カカオ豆の買い付けからチョコレートの包装まで、全ての工程を自社で完結させているこだわりのチョコレート工房『La chocolaterie NANAIRO(ラ・ショコラトリ・ナナイロ)』。最高の品質を保つために、一度に作る量を30㎏と制限し、ナンバリングをして管理している。
2015年にオンラインで販売を開始し、その年の冬にはカナダ人チョコレートライターDoreen Pendgracs氏による“世界で美味しいチョコレート10選”に選ばれた(ニュージーランドの情報サイトに掲載/現在は閉鎖中)。
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独自の製法と情熱で、カカオ豆の無限の可能性を追求する『La chocolaterie NANAIRO(ラ・ショコラトリ・ナナイロ)』
なめらかで香り高い、ひとかけらのチョコレート。
それらはいつの時代も人々の心を潤してきました。
古くは神様への捧げ物にされ、薬や貴人のご馳走にも珍重されて、ゲーテやショパンをはじめとする芸術家達に多大なインスピレーションを与えてきました。
そんなチョコレート本来の製法にこだわって、工夫と試行錯誤を重ねた特別なチョコレート。それが『La chocolaterie NANAIRO(ラ・ショコラトリ・ナナイロ)』の「bean to bar(ビーン・トゥ・バー)」チョコレートです。
「bean to bar」とは、原料のカカオ豆からチョコレートに仕上げるまでの全行程を、同じ作り手が一貫して担ったチョコレートのこと。
「bean to bar チョコレート」の専門店である『La chocolaterie NANAIRO』は、カカオ豆本来の味や香りが活きた、香りもコクも豊かなチョコレートをラインナップしています。
ほとんどの工程を手作りで作られた『La chocolaterie NANAIRO(ラ・ショコラトリ・ナナイロ)』のチョコレートは、いずれも際立った個性を放っている(カカオ豆の殻むき)。
『La chocolaterie NANAIRO(ラ・ショコラトリ・ナナイロ)』では、カカオ豆の買付・選別・焙炒(ばいしょう/ロースト)・コンチング(精練)・テンパリング(カカオ豆から作ったチョコレートを温め、カカオバターの粒子を整えて風味や口当たりをまろやかにする作業)・成形・包装に至るまで、すべてを自社工房で一貫して行なっている。
『La chocolaterie NANAIRO(ラ・ショコラトリ・ナナイロ)』では、“日本のチョコレート”らしい四季の移ろいを感じられるように、春と秋に毎回テーマを設けた新作コレクションを発表している。ダークチョコレート4種・季節の素材をトッピングしたシーズナルタブレット・ホワイトチョコレートの計6種で、夏と冬には遊び心あふれるミニコレクションが登場する。
パッケージデザインも自社で行っており、コレクションごとに一新されるビジュアルも楽しみ。
出雲の地から“ここにしかない”チョコレートを発信
『La chocolaterie NANAIRO(ラ・ショコラトリ・ナナイロ)』は、シーズンごとに限定した産地のカカオ豆でチョコレートを作っています。その理由は、ほんの少し作り方を変えただけで、同じカカオ豆が全く違ったフレーバーを醸し出すから。
時にはより複雑なフレーバーを求めて、メインのカカオ豆に別の産地のカカオ豆をブレンドした「ブレンドチョコレート」を作ることもあります。こうして1年以上の期間をかけて、次のカカオ豆へとコレクションをバトンタッチしていくのです。
さらに『La chocolaterie NANAIRO』が一度に作るチョコレートの量は、わずか約30㎏しかありません。そして、そのひと釜ごとにバッチナンバーを付けて、カカオ豆の産地やチョコレートの製法・フレーバーなどを管理しています。
この手間とこだわりは、食べた人々により深くチョコレートを楽しんでもらうため。そのために、ひとつひとつのチョコレートに“フレーバーノート”という「味の説明書」を付けています。
こうして自らの目と手でしっかり管理・製造された極上のチョコレートを、責任と誇りをもって届けているのです。
「味と品質を管理できる量しか作らない」のが『La chocolaterie NANAIRO』の大きなこだわりのひとつ。
『La chocolaterie NANAIRO』の“フレーバーノート”にはカカオ豆の産地・テイストの特徴・それぞれのチョコレートに合うフードやドリンク等が記されている。さらに表はチョコレートの個性をビジュアル化したグラフィックとなっており、目と舌の両方でチョコレートの魅力を知ることができる。
ほぼ全ての工程が手作り、理想の「美味しさ」を追求したナナイロのチョコレート
『La chocolaterie NANAIRO(ラ・ショコラトリ・ナナイロ)』のこだわりは、まだまだ留まることを知りません。
チョコレートを練る作業に使う巨大なモーター式の石臼と、カカオ豆のローストに使う家庭用オーブン以外は、基本的に全て手作業。これは機械でなければ成し得ない工程と、手間はかかっても手作業でなければ成し得ない繊細さの両方を、トライ&エラーで突き詰めていった結果だそうです。
試行錯誤の末にたどり着いた製法で、唯一無二の味を実現しています。
さらにカカオ豆の産地ごとに何種類ものチョコレートを作るお店が一般的な中で、ひとつの産地のカカオ豆の魅力をとことん追求。「数億ある」とも言われるチョコレートの製法を駆使して、ただ1種類の豆から全く違うフレーバーをいくつも生み出しています。こうして『La chocolaterie NANAIRO』は、チョコレートの新たな可能性を無限に広げています。
同じカカオ豆からいくつものフレーバーを生み出せる“チョコレートの魔法”。
『La chocolaterie NANAIRO』店長の西森亜矢氏は、2010年頃に食べたアメリカのBean to Bar Chocolateに感激して、クラフトチョコレートの虜(とりこ)になったそうです。そして「自分の手で作ってみたい!」と思い立ち、クラフトチョコレートの世界に飛び込みました。
ですが、西森氏が憧れたクラフトチョコレートを作るための機械は、当時は日本で買うことはできませんでした。そこでまずは作るための道具をそろえることが、一つ目の壁となったそうです。
そして独学で製法を学び、チョコレート研究で名高い広島大学名誉教授の佐藤清隆氏に師事するなどして、試行錯誤の末に自らのブランドを設立。そして2015年にオープンした『La chocolaterie NANAIRO(ラ・ショコラトリ・ナナイロ)』は、今や海外の雑誌にも掲載されるまでになり、国内外にファンを増やしています。
「出雲で作るチョコレートの季節の味を感じていただきたい」――そんな西森氏の想いを映し出した、多種多様なラ・ショコラトリ・ナナイロのチョコレート(ヌガーグラッセ)。
Bean to Bar Chocolate の世界にようこそ!おすすめのフレーバーはこれ。
可愛く美しいパッケージもあって、どれを選べばいいのか迷ってしまう『La chocolaterie NANAIRO(ラ・ショコラトリ・ナナイロ)』のチョコレート。そんな時は、西森氏おすすめの以下から味わってみましょう。
まずはカカオ含有率80%の「Batch no.36」と「Batch no.37」。高カカオでありながら、甘味もしっかり感じられるこだわりの板チョコレートです。
そして和歌山県で採れたグレープフルーツをトッピングした「Seasonal Tablet」や、地元パティスリーとコラボした「ボンボンショコラ」もおすすめ。いずれもチョコレート本来の味わいと、『La chocolaterie NANAIRO』ならではのプラスアルファのフレーバーが楽しめます。
“霧のかかった朝”をイメージした「Batch no.36」。最初はトーストしたレーズンパンと深煎りの珈琲、スモークしたナッツのような重厚感のあるフレーバーが漂い、それが人参とプルーンのサラダや赤いベリーのソース、ココナッツミルクのような明るいフレーバーに変化。最後はスッキリした苦味と渋味が広がって、カカオ豆の魅力を堪能できる。
珍しい純国産のグレープフルーツを低温で乾燥させて、瑞々しい風味を保ったままトッピングした「Seasonal Tablet」。グレープフルーツの爽やかな酸味とほのかな苦味が、ホンジュラス産カカオ豆を使用したクリーミーなチョコレートにピッタリと馴染んでいる。イメージは“東の空に昇る太陽”で、この季節限定の爽快なチョコレート。
『La chocolaterie NANAIRO』のクーベルチュール(タンザニア産カカオ豆使用)を使って、松江市の『Pâtisserie J.KOWARI(パティスリージーコワリ)』が作ったボンボンショコラ。プレーンガナッシュの「ナチュール」、トンカ豆(甘く芳しい香りを持つバニラビーンズの後継とも目されている豆)を使用した「トンカ」、アーモンドのリキュールを使った「アルザマンド」の3種類が味わえる(各24g)
このように、“出雲産のビーントゥバーチョコレート”として独自の世界を築き上げている『La chocolaterie NANAIRO(ラ・ショコラトリ・ナナイロ)』。その世界をさらに深く味わえる、『STORE & CAFE』が2018年10月にオープンしました。
高品質かつ極上のチョコレートはもちろん、地元のパティスリーとのコラボスイーツなども提供。そのハイセンスなビジュアルもあって、早くも出雲の人気スポットになっています。
ストアの内装と装飾は、チョコレートのパッケージと同じく自社でデザイン。こちらもチョコレートと共に注目を集めています。
黒×白を基調としたシックなしつらえは、そこで味わうメニューの魅力をさらに引き立てている。
松江市のスペシャルティコーヒー専門店・『IMAGINE.COFFEE』と、東京の『珈琲屋うず』が『La chocolaterie NANAIRO』のために焙煎したチョコレートと絶妙にマッチするコーヒーを、年2回入れ替わるチョコレートのコレクションに合わせて提供。
出雲の人々だけでなく、全国や海外のチョコレート通にも愛されている『La chocolaterie NANAIRO』。 今後も丁寧に作られた出雲の果物や農産物を使ったチョコレートを積極的に発信して、日本の豊かな食文化を世界に広めていきたいと考えているそうです。
ワインのごとく原料の産地や作られた季節によって味わいを変えていく、奥深いチョコレートの世界。そんな“自然の恵み”をより身近に感じてもらえるように、独自の製法で極上の“出雲産チョコレート”をお届けしていきます。
出雲地方特有の防風林・築地松(ついじまつ)が点在するのどかな田園風景を望みながら、『La chocolaterie NANAIRO(ラ・ショコラトリ・ナナイロ)』でくつろぎのひとときを。
●La chocolaterie NANAIRO(ラ ショコラトリ ナナイロ)の住所・営業時間
HP:https://chocolate-nanairo.com/
住所:島根県出雲市斐川町坂田1934
電話:0853-25-7676
営業時間:10:00~19:00
休日:なし(年末年始は休業)
取材協力・
写真提供:
La chocolaterie NANAIRO/無断転載禁止
ライター:風間梢(プロフィールはこちら)
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