう。

海から見た出雲日御碕灯台

また、7~9月の第1土曜日には、海の上から『出雲日御碕灯台』をながめる“日御碕クルージング”とのセットプランもあります。この「特別プラン」は柱状節理(ちゅうじょうせつり)などの地質学的にも貴重な見どころを、爽快なクルージングで楽しめます。
※詳細はホームページで確認(要予約)

経島(ふみしま) 「神縁コース」と「特別プラン」で訪れる経島(ふみしま)は、国の天然記念物に指定されているウミネコの繁殖地。ここは『日御碕神社』の神域でもあり、年に一度、8月7日の例祭の日にだけ『日御碕神社』の宮司が舟で渡ることを許されている。
また、近くの海岸には「日御碕海岸の崖地草本群落」がある(環境省が定めた“特定植物群落”)。こうした神話の国・島根ならではの豊かな自然に触れられる旅行は、きっと忘れられない想い出になる。


さらに旅行者の希望に合わせてカスタマイズしてくれる「予約ガイド」もあります。以下のモデルプランから、スケジュールや人数に合わせてコーディネートしてもらいましょう。

●予約ガイド
・時間と希望にできるだけ沿ったガイドを提案(要お問い合わせ/要事前予約)
・日御碕を知り尽くした地元ガイドが、日御碕の見どころをたっぷりご案内!

【モデルプラン】
①日御碕 満喫コース(80分/3,500円)
『出雲日御碕灯台』をはじめ、日御碕の見どころをしっかり押さえた充実のルート!時間に余裕のない旅行におすすめ。

②灯台周辺コース(40分/2,500円)
『出雲日御碕灯台』について、より深く知ることができる灯台メインのコース。建築に興味のある方や、ギミック好きな子供さんのための家族旅行に。

③神社案内コース
ふたつの社(やしろ)から成る『日御碕神社』を案内してもらえる、短時間で巡れるルート。「島根旅行に来たなら有名な神社は外せない!」という方や、出雲の歴史と神話に興味のある方におすすめ。

④夕景コース(80分/3,500円)
日本遺産の‟日が沈む聖地 出雲~神が創り出した地の夕日を巡る~”に指定された、日御碕の夕景を鑑賞するルート。ロマンチックな旅行がしたいならこれ!

全プランの集合場所:日御碕ビジターセンター
基本料金:ガイド1名につき1時間2,500円(時間超過の場合は加算)
※参加者はすべて1~15名まで、16名以上は複数のガイドが付きます(料金加算あり)

日御碕神社 「神社案内コース」で訪れる『日御碕神社』。約1,300年前に編さんされた「出雲国風土記」にも名が記されていて、島根有数の歴史を誇る。こうした由緒正しい神社を巡る旅行は、島根ならではの楽しみ。

出雲日御碕灯台の周辺の様子

「島根半島・宍道湖中海ジオパーク」散策~日本海の荒波が削った景勝美と優雅な松並木の遊歩道

このように、『出雲日御碕灯台』がある島根県日御碕周辺は名所や絶景スポットの宝庫です。中でも波に浸食されたり、地震などで隆起した海岸は、柱状の奇岩・柱状節理(ちゅうじょうせつり)や目もくらむような断崖絶壁が目白押しです。

さらに優美な松林が広がる海岸沿いには、散策にピッタリの遊歩道もあり!紺碧の日本海と緑の松林が織りなす『出雲日御碕灯台』とのコントラストは、癒しムードたっぷりです。

奇岩や小島が連なる絶景 奇岩や小島が連なる絶景は、神話の時代を思わせる美しさ!県全体が海に面した島根の中でも屈指の景観美を誇る。

柱状節理 遊歩道から見られる「柱状節理」。火山性の岩(玄武岩や安山岩)が、五角形や六角形に割れてハニカム(蜂の巣)状に集まったもの。地下から噴き出したマグマが冷えて固まる際の現象で、地球の創世期の証人。

まるでアートなモニュメントのよう!大自然の驚異「柱状節理」の不思議

日御碕の海岸沿いに見られるのが、この柱状節理(ちゅうじょうせつり)です。約1600万年前に流れ出た溶岩が冷えて縮まってできたもので、「島根半島・宍道湖中海ジオパーク」のメインスポットでもあります。

そして海の波が浸食してできた「海食崖」もあり、ここでは4つの「段丘面」が見られます。これは約23万年前~12万年前にできたと言われていて、地球創世記のダイナミックな息吹を感じられます。

出雲日御碕灯台とりまく柱状節理 『出雲日御碕灯台』をとりまく「柱状節理」。その幾何学的なフォルムは、まるでアートな工芸品のよう!

カップルで旅行すれば恋が深まるかも!?“恋する灯台”に選ばれたロマンチックな風景

そして女性やカップルにおすすめなのが、バレンタインデーなどのイベントデーに見られる『出雲日御碕灯台』のライトアップです。

『出雲日御碕灯台』は、その造形美と景観美から“恋する灯台”に選ばれています(一般社団法人日本ロマンチスト協会・選定)。また、灯台の中の階段を一歩一歩、空に向かって登る歩みが「まるで高まる愛の軌跡のよう!」とも言われています。

日本海に沈む夕日と共に見られる日没前後が、一番のおすすめ。島根旅行のハイライトにムーディーな『出雲日御碕灯台』のライトアップはいかがですか?

※ライトアップについてのお問合せ:日御碕ビジターセンター/TEL:0853-54-5400
※直近のライトアップ・スケジュールはホームページに掲載

夕日と出雲日御碕灯台 夕日に映える『出雲日御碕灯台』と日本海。白亜の灯台が朱に染まる、幻想的なひととき。

夕暮れの出雲日御碕灯台

古代から現代まで、いつも船乗りたちの道しるべになってきた『出雲日御碕灯台』。その歴史と周囲のジオパークを巡る旅行は、島根旅行の中でも穴場的なスポットです。出雲空港やJR出雲市駅、出雲大社からも近く、車やタクシーなら移動も便利。島根と出雲を訪れるなら、ぜひ旅程に入れてみてください。

島根の海鮮丼 駐車場から『出雲日御碕灯台』までの通りには、お土産物屋や食事処がいっぱい!島根の海の幸たっぷりの「海鮮丼」が名物で、磯の香り漂う絶景の中で味わうのがおすすめ。
※写真はイメージです

出雲日御碕灯台

●出雲日御碕灯台(住所・営業時間など)

HPhttps://www.izumo-kankou.gr.jp/677
住所:出雲市大社町日御碕1478

電話:0853-54-5341
営業時間:9時00分~16時30分
※3月~9月の土日祝等は~17時 (12月29日~1月3日についても~17時)
※新型コロナウイルスの感染防止対策のため、入館時はマスク着用


内部の見学料金(参観寄付金):大人(中学生以上)300円
※小学生以下・障がい者 (付き添い1名まで)は無料
※灯台資料展示室の見学は無料


駐車場:あり(第一駐車場65台/第二駐車場175台(バス6台))
公共交通機関:バスほか(HPを参照)

取材協力・ 写真提供: 出雲日御碕灯台/無断転載禁止
ライター:風間梢(プロフィールはこちら

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