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美味しいお米と食べる人を縁結び! 島根の通なお米屋さん。
日本の食卓に欠かせないご飯。
「どうせ食べるなら、より美味しくて自分好みのお米を食べたい!」
とは思いませんか?
そんなお米好きの人にぜひ一度訪ねていただきたいのが、この『藤本米穀店』。
松江市にある明治26年創業の老舗で、「ごはんソムリエ」の資格を持つ社長の真由(まさよし)さんで5代目になります。
その確かな目利きで自ら産地を訪ね歩き、探し出したお米がいっぱい!
誰がどのように育てて、どんな肥料を与えたのかまで確認して、安心・安全で美味しいお米を取りそろえています。
ぜひ食べてみたい、知る人ぞ知る島根の美味しいお米! ~オススメのお米~
『藤本米穀店』では、お好みによってお米を選べるように、とっても親切な表示や解説をしています。
例えば産地・生産者・品種・栽培方法などで、お米を細かく分別。
さらにいろんなお米を少量ずつ試食できる「お試しセット」や、安全にこだわった無農薬米、アイガモ農法米、古代米など、とにかくたくさんのお米を取りそろえています。
そんな『藤本米穀店』のお米の中でも、特にオススメのお米をうかがってみました。
●仁多米「大峠源流米」(品種:コシヒカリ)
島根県の奥出雲町で作られている仁多米(にたまい)は、「お米の西の横綱」と呼ばれている、お米界の有名ブランドです。
その仁多米の中から、さらに産地を選んで特に美味しいお米を厳選!
「大峠源流米」が育てられた奥出雲町大馬木の大峠地区は、標高600mを超える高冷地です。
仁多米の産地の中でも最高峰の高さで、その澄んだ空気とキレイな水、昼夜の寒暖差のおかげで、とっても美味しいお米になりました。
●吉田町「うやま米」(品種:つや姫)
島根県の中でも農業がさかんで、美味しいお米や野菜がたくさん作られている雲南市。
中でももっとも山奥にある、吉田町の宇山(うやま)地区で作られた、新進気鋭のブランド米です。
‟島根を代表する美味しいお米”として、なんと台湾にまで輸出!
さらに「宇山米」を作っている「宇山営農組合」さんは、島根のお米の大元となる「種もみ」の約半分を栽培しています。
そんな大切な仕事を任されるほど栽培技術が高いので、もちろん「うやま米」の美味しさもダントツ!
『藤本米穀店』のお米の中でも、断然オススメのお米だそうです。
さらにミツバチの減少に影響していると言われる「ネオニコチノイド系農薬」は不使用なので、安全性もバツグン♪
●吉賀町「注連川(しめがわ)の糧」(品種:きぬむすめ)
‟清流日本一”に7回も選ばれた「高津川」の水で育った、清らかで安全なお米。
「米・食味分析鑑定コンクール」で何度も受賞していて、全国的にもトップクラスの品質です。
美しい高津川とその周辺の環境を守るために、農薬や化学肥料は極力使っていません。
そのため除草の手間がとてもかかる反面、収穫できる量は少ない、というとっても貴重なお米です。
そうして自然に保った土の栄養が、稲の1本1本にしっかり行き渡っているので、味の良さはお墨付き♪
こちらも「ネオニコチノイド系農薬」不使用で、安全なお米にこだわる方も大満足です。
美味しいお米は「生産者さん」と「育て方」で決まる! 名前だけでなく、作った人と土地を見て。
お米を選ぶ時、まず気になるのは「〇〇産コシヒカリ」等の名前かもしれません。
「ですがこれは、必ずしも美味しいお米の保証にはなりません」
と、藤本さんは言います。
「お米は精米して袋詰めすると、一見どれも同じに見えるかもしれません。ですが実は、作られた田んぼの土や気候、生産者さんの育て方などによって、味はそれぞれ違ってきます。ですから同じパッケージに入った同じ名前のお米でも、田んぼや生産者さんによって、味は細かく異なります」
これは
「同じお米なのに、味や出来にムラがある」
という意味ではなく、
「より丁寧に真面目に作られたお米ほど美味しい!」
という意味。
そんな真面目な生産者さんや、お米作りに適した土地で作られたお米を、『藤本米穀店』は厳選しています。
「当店は生産者さんや地域ごとにお米を分別して、本当に美味しいお米を選りすぐっています。
こうした独自のブランド化によって、お客様にお米が作られた背景をしっかりご紹介しています。
ひとつひとつのお米の背景を知って、その由来に想いをはせていただければ、日々の食卓がより豊かに美味しくなると思います」
日本人にとって空気のように当たり前で、身近な存在のお米。
ですが空気が無くなったら人は生きていけないように、お米が無かったり美味しくない食卓は、とても味気ないものになってしまうでしょう。
だからこそ、毎日食べるお米をより深く知って、食事を豊かにしてみてはいかがでしょうか?
お米を売るだけでなく、産地と生産者さんも応援! お米屋さんの新たな挑戦。 ~美味しいお米を作り続けてもらうために~
『藤本米穀店』は、ただお米を売るだけのお店ではありません。
お米の産地と生産者さんを応援するために、お店を飛び出していろんな取り組みを行なっています。
そのひとつが、先にご紹介した「うやま米」のブランド化。
藤本さんが
「本当に美味しい、素晴らしいお米だ!」
と感動したその味を広めるために、「うやま米」としてのブランド化と、台湾への輸出のお手伝いを買って出ました。
さらに生産者さん達がより意欲を持ってお米作りを続けられるようにと、その作業のサポートもしています。
そのきっかけは、
「お米作りで特に大変なことはなんでしょうか?」
と藤本さんがお米農家さんに聞いたときに、
「なんと言っても草刈りです」
という答えが返ってきたこと。
これは島根米の産地の中でも、特に山奥にある雲南市吉田町の、さらに奥の宇山地区だからこその深刻な悩みでした。
草刈りは1回のお米作りにつき、3回も4回も、時には猛暑の中で作業しなくてはなりません。
さらに重い草刈り機を手で何度も振りながら、えんえんと立って作業する、つらくて厳しい重労働です。
ですがこの草刈りが、お米作りにとってとても重要で欠かせないのも事実。
なぜならお米に付く虫は、実はお米よりも周囲の雑草めがけてやって来て、さらにお米を食べたり病原菌をうつしたりするからです。
「ですから草刈りをきちんと行わないと、良いお米は作れません。それほど大切な作業なのに、とにかく重労働なので『少しでも楽にならないだろうか?』と、応援するイベントを始めました」
それは地域の外から、農業や田舎にあまり馴染みがない、草刈りを‟非日常の体験”として楽しめる人達を呼んで手伝ってもらうイベント!
まずは草刈り機の使い方をレクチャーして、午前中いっぱい草刈りをしてもらい、お昼に宇山地区の人達が作った「うやま米」と里山グルメをご馳走。
こうしてお米とお米作りに親しんでもらって、食べる人と作る人をつなげ、生産地の課題やいろんな問題の解決に取り組んでいます。
この「草刈り応援隊」を含む「里山照らし隊」の活動は、どんどん広がっています。
美味しいお米を売るお店だからこそ、それを作ってくれる生産者さん達と地域を応援!
島根の美味しいお米を陰に日なたにサポートする、未来型のお米屋さんです。
- DATA
有限会社 藤本米穀店
HP:https://fujimotobeikoku.com/
オンラインショップ:https://fujimotobeikoku.shop-pro.jp/
住所:島根県松江市東本町3丁目15-1
電話:0852-21-2900
営業時間:
月~金 / 10:00~17:00
土 / 9:00~12:00
定休日:日曜・祝日
取材協力・
写真提供:
有限会社 藤本米穀店/無断転載禁止
ライター:風間梢(プロフィールはこちら)