鉄分と聞くと、髪の毛と深い関係がなさそうに感じる人も多いと思います。
しかし、髪の毛の仕組みがわかると、鉄分がかなり大事な栄養素だとすぐにわかるでしょう。
足りていない女性も少なくないので、積極的に摂ったほうが無難です。
それでもネットの世界では、「鉄分のおかげで髪の毛が増えた」なんて声もあります。
ただ、何事もバランスが大事で、鉄分のとりすぎは体に毒にもなるので、極端に摂取しすぎないように注意が必要です。
女性が足りないとされている鉄分で髪の毛が生えたって本当?
鉄分のおかげで髪の毛が増えたという声は、よく聞かれます。
髪の毛を成長させるためには、血液が必要だからです。
以下のような人達だと、鉄分を摂取することにより、毛髪によい影響があるでしょう。
- 鉄分の恩恵を感じることができる唯一の症例
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- 産後のママ
- 貧血の人
ただし、髪の毛に恩義を感じられるのは、これらの一部の人だけです。
ここでいうと、「赤血球が足りていない人」が対象となります。
鉄分自体が必要な栄養素に間違いはありませんが、サプリメントなどの栄養補給が必要な方は、少数の人だけだと考えてください。
症例①産後のママ
まず、鉄分に恩義を感じられるのは、産後のママです。
赤ちゃんが生まれた後のママの体は、どうしても貧血になりやすくなります。
そして以下のように、髪の毛が成長しにくくなり、脱毛が見られるようになるわけです。
精神的ストレス,高熱,外科手術,栄養不良,大量出血,出産後脱毛,ピル中止後などの脱毛が急性休止期脱毛と分類されている。
※引用:髪の健康を考える〜美しい髪で過ごすには〜|順天堂醫事雑誌より
急性休止期脱毛症というのは、名前のとおりちょっとした短い期間のうちに、たくさんの髪の毛が抜ける症状です。
体に強いストレスが感じられた時に起こるので、産後のママの髪の毛が抜けることがあるんです。
血液の内の赤血球が足りないという明らかな原因がわかっている状態で、鉄分を摂取すれば、髪の毛が増えるのは理にかなっています。
症例②貧血の人
血液が足りなくなるのは、産後のママだけではありません。
男性であっても貧血になってしまえば、髪の毛が一気に抜けてしまいます。
様々な症状が出てくるほどの貧血になると、髪の毛の負担が増大するので注意しましょう。
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- 頭痛
- 息切れ
- めまい など
ここまでひどい貧血に悩んでいる人は、おそらく髪の毛に必要な栄養だけでなく、それ以外の部位において、酸素が正しく行き届いていない状況が考えられます。
貧血は、肺から取り入れた酸素を体の組織へ運ぶ働きをする赤血球中のヘモグロビンが低下した状態です。そのため、貧血による頭皮の酸素不足は、髪の毛の毛母細胞にも悪い影響を与えます。
※引用:鳥取県医師会より
髪の毛の成長にも、酸素は当然必要です。
体調に影響するほど血液が足りなくなっているのなら、それだけで髪の毛の本数が減ってもおかしくありません。
鉄分と髪の毛に深い関係があるのがわかる話
そこで鉄分と髪の毛の関係性について、さらに詳しく見てみましょう。
まず‘、鉄分が足りなくなって困るのは、毛母細胞が酸素不足になる点です。
どの細胞もそうですが、毛母細胞は酸素不足になる、その働きを弱めます。
栄養が足りなくなるだけでなく、髪の毛の成長には酸素も必要になります。
普段はしっかり呼吸しているだけで、必要な酸素を摂取できていますが、鉄分が足りていないと酸欠になることもあります。
それは血液中にある赤血球に含まれる「ヘモグロビン」というタンパク質と関係しているからです。
鉄分が足りなくなってくると、血中の赤血球に含まれる、ヘモグロビンの量が減ってしまいます。
ヘモグロビンは、体中に酸素を運ぶ役割があるのですが、少なくなれば酸欠になるのもイメージできるはずです。
酸欠になれば、貧血と同じような症状が出てくるので、すぐに鉄分が足りないとわかってくるでしょう。
そうなる前から、しっかり鉄分を摂っておくと、髪の毛の負担が少なくなっていきます。
鉄分を摂取し続けたら髪の毛が増える人とそうでない人は何が違う?
鉄分だけで、髪の毛が増えるのは一部の人だと紹介してきましたが、どこに違いがあるのでしょうか?
さらに具体的に紹介しているので、自分が鉄分の恩義を感じられるかどうか、確かめる意味でもチェックしてみてください。
鉄分摂取が育毛に効果がある人の特徴
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- ピンポイントで鉄分が原因だった人
- 産後の女性
- 貧血になって症状がまだ軽い人
鉄分で髪の毛の量に変化が出てくる人は、少なくとも鉄分が圧倒的に足りていない人です。
特に貧血のような症状が出た状態だと、髪の毛だけでなく、体全体に負担がかかっています。
そんな状態の人が鉄分を摂取すれば、原因に合わせて対策ができているので、量に変化が出て不思議ではありません。
鉄分摂取があまり効果がない人の特徴
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- すでに脱毛症で悩んでいる人
- 鉄分以外が原因で髪の毛が減っている人
- 貧血だと思い込んでいた人
それに対して、鉄分が原因でなかった人は、あまり髪の毛に変化はありません。
貧血だと思っていたら、別のところが原因だったなんてよくある話です。
また、すでに脱毛症の症状が出ている人も、鉄分だけが原因ではなくなっています。
そんな状態だと、鉄分ではなく、クリニックで様子を見てもらったほうがいいケースも少なくないです。
※参考:女性でも起こりうる脱毛症…種類によって対策が違うが基本は頭皮に注目!
つまり、どんな人が鉄分を摂ったほうが得策?
では、どんな人が鉄分を積極的に摂取するべきなのでしょうか?
それは、圧倒的に鉄分が足りていない状態。特に「貧血の症状が出ている人」です。
体に負担がかかっていれば、髪の毛だけでなく、体の様々なところが不調になります。
そうなる前から鉄分は摂っておくべきですが、貧血だとわかれば、すぐに対処しましょう。
脱毛症が出てからだと、鉄分だけでは髪の毛の量に変化が出ません。
早め早めの対策が必要になるので、必ず健康的な食事と、女性だと特に足りなくなる鉄分を多めに摂っておいてくださいね。
鉄分は髪の毛をきれいに保つための予防として大事
鉄分というのは、血液の量を左右する大事な栄養素です。
髪の毛だけでなく、肌の状態も変化が出てくるので、貧血にならないに越したことはありません。
酸素や栄養素を運んでくれる赤血球の量が減らないように、国が推奨する1日の摂取量を守ってくださいね。
成人の女性なら、1日に10グラム前後。サプリメントだと、気軽に摂取できるようになるので、忙しい女性ほどおすすめです。
自分に合った方法を見つけて、きれいな状態をキープできるようにしましょう。