エポラコラムサイト

出雲市トキ公開施設・学習コーナー|出雲で本物のトキに会える!

2024年11月9日

国の特別天然記念物「トキ」 国の特別天然記念物「トキ」を見られる、西日本で唯一の施設!

『出雲市トキ公開施設』では、美しい本物のトキに会えます。

『出雲市トキ学習コーナー』では、剥製や展示パネルを通じてトキの生態や歴史を学べて、施設の隣にあるケージでは、近似種のショウジョウトキなど6種の公開や、エサやり体験を行なっています。

普段は非公開の『出雲市トキ分散飼育センター』もあり、こちらではトキを繁殖させています。さらに不定期で飼育の裏側を見られるバックヤードツアーを行なっています。

実は古くからトキが生息していた出雲で、珍しいトキに会ってみませんか?


【アクセス「しまね花の郷」隣
JR西出雲駅から徒歩約10分
山陰自動車道「出雲IC」から車で5分
出雲大社から車で15分

※エサやり体験・バックヤードツアーは事前公開される開催日を要予約(先着順)

トキとは? ~朱鷺色の羽を持つ美しい鳥~

朱鷺色

かつて日本中の空を舞っていた「トキ」。

その名のとおり、朱鷺色(ときいろ)と呼ばれる美しい朱色の羽をしています。

江戸時代まではほぼ全国各地に生息していましたが、エサ場の水田や巣を作る森林が減り、美しい羽根や肉を狙った乱獲も重なって、ついには佐渡島にいた5羽にまで激減してしまいました。

トキ

その5羽もけんめいな保護のかいなく、2003年に純国産のトキは絶滅。

現在は中国から贈呈されたトキをルーツに持つ個体を、佐渡島と4カ所の分散飼育地で飼育・繁殖させています。

『出雲市トキ分散飼育センター』は、そんなトキの分散飼育センターのひとつ。

出雲で生まれ育ったトキは佐渡島に放鳥されて、再びトキが空を舞う国を目指しています。

出雲平野と中国山地 日本国内でトキを飼育しているのは、たったの5カ所!
うち1つは佐渡島にあるため、本州には4カ所しかありません。

希少なトキを全国各地で「分散飼育」して、鳥インフルエンザなどによる絶滅リスクを軽減しています。

【日本全国のトキの保護施設】
・佐渡トキ保護センター(新潟県佐渡市)
・長岡市トキ分散飼育センター(新潟県長岡市)
・いしかわ動物園(石川県能美市)
・多摩動物園(東京都日野市)
・出雲市トキ分散飼育センター(島根県出雲市)


(写真:出雲平野と中国山地)

出雲でトキが見られる! 国の天然記念物とその仲間達を観察

出雲市トキ公開施設

出雲市トキ学習コーナー

『出雲市トキ分散飼育センター』は普段は非公開ですが、近くの2つの施設でトキとトキの仲間達を見ることができます。

・出雲市トキ公開施設(写真上)
・出雲市トキ学習コーナー(写真下)

西日本でトキを見られるのは、ここ出雲だけ!
とってもレアな体験です。

出雲市トキ公開施設 ~希少な本物のトキに会える!~

本物のトキを間近で見られる

本物のトキを見られるのは、『出雲市トキ公開施設』。

場所はJR西出雲駅から徒歩で約10分、フラワーガーデン「しまね花の郷」の隣で、入場には「しまね花の郷」の入園料が必要です。

また、毎年9月~10月頃にはその年に生まれた幼鳥を公開しています。

幼鳥と成鳥は顔や羽の色が違い、それを間近で見比べられます。

【出雲市トキ公開施設】
HP:https://izumo-toki.jp/facility/public-facility/
住所:島根県 出雲市西新町2丁目1039-3
TEL:0853-20-1350

ニッポニア ニッポン

トキはペリカン目トキ科の鳥で、学名は「Nipponia nippon(ニッポニア ニッポン)」。

その名のとおり、日の丸を思わせる美しい色合いをしています。

体長は70~80cmで、間近で見るとかなりの大きさ!
翼を広げると130~140cmもあります。

ですが体重は1.4kg~1.8kgと軽く、大きな翼で優雅に空を舞います。

寿命は15~20年と言われていますが、正確には不明です。

美しい羽根の色!

トキの特徴は、なんと言ってもその美しい羽根の色!

朱鷺色(ときいろ)と呼ばれる独特の色あいで、淡いオレンジとピンクが入り混じり、それが白に溶ける優美なグラデーションです。

羽の色は季節によって変化するため、何度も訪ねてその美しさを楽しむのがオススメ。

ホームページ では、そんなトキやトキ近似種たちのようすをブログで発信したり、イベントの告知をしています。
(ほぼ毎月更新)

とても臆病な鳥

トキはとても臆病な鳥で、基本的には人に懐きません。

飼育員さんは毎日午前中にエサを与えるためにケージの中に入りますが、トキが飼育員さんに気づくと、一番離れた止まり木に移動して様子を伺うそうです。

そして飼育員さんが去ると、やっとエサを食べるために降りてきます。

「エサだ! やったー!」

と喜んで人の側に来ることはなく、ただじっと見つめて警戒しているそう。
トキの習性と性格をかいま見れる瞬間です。

繁殖期には黒っぽくなります トキの羽根は季節によって色が変化して、1月~6月の繁殖期には黒っぽくなります。

この時期も羽根の裏側は朱鷺色のままで、翼を広げたときのコントラストが鮮やか!

出雲市トキ公開施設 『出雲市トキ公開施設』には、トキの秘密がわかる展示コーナーもあります。

日本のトキの歴史や生態、何を食べてどんな暮らしをしているのか、トキの保護増殖事業など、トキの今と昔がよくわかります。

トキのガチャポン 『出雲市トキ公開施設』のロビーにある、トキのガチャポン

おみくじ(マグネット付き)・缶バッジの2種類のガチャ機があり、それぞれ違う絵柄が複数入っています。

ガチャポンに入れたコインはトキの保護・繁殖活動や、トキの知識の普及・啓発事業のために活用されます。

記念撮影スポット 『出雲市トキ公開施設』の玄関横には、トキの気分になれる記念撮影スポットも!

朱鷺色の羽をバックに1枚いかが?

出雲市トキ学習コーナー ~トキの近似種6種が見られる!~

出雲市トキ学習コーナー

もう1つの施設『出雲市トキ学習コーナー』は、『出雲市トキ公開施設』から徒歩数分の場所にあります。

ここではさまざまな資料と剥製などから、トキの生態を学べます。

(剥製・骨格標本・卵の標本・写真・映像・本・繁殖ケージのジオラマなど)

【出雲市トキ学習コーナー】
HP:https://izumo-toki.jp/facility/learning-corner/
住所:島根県出雲市西新町2丁目2456-2
TEL:090-4141-4077

間近で観察できる

間近で観察できる

さらにトキの近似種6種(アフリカクロトキ・ショウジョウトキ・シロトキ・ムギワラトキ・アンデスブロンズトキ・アジアクロトキ)を間近で観察できるケージもあります。

世界のトキの仲間たちは、色とりどりで個性豊か!

トキと似ている点や、違う点などを観察してみませんか?

トキの近似種6種とは?

※飼育羽数は2024年10月現在のものです

①アフリカクロトキ(13羽)

アフリカクロトキ

トキとほぼ同じ大きさの、アフリカに住む近似種。
古代エジプトでは神聖な鳥として崇拝されていました。

トキのような冠羽(頭の羽根)がなく、頭から首にかけて黒い皮膚が露出しています。

春~夏の繁殖期には、オスもメスも羽根が黄色っぽく変化します。

②ショウジョウトキ(8羽)

ショウジョウトキ

体全体が鮮やかな朱色の羽根に覆われた、華やかな鳥。
トキよりもかなり小さくて体重も軽めです。

トキのように皮膚が露出した部分がなく、顔にも頭にも羽根が生えています。

生息地は南アメリカの北部です。

③シロトキ(2羽)

シロトキ

トキによく似た近似種ですが、頭の後ろの羽根が短くて、クチバシの色も違います。
体もひと回り小柄です。

よく観察してトキとの違いを確認してみましょう!

生息地は北アメリカの南部から南アメリカにかけてです。

④ムギワラトキ(1羽)

ムギワラトキ

翼のグラデーション

翼のグラデーションがとても美しい近似種。
一見黒っぽい羽根をしていますが、光が当たるとクジャクのような七色にきらめきます。

晴れた日は特にキレイなので必見!

生息地は南半球のオーストラリア・タスマニア・ニューギニア南部などです。

⑤アンデスブロンズトキ(4羽)

アンデスブロンズトキ

こちらも一見地味な色合いですが、その名のとおり銅のような光沢のある美しい羽根をしています。

光に当たるとムギワラトキと同様に、クジャクのような複雑な色にきらめきます。

生息地は南アメリカのアンデス地方(ペルー・ボリビア・チリなど)です。

⑥アジアクロトキ(1羽)

アジアクロトキ

白・グレー・黒の濃淡が水墨画のような風情で、東洋的な美しさのある鳥です。

見た目はアフリカクロトキに似ていますが、尾羽や頭の羽根は黒ではなくグレーで、首は羽根に覆われています。

生息地は中国から東南アジアにかけてで、ごく稀に日本にも冬鳥として渡って来ることがあります。

トキとトキ近似種に親しめる2つの体験 ~エサやり体験・バックヤードツアー~

トキ近似種とのふれあい

『出雲市トキ学習コーナー』では、これらトキの近似種達へのエサやり体験ができます!

さらに普段は非公開の『出雲市トキ分散飼育センター』では、トキの飼育の裏側を見られるバックヤード体験ツアーを行なっています。

※「エサやり体験」・「バックヤード体験ツアー」とも、事前公開される開催日を要予約(先着順)
※どちらも参加資格は小学生の親子連れ

トキやトキの仲間達と親しめるまたとないチャンス!
開催日は不定期で、ホームページ にお知らせが載ります。

【エサやり体験・バックヤード体験ツアー】
開催時期:毎年夏~秋ごろの2日間程度
告示期間:開催の2~3カ月前
(HP・チラシ(出雲市内で配布))
お申込み方法:HPの専用フォームから
参加料金:無料


①トキ近似種へのエサやり体験

トキ近似種へのエサやり体験

普段は入れない飼育ケージの中に入って、直接エサやりができます。

トキとその近似種は肉食性で、野生のトキは田んぼにいるドジョウ・カエル・タニシや、湿地にいる昆虫などを捕食しています。

そんな食性に沿ったエサ(馬肉などのミックス)をやり、スタッフさんに生態などをレクチャーしてもらえます。

【場所:出雲市トキ分散飼育センター】

②バックヤード体験ツアー

バックヤード体験ツアー

ふだんは非公開のバックヤードに入って飼育員さんの作業を体験できます。

事務室のモニターでトキを観察したり、作業室でエサの準備をしたりします。

【場所:出雲市トキ分散飼育センター】

日本中の空に再びトキが舞う日を目指して ~出雲市トキ分散飼育センターの保護活動~

野生への復帰を目指しています

『出雲市トキ分散飼育センター』では、絶滅危惧種のトキを保護・飼育・繁殖させて野生への復帰を目指しています。

広大な敷地にはトキの生息地に近づけた環境が再現されていて、10羽のトキがのびのび暮らしています。

トキは人が作った水田でエサを獲り、里山近くの森林に巣を作る「里の鳥」でした。古き良き日本の暮らしに寄り添い、人と共生する鳥だったのです。

悲しいことに、そんなトキは人の手によって野生では絶滅に追いやられてしまいましたが、同じ人の手によって再び増えつつあります。

美しいトキ

美しいトキ

現在、トキは佐渡島への放鳥が進んで約500羽が野生で暮らしています。

出雲市と能登半島も放鳥の候補地に選ばれていて、数年後には出雲市での放鳥が実現するかも!?

『出雲市トキ公開施設』『出雲市トキ学習コーナー』では、そんなトキの姿や展示などを通じて「人もトキも住みやすい、環境にやさしいまち作り」を発信しています。

ドジョウ・タニシ・カエルなどがたくさんいる田んぼと、それを実現するための農薬や化学肥料の低減、緑豊かな里山と森林の保全などが、トキも人も暮らしやすい環境作りの第一歩。

美しいトキを見て、日本の環境と未来の空に思いをはせてみませんか?

出雲平野と宍道湖 大正12(1923)年に発行された「島根県誌」には、「宍道湖にはしばしばトキ、ハクチョウ来る」と記されています。

松江の沖にある隠岐(おき)諸島にも、昭和の中ごろまでトキが生息していました。

日本の原風景が残る島根に、再びトキが舞う日は近いかもしれません!

(写真:出雲平野と宍道湖)

- DATA
出雲市トキ分散飼育センター・出雲市トキ公開施設・出雲市トキ学習コーナー

HPhttps://izumo-toki.jp/

【出雲市トキ公開施設】
HPhttps://izumo-toki.jp/facility/public-facility/
住所:島根県出雲市西新町2丁目1039-3

TEL:0853-20-1350
開館時間
3月~11月 / 10:00~16:30
12月~2月 / 10:00~16:00
休館日:火曜(祝日の場合は翌日休館)・12月29日~1月3日
入館料:無料(別途「しまね花の郷」の入館料が必要)

【出雲市トキ学習コーナー】
HPhttps://izumo-toki.jp/facility/learning-corner/
住所:島根県出雲市西新町2丁目2456-2

TEL:090-4141-4077
開館時間
3月~11月 / 9:30~17:00
12月~2月 / 9:30~16:30
休館日:12月~2月の火曜(祝日の場合は翌日休館)・12月29日~1月3日
入館料:無料

【アクセス「しまね花の郷」隣
JR西出雲駅から徒歩約10分
山陰自動車道「出雲IC」から車で5分
出雲大社から車で15分

※エサやり体験・バックヤード体験ツアーは事前公開される開催日を要予約(先着順)

取材協力・ 写真提供: 出雲市トキ分散飼育センター・出雲市トキ公開施設・出雲市トキ学習コーナー/無断転載禁止
ライター:風間梢(プロフィールはこちら

Related Posts
関連記事

メニュー
epauler公式ショップ