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稲佐の浜|出雲大社の神迎神事の聖地

2024年1月20日

稲佐の浜 国引き神話と国譲り神話の舞台となった美しい海岸。

浜辺には「弁天島」と呼ばれる島がそびえていて、その上には海の神・豊玉毘古命(とよたまひこのみこと)を祀った祠があります。

出雲大社の「神迎神事(かみむかえしんじ)」が行なわれる聖地でもあり、神在月(かみありづき:旧暦の10月)には日本中から八百万の神々が集うパワースポットです。

<日本遺産「日が沈む聖地 出雲」・日本の渚百選>

日本の渚百選

稲佐の浜はどんなところ? 行き方は?

出雲大社の約1.2km西、白い砂浜と紺碧の海が美しい海岸。
国引き神話と国譲り神話の舞台となった聖地で、旧暦の10月には出雲大社の「神迎神事」が催されます。

浜の中央にそびえる弁天島や、その上に建つ小さな祠も神秘的。

北に見える島根半島の松林や、南にのびる壮大な海岸線は、まるで一幅の絵画のようです。

住所:出雲市大社町杵築北稲佐
駐車場:あり
(普通車84台)

<アクセス>
車/出雲大社から約3分
徒歩/出雲大社から約15分
バス/JR出雲市駅から一畑バス「日御碕線」で「稲佐の浜」下車・徒歩すぐ(約40分:1日4本のみ)


一幅の絵画のよう

稲佐の浜の見どころは?

『稲佐の浜』には以下のような見どころがあります。
それぞれに神話や伝説が残っていて、出雲の悠久の歴史を感じられます。

弁天島(べんてんじま)

弁天島(べんてんじま)

『稲佐の浜』の浜辺にそびえる高さ約20mの島。
昔は沖にあり、「沖ノ御前」または「沖ノ島」と呼ばれていました。

それが年々潮が引いていき、今では海と浜の境い目に立っています。

弁天島

干潮の時には島のまわりが砂浜になるので、歩いて周囲を一周できます。
そして満潮の時には、島のすそが海に浸かります。

※島のまわりは潮の流れが複雑なため、海の中を歩く場合は足をとられないようにご注意ください

「弁天島」という名前の由来は、神仏習合の時代に七福神の弁天様=弁財天が祀られていたから。

現在は海の神様・豊玉毘古命(とよたまひこのみこと)が祀られています。

屏風岩(びょうぶいわ)

屏風岩(びょうぶいわ)

「弁天岩」の北東約300メートルには、こちらも国譲り神話の舞台となった「屏風岩」があります。

出雲大社のご祭神・大国主大神(おおくにぬしのおおかみ)と、天照大御神の使者として訪れた建御雷之男神(たけみかづちのおのかみ)が、国譲りの交渉をした場所だと伝わっています。

そのため「国譲り岩」とも呼ばれています。

薗の長浜(そののながはま)

薗の長浜(そののながはま)

『稲佐の浜』の南には、見渡す限りの海岸線が広がっています。
ここは「薗の長浜(そののながはま)」と呼ばれていて、約8kmもある長大な弓状の浜。

国引き神話で大国主大神の祖父神の八束水臣津野命(やつかみずおみつぬのみこと)が、新たな土地(現在の島根半島)を引きよせた綱が姿を変えたものだと伝わっています。

お天気の良い日には、約50km西にそびえる「三瓶山(さんべさん:標高1,126m)」まで見渡せます。

日が沈む聖地 出雲 『稲佐の浜』は朝と昼も美しいけど、日本遺産の「日が沈む聖地 出雲」に認定された日没が特に見事!

『稲佐の浜』の北にある大社漁港から、夕刻に出発するサンセットクルージングでも鑑賞できます。

日が沈む聖地 出雲 「日本の渚100選」にも選ばれた風光明媚な浜辺。
出雲大社の「神迎神事」が行われる神聖な土地で、そばに住宅街があるので静かに散策しましょう。

※海水浴は現在海開き(管理団体や監視員)がなくなり、離岸流もあるためおすすめしません

大社湾クルージング~稲佐の浜と出雲の沿岸を海から鑑賞!~

『稲佐の浜』に行くなら、ぜひ参加してみたいのが「大社湾クルージング」
『稲佐の浜』の北にある大社漁港から乗船できます。

お申込み:出雲遊覧公式サイト から
所要時間:約40分
(乗船時間は約30分)
アクセス:稲佐の浜から徒歩10分(大社漁港)
※要予約(空席があれば当日予約も受付)
※荒天時、予約人数が5名に満たない場合は運休
※料金・発着時刻などは公式サイトでご確認ください

<大社湾クルージング動画>

海からながめる出雲は、陸から見るのとは一味違った景色!

