白髪染めを選ぶ際、アッシュという言葉を目にする機会が増えました。
おしゃれな響きに惹かれる一方、「白髪でもきれいに染まるのか?」といった疑問や不安を感じる方も多いのではないでしょうか?
確かにアッシュ系カラーには、白髪と馴染みやすく透明感が出るといった魅力があります。
しかし、色落ちが比較的早い、希望の色味にするには注意が必要だといった側面も持ち合わせているため、このような不安を感じる方がいるのも事実です。
そこで以下では、アッシュ系白髪染めの基本的な知識から、美容室での「白髪ぼかし」との関係、セルフカラーで失敗を減らすコツ、そして染めた後の色を長持ちさせるアフターケアまで、詳しく解説していきます。
アッシュ系の特徴を理解し、ご自身に合った白髪染め選びにお役立てください。
アッシュの色味と白髪染めとしての魅力
白髪染めを選ぶ際に、アッシュという言葉をよく見かけるようになったのではないでしょうか?
従来の白髪染めにはなかった、おしゃれな印象があり、選ぶ人も増えています。
そこで以下では、このアッシュ系カラーが白髪染めとしてどのような魅力を持つのか、そして選ぶ前に知っておきたい注意点についても、詳しく解説するので、アッシュについて興味がある方は参考にしてみてください。
アッシュの色味を解説
まず、アッシュとは、英語で灰色を意味します。
しかし、ヘアカラーの世界では「青みがかった灰色」や「くすんだ色合い」といった意味合いで使われるのが一般的です。
アッシュ系のカラー剤に含まれる青や灰色の色素には、多くの日本人の髪が持つ特有の赤みやオレンジを打ち消す働きがあります。
この効果により、白髪染めであっても重たい印象になりません。
それだけでなく、髪に透明感を与えるため、くすみがかったやわらかい雰囲気に見せることも可能です。
アッシュが白髪染めとして人気の理由
アッシュ系カラーが白髪染めとして人気を集めているのには、いくつかの理由があります。
- 人気がある理由
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- 白髪と馴染みやすい:アッシュは灰色をベースにしたくすんだ色味のため、染めた部分との色の差が目立ちにくい。
- 透明感と軽やかさ:従来の白髪染め特有の重たい印象になりにくい。光に透けるような透明感や、ふんわりとした軽やかな仕上がりを演出しやすい。
- おしゃれな印象:白髪を活かすためのおしゃれな色味として選ばれるケースが増えている。
白髪を活かしておしゃれを楽しみたい場合、髪型選びも重要です。
白髪の量がまだそれほど多くない方は、以下の記事も参考に髪型を選んでみてはいかがでしょうか?
※参考:白髪が目立たない髪型はコレ!髪の長さや髪色を中心に選び方も詳しく解説
人気のアッシュ系ヘアカラーの種類
アッシュと一口に言っても、実際には様々な色のバリエーションがあります。
- 代表的なアッシュ系カラーの一例
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- アッシュグレー:最も基本的なアッシュ系カラー。くすんだ灰色で、クールで落ち着いた印象に仕上がる。
- アッシュベージュ:アッシュのくすみ感と、ベージュのやわらかさを合わせた色味。肌なじみが良く、上品な印象に仕上がる。
- アッシュブラウン:定番のブラウンにアッシュのくすみ感を加え、赤みを抑えた自然な仕上がりになる。
これら以外にも、ピンク系やオリーブ系と組み合わせたアッシュカラーもあります。
特にアッシュベージュは、上品な仕上がりから大人女性にも人気が高いカラーです。
知っておきたいアッシュ系白髪染めの注意点とデメリット
透明感があり人気の高いアッシュ系カラーですが、白髪染めとして選ぶ際には知っておきたい注意点もいくつか存在します。
主な注意点は以下の3点です。
- アッシュ系白髪染めの注意点
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- 色落ちが比較的早い
- 白髪が白浮きする場合がある
- 希望の色味によってはブリーチが必要になる
アッシュ系の青や灰色の色素は、髪の内部に定着しにくく、ブラウン系に比べて色味が抜けやすい傾向があります。
また、白髪はもともと色素がないため、アッシュのような薄い色素では染まりきらず、光って浮いたように見える白浮きという現象が起こることがあります。
特に市販品で自分で染める場合、この傾向が見られやすいです。
さらに、雑誌などで見る明るく透明感のあるアッシュにするには、髪の赤みを消すためにブリーチが必要な場合も少なくありません。
その場合、髪への負担が大きくなる点も考慮が必要です。
美容室で実現できるアッシュ系の白髪染めと白髪ぼかしとの関係
アッシュ系の白髪染めをきれいに仕上げた状態のまま、髪への負担を抑えたい場合、美容室での施術がおすすめです。
特に最近では、白髪を暗く塗りつぶすのではなく、デザインとして活かす白髪ぼかしという技術も注目されています。
ここでは、美容室でアッシュ系カラーを選ぶメリットや、白髪ぼかしとの関係性、そしてオーダーする際の注意点についてまとめました。
美容室で染めるアッシュのメリット
アッシュ系の白髪染めは、セルフカラーも可能です。しかし、美容師に任せることには、仕上がりの面でいくつかの利点が期待できます。
- アッシュで白髪染めをするメリット
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- 髪質や白髪の量に合わせた薬剤の調整
- ムラのないきれいな仕上がり
