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出雲神話の姫神様の神社で、幻の「横田小そば」を味わう! 【姫のそばゆかり庵/島根県奥出雲町】

2021年4月18日

幻の横田小そば その美味しさと希少さから「幻の横田小そば」と呼ばれている、奥出雲の「在来種そば」を食べさせてくれるお店。
「在来種」とは、その土地の風土に育まれたその土地ならではの品種。
中でも蕎麦の在来種は、粒を大きく改良された「品種改良種」よりも味が濃く、風味も素晴らしいと評判です。

そんな「横田小そば」を全て奥出雲町産で提供!
蕎麦に続き、お米や野菜・果物などの食材も、お店の畑で自ら栽培しています。

お店の内観

蕎麦もお米もぜんぶ奥出雲町産! 安心・安全な里山のごちそう。

出雲の山あいにある奥出雲町。
ここは「蕎麦の町」として有名で、かつて絶滅しかけた幻の「横田小そば」など、たくさんの「在来種そば」が今も作られています。

そんな蕎麦のメッカでもひときわ人気なのが、この『姫のそばゆかり庵』。
一度食べれば忘れられない美味しさの「横田小そば」を、‟石臼挽き・手打ち・つなぎなし”の十割そばで食べさせてくれます。

さらに‟お米の西の横綱”と呼ばれている仁多米(にたまい)のおにぎりも好評で、こちらは自家栽培のハデ干し!(収穫した稲を束ねて天日で干す、昔ながらの乾燥方法)

野菜や果物などはすべて自家栽培で、スサノオノミコトがヤマタノオロチから助けたお嫁さん・稲田姫(クシナダヒメ)を祀った神社の中にあるという、特別なロケーションも人気です。

神社の裏の畑で作った野菜や果物 美味しさと食の安全にこだわる、自給自足のおそば屋さん。
在来種の蕎麦・昔ながらのハデ干しのお米・神社の裏の畑で作った野菜や果物など、すべての食材が奥出雲町産!

味の濃さも香りの強さも格別 蕎麦の名所・奥出雲町の「在来種そば」の美味しさは、全国のそば通たちの間でも評判!
味の濃さも香りの強さも格別で、一度食べれば忘れられない味。

稲田神社 『姫のそばゆかり庵』がある稲田神社は、スサノオノミコトのお嫁さん・稲田姫をお祀りした由緒正しい神社。
縁結びや安産・美容などのご利益があるので、おそばを食べに来たらぜひお参りしてみよう!

何を注文してもハズレなし! 奥出雲の蕎麦の美味しさに感動。

『姫のそばゆかり庵』のメニューは、どれも奥出雲町産の蕎麦の美味しさをしっかり引き出したもの。出雲伝統の「割子そば」や「釜揚げそば」も、独自のアレンジでさらに美味しく味わえます。
中でもおすすめなのが、以下の3品です。

①横田小そばのそば御膳 ※数量限定

贅沢なセット

仁多米コシヒカリのおむすび

一膳で幻の「横田小そば」と奥出雲の豊かな食材をたっぷり味わえる、贅沢なセット!
『姫のそばゆかり庵』で一番人気のメニューです。

【セット内容】
・在来種「横田小そば」の割子そば
・ハデ干し(天日干し)の仁多米コシヒカリのおむすび
・季節のお惣菜数種 ※日替わり
・季節のスープ ※日替わり
・小さなデザート ※日替わり
・そば湯

「横田小そば」や仁多米のおにぎりはもちろん、奥出雲町産の高原野菜で作られたお惣菜の数々も、滋味あふれる味わい。

お惣菜・スープ・デザートは日替わりなので、何度も通いつめて注文するファンもたくさん。そのためすぐに売り切れてしまうので、これがお目当ての方はなるべく早めに行きましょう!

②釜揚げ割子2枚

温かい「釜揚げそば」と冷たい「割子そば」を一緒に味わえる

温かい「釜揚げそば」と冷たい「割子そば」を一緒に味わえる、これまた贅沢なセット。
どちらも出雲の伝統的なそばで、「割子そば」は丸い器に盛られたそばに、薬味と出汁を直接かけていただきます。

そして「釜揚げそば」は、ゆでたお釜から器に直に盛りつけて、濃いめの出汁をお好みでかけていただきます。
専用のトロみのある「そば湯」がかかっているので、濃厚なそばの風味が楽しめます。

③奥出雲そば三昧

「横田小そば」と「品種改良種」を食べ比べできるセット。
どちらの蕎麦も奥出雲町産で、濃厚な味わいの「横田小そば」と、香りの強い「品種改良種」のそれぞれの特徴を楽しめます。

期間限定のドリンクやデザート 期間限定のドリンクやデザートも、しそジュースや蕎麦かりんとうなど、お蕎麦屋さんと奥出雲町ならではのもの。
添加物不使用の体にやさしい甘さがうれしい!

ゆかり庵の畑マップ お店のまわりは絵に描いたような美しい日本の里山。
散策用のマップ(ゆかり庵の畑マップ)があるので、食後は気ままな散策を楽しんで。

奥出雲町にしかない「横田小そば」の美味しさの秘密とは?

「横田小そば」は、蕎麦本来の味が濃厚に漂う特別なそばです。
噛めば噛むほど味わい深く、口の中いっぱいに広がる豊かな香りがたまりません。

その秘密は、収穫量を多くするために改良された品種にはない、原種ならではの味。
粒を大きく改良された「品種改良種」は、旨みや風味の元となるタンパク質が多い甘皮や胚芽に比べて、デンプン質が主成分の胚乳が大きく、そのぶん味が薄くなる傾向にあるのです。

「横田小そば」は品種改良種の約半分ほどと小粒ですが、その中に強い甘みと濃厚な風味が凝縮されています。
そのため味も香りも素晴らしい、旨みたっぷりの蕎麦が打てるのです。

厳選された蕎麦 『姫のそばゆかり庵』の蕎麦は、日照時間の長い畑で育てられたものを厳選している。
そのため栄養がたっぷり詰まっていて、味も風味も濃厚!

「横田小そば」の故郷・横田地区 蕎麦は寒暖の差で甘さを蓄えるため、島根の高原地帯にある奥出雲町ではとても美味しい蕎麦が育つ。中でも標高の高い畑で作られた蕎麦は、同じ奥出雲町の標高の低い畑と比べても味が濃い。
そんな「横田小そば」の故郷・横田地区ならではの蕎麦を厳選!

大切に自家栽培した幻の「横田小そば」は、ずっと守り伝えたい奥出雲町ならではの味。

このように、とても貴重で美味しい「横田小そば」。
でもその収穫量は、なかなか思うようには増やせないそうです。

その理由は、一本の苗にみのる実が少なくて、その粒も小さいため。
さらに普通の蕎麦と比べて収穫期が遅いため、台風の影響を受けるリスクもあります。

「例えば同じ面積で『横田小そば』を栽培しても、普通の蕎麦と比べて半分以下の量しか収穫できません。さらに美味しく育てるには、肥やしを入れて地力を高めなくてはなりません。
また、昨今の温暖化のために畑の標高を上げていかないと、昔ながらの味わいを残せなくなってきてます。このように育てる労力は並大抵ではなく、その年の天候しだいでは赤字が出るリスクまであります」

こう語るのは、『姫のそばゆかり庵』の店主の山中将道さん。
『横田小そば』の味に惚れ込み、先代の店主からお店を継いで、奥出雲町に移住してきました。

「そして他の品種との交雑(別の畑から飛んできた花粉で意図しない交配が起きること)を防ぐために、隔離された畑で栽培しています。
さらに本来の味を守るために、種子は毎年更新しています。
私は広島からの移住者で、元々はサラリーマンをしていたのですが、このとても手間がかかるけどとても美味しい『横田小そば』に魅了されて、『横田小そば』に関わる仕事がしたい、と思って奥出雲町に移住しました。
標高が高くて昼夜の寒暖の差が激しい奥出雲町でないと、この濃厚さはだせない特別な蕎麦です。ぜひ奥出雲町に訪れて味わってみてください」

自ら惚れこんで、手ずから畑で育てた「横田小そば」。
それにかける山中さんの情熱はひとしおです。

石臼挽き・自家製粉のそば粉 その美味しさから、食べた人たちに「ぜひ横田小そばを栽培し続けてください!」と熱く応援されるという『姫のそばゆかり庵』。
奥出雲町も町をあげて「横田小そば」の保存と普及に努めていて、秋には町のお蕎麦屋さんと「そば打ちグループ」がこぞって参加する「奥出雲 新そばまつり」が開催される。
(石臼挽き・自家製粉のそば粉)

お店の外観

「『姫のそばゆかり庵』は、病気で引退した先代から受け継いだお店です。
かつては『ゆかり庵』のある稲田神社が寂れきっていて、もともと氏子がいなかったこともあって、幣殿はボロボロ、境内や庭には草がボウボウというひどい有り様でした。
スサノオノミコトがヤマタノオロチから助けた稲田姫(クシナダヒメ)を祀った由緒正しい神社なのに、参拝する人もほとんどいない、という寂しい状態だったそうです。
その様子を見かねた当店の先代が、『境内にある庭や、風情ある社務所を活かして何かお店ができないだろうか?』と地元の宮司様に相談したことから、『姫のそばゆかり庵』がスタートしました」

お店の内観

「奥出雲の食材を使って、風情ある社務所をお店にして、きれいな庭や歴史ある神社を眺めながらゆったりお食事を楽しんでいただきたい――そんな人々の憩いの場となれるように、と大切に営んできました。
そんな『姫のそばゆかり庵』に、ぜひ奥出雲ならではの蕎麦を食べにいらしてください」

奥出雲町は自然にやさしい循環型の農業や、やはり自然との循環を考えた「たたら製鉄」が行なわれていたことから、町全体が‟日本農業遺産”に認定されています。

『姫のそばゆかり庵』が実践しているのも、まさにその「循環型」の農業。
石臼で挽いた後のそば殻や、ハデ干しした後の仁多米の稲わらは、地元の牛飼いの人達に引き取られて牛のエサになります。
そしてそれを食べた牛のフンは、地力を上げるための肥やしとなって再び畑に還されます。

自然と調和して、地元の食文化を守り伝える『姫のそばゆかり庵』。美味しいお蕎麦の背景に、そんな豊かなストーリーがあることが感じられます。

店頭では季節の食材などを販売 店頭では安全で美味しいハデ干しのお米や、こだわりの季節の食材などを販売。
蕎麦と料理の美味しさに感動したら、ぜひお土産にしてみて。

食材を育てている田畑 「‟食の安全”を第一に、毎日食べ続けられる食材を提供しています」
と語る山中さん。

それらの食材を育てている田畑で、季節ごとに田植え・お米のハデ干し・ブルーベリーの摘み取りなどの体験も実施。
GWや蕎麦の花が咲く9月頃には、そば畑で野外カフェなどのイベントもあり。
お店のFacebookでスケジュールをチェック!

稲田姫を祀った由緒正しい神社

- DATA
姫のそば ゆかり庵

HPhttps://www.facebook.com/himenosobayukarian/
住所:島根県仁多郡奥出雲町稲原2128-1 稲田神社内

電話:0854-52-2560
営業時間:11:00~14:30(L.O.14:30)
休日:毎週火曜・毎月第3水曜
※祝日の場合は営業
※神社行事や冬季休業あり

料金: 1人単価 1,000円~

取材協力・ 写真提供: 姫のそば ゆかり庵 等/無断転載禁止
ライター:風間梢(プロフィールはこちら

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