高さ日本一の出雲日御碕灯台、絶壁や奇岩が連なる島根半島の西岸や、『稲佐の浜』からのびる約8kmもの「薗の長浜(そののながはま)」など、見どころがいっぱいです。

クルーズ船

「筆投げ島」や「つぶて岩」などの奇岩や、国引き神話の縄をかけた杭だと言われる三瓶山(さんべさん)の遠景なども必見。

クルーズ船の席は1F席と屋上席の2タイプあり、景色をしっかり楽しみたいなら視点の高い屋上席がおすすめです。

クルーズ船

もちろん『稲佐の浜』とそこに立つ弁天島も美しく、神在月に海からおいでになる神々の視点で鑑賞できます。

「大社湾クルージング」には1日3便+夕刻便の計4便があり、日没に合わせて出発する「夕刻便」では、日本遺産になった壮大な夕日を楽しめます。

(夕刻便の出発は16:00頃〜18:30頃/季節と日没時間によって変更)

神事

稲佐の浜の神事 ~神迎神事・神迎祭~

『稲佐の浜』は、出雲大社の「神迎神事(かみむかえしんじ)」「神迎祭(かみむかえさい)」の斎場でもあります。

旧暦10月10日の夜19時から、日本全国の八百万の神々をお迎えするために、おごそかな神事が執り行われます。

このとき出雲を除く土地では神様がご不在となるため、「神無月(かんなづき)」と呼びます。
逆に出雲では、全国の神々が集うため「神在月(かみありづき)」と呼びます。

※観光イベントではないので観客席などはありません
※感染防止対策のため、見学・参列を制限される場合があります(
出雲大社HP にてご確認ください)
※フラッシュ撮影は神事の妨げとなるため禁止です
※『稲佐の浜』には神様の通り道の菰(コモ)が敷かれますので、その上は歩かないでください。

神迎神事・神迎祭

出雲大社の「神迎神事・神迎祭」は、大まかに以下のような流れで執り行われます。

・『稲佐の浜』で御神火を焚き、八百万の神々をお迎えする
・大国主大神の御使神の龍蛇神(海蛇の神)のご先導で、神々が出雲大社まで御神幸される
・出雲大社神楽殿で「神迎祭」が執り行われる
・神々が出雲大社本殿の東西両側にある、御宿社(神々がお泊りになられる宿)の「十九社(じゅうくしゃ)」にお鎮まりになる

神等去出祭

こうして八百万の神々をお迎えした出雲大社では、神在月の間に「神在祭(かみありさい)」や「縁結大祭(えんむすびたいさい)」などが催されます。

最後に出雲大社拝殿にて「神等去出祭(からさでさい)」が執り行われて、神々の御出立をお見送りします。

直会

その後、神々は出雲市の斐川町にある「万九千(まんくせん)神社」にて「直会(なおらい)」と呼ばれる宴会を開かれてから、それぞれの国にお帰りになると言われています。

神話と神々の面影が息づく

神話と神々の面影が息づく『稲佐の浜』。
出雲に旅行するなら、ぜひ訪れたいパワースポットです。

- DATA
稲佐の浜

HPhttps://www.izumo-kankou.gr.jp/213

住所:島根県出雲市大社町杵築北

お問い合わせ:0853-53-2298
(神門通り観光案内所/営業時間:9:00~17:00/定休日なし)
駐車場:あり(普通車84台)

<アクセス>
バス:JR出雲市駅から一畑バス「日御碕線」で「稲佐の浜」下車、徒歩すぐ(約40分:1日4本のみ)
徒歩:出雲大社から15分(約1.2km)

出雲大社から3分
JR出雲市駅から20分
出雲空港から35分

取材協力・ 写真提供: 一般社団法人 出雲観光協会・公益社団法人 島根県観光連盟/無断転載禁止
ライター:風間梢(プロフィールはこちら

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