美容室では、美容師がその人の白髪の量、髪質、元の髪色などを細かく確認します。
その状態に合わせて、アッシュ系の染料やブリーチ剤の使用・不使用を判断し、薬剤を調整してくれる点が、セルフカラーにはない魅力です。
また、自分では染めにくい根元や後頭部なども、美容師の技術力によってムラなく均一に仕上げてもらえるでしょう。
セルフカラーでは難しい、髪の状態に合わせた細やかな対応と均一な仕上がりが、美容室で染める大きなメリットと言えます。
アッシュと相性が良い白髪ぼかしについて解説
アッシュ系の白髪染めと併せてよく聞かれる技術に白髪ぼかしがあります。
白髪ぼかしとは、従来の白髪染めとは異なるものだと思ってください。
それは、白髪を暗く染めて隠す技術とは異なり、あえて白髪を活かすための技術を取り入れているからです。
そもそも白髪ぼかしとは、白髪の周りに明るい筋をいれる技術である「ハイライト」を細かく入れていきます。
その結果、白髪と元の髪色、そしてハイライトが自然に混ざり合い、根元から新しい白髪が生えてきても、その境目が目立ちにくくなるでしょう。
詳しく白髪ぼかしについて知りたい方は、以下の記事を参考にしてみてください。
※参考:白髪ぼかしが高いのはなぜ?仕組みを知ればわかる!コスパがいいって話
白髪ぼかしにアッシュ系が選ばれる理由
白髪ぼかしの技術とアッシュ系のカラーは、非常に相性が良いとされています。
白髪ぼかしの施術で作ったハイライト部分にアッシュ系の色を重ねると、ハイライト特有の黄みを抑えられる点が大きな魅力です。
もともとアッシュは「灰色」をベースにした色味であるため、白髪と自然になじみ、くすんだ透明感を出しやすいのが特徴と言えるでしょう。
白髪との色の差が和らぐため、全体的にやわらかくおしゃれな印象に仕上がります。
美容室でオーダーする際の注意点
美容室でアッシュ系の白髪染めをオーダーする際には、いくつか知っておきたい点があります。
- オーダーする際の注意点
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- ブリーチによる追加コストや髪への負担
- 施術時間が長くなることがある
- 美容室での定期的なメンテナンスが必要になる
まず、透明感のある明るいアッシュにするには、髪の赤みを消すためにブリーチが必要となるケースがほとんどです。
その場合、髪への負担が大きくなり、追加のコストがかかってしまうかもしれません。
また、白髪ぼかしとカラーを同時に行う場合は、通常の白髪染めよりも施術時間が長くなる傾向があります。
アッシュ系の色素は髪から抜けやすいため、きれいな色を保つにはメンテナンスも必要です。
カラーシャンプーを使用し、美容室で定期的に色味を補充する手間もかかります。
希望の色味や、かかる時間、メンテナンスの方法については、事前に美容師とよく相談しておいてください。
セルフカラーでアッシュ系の白髪染めを成功させることは可能?
美容室での施術が望ましい面もありますが、時間や費用の都合で、セルフカラーを選びたい方もいるのではないでしょうか?
しかし、透明感のあるアッシュ系をセルフカラーできれいに染めるのは、いくつかの理由から難しい面があるのも実情です。
以下では、セルフカラーでアッシュ系白髪染めに挑戦する際に、できるだけ失敗を減らすためのカラー剤の選び方や、染める時のコツについて解説します。
セルフカラーでアッシュ系に染めることが難しい理由
市販の白髪染めにもアッシュ系は増えていますが、自分で染める場合には、いくつか難しい点があるとされています。
- セルフカラーが難しい理由
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- 色ムラになりやすい
- 薬剤の調整ができない
アッシュは繊細な色味のため、薬剤を均一に塗る技術が求められます。
自分では見えにくい後頭部などは、特にムラになりやすい箇所と言えるでしょう。
また、アッシュは白髪が染まりにくい特性がありますが、セルフでは薬剤の調整ができず、塗りムラも起きやすいため、この失敗がより顕著に発生しやすくなります。
美容室のように、その人の髪質や白髪の量に合わせて薬剤を細かく調整できません。
パッケージの見本のような透明感を出すのは、かなり難しいでしょう。
セルフカラーで失敗を減らすためのカラー剤の選び方
セルフカラーでアッシュ系に染めるのは難しい面もありますが、市販品を選ぶ際に失敗を減らすため、注目したいポイントをいくつか紹介します。
- カラー剤の選び方
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- 染めやすさ(形状)で選ぶ
- 明るさ(トーン)で選ぶ
- 配合されているケア成分で選ぶ
カラー剤には、薬剤が均一に広がりやすい泡タイプや、狙った部分に密着させやすいクリームタイプなどの形状があります。
ムラが不安な方は泡タイプ、根元や生え際をしっかり染めたい方はクリームタイプなど、ご自身の技術や目的に合ったものを選びましょう。
次に明るさ(トーン)です。
明るすぎるトーンを選ぶと、白髪が染まりきらずに浮いて見えるリスクが高まります。
赤みを抑えつつ白髪もしっかりカバーしたい場合は、少し暗めのアッシュブラウンなどを選んでみてください。
あわせて、パッケージに記載されているトリートメント成分にも注目し、少しでも髪への負担を考慮した製品を選ぶのもおすすめです。
アッシュ系白髪染めの人気スタイルの一例
アッシュ系白髪染めには、どのようなスタイルがあるのでしょうか?
写真などでよく見られる人気の例をいくつか紹介します。
- 人気スタイルの一例
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- アッシュグレー × ショートヘア:ショートヘアの動きと、アッシュグレーの持つクールな印象が組み合わさったスタイル。
- アッシュベージュ × ボブ:アッシュのくすみ感とベージュのやわらかさを合わせた色味。ボブスタイルと合わせると上品で落ち着いた印象に仕上がる。
ただし、ここで紹介したようなハイライトが入ったスタイルや、明るい透明感があるものの多くは、美容室での白髪ぼかしといった専門的な技術を用いて実現されています。
市販のセルフカラーで、これらの髪型を完全に再現するのは難しい場合がほとんどです。
セルフカラーで目指せるのは、あくまで「赤みを抑えた単色のアッシュブラウン系」までと考えておきましょう。
上記のような透明感やデザイン性を求める場合は、美容師に相談してください。
アッシュ系のきれいな色を長持ちさせるアフターケアのポイント
アッシュ系の白髪染めは、その繊細な色合いから「色落ちが早い」という点が気になる方もいるのではないでしょうか?
アッシュ系の青や灰色の色素は、髪の内部から抜けやすい性質があるため、染めた後のアフターケアが非常に重要になります。
ここでは、きれいな色を1日でも長く楽しむためのケアのコツをまとめました。
色素の流出を防ぐための毎日のシャンプーと乾かし方
アッシュ系のきれいな色を長持ちさせるには、毎日の習慣が必要です。
色素の流出を防ぐための基本的なケアを解説します。
- 基本的なケアの一例
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- 38℃以下のぬるま湯ですすぐ
- 可能であれば、染めた当日はシャンプーを控える
- タオルドライはやさしく行い、すぐに乾かす
熱いお湯は髪のキューティクルを開かせ、色素が流れ出る原因となります。
シャワーは必ずぬるま湯に設定しましょう。
また、染料が髪に定着するまでには時間がかかります。
可能であれば、染めた当日のシャンプーは避けてください。
それだけでも色持ちにつながります。
濡れた髪は非常にデリケートな状態です。
タオルで髪をゴシゴシこすらず、やさしく包み込むように水分を拭き取ってください。
その後、すぐにドライヤーで乾かし、キューティクルが開いたままの状態を防ぎましょう。
黄ばみを抑えるカラーシャンプーやカラートリートメントを活用する
アッシュ系カラーのきれいな色を保つ上で、悩ましいのが色落ちです。
アッシュ系の青や灰色の色素が抜けてくると、髪に残った赤みや黄みが出てきてしまいます。
この黄ばみや赤みを抑え、きれいなくすみ感を保つためには、日々のケアで色素を補うカラーシャンプーや、カラートリートメントの活用がおすすめです。
- 役割の違い
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- 紫シャンプーなどのカラーシャンプー:毎日の洗髪で黄ばみを打ち消し、アッシュ系の色素を穏やかに補給する役割がある。
- カラートリートメント:色素を補う力に加え、トリートメント効果でカラー後のダメージ補修や保湿も同時に行える。
どちらか一方を使っても問題ありません。
もちろん、カラーシャンプーで黄ばみを抑えつつ、週に数回カラートリートメントで集中補修するなど、併用することも可能です。
白髪染めのアフターケアとしてカラートリートメントを上手に使う方法については、こちらの記事で詳しく解説しています。
※参考:カラートリートメントで白髪をカバー!満足できない人のための正しい使い方
髪の土台を補修するヘマチンを活用して集中ケアを行う
アッシュ系の色落ちが早いもう一つの理由は、カラーによるダメージで髪の内部が空洞化し、入れた色素が髪に留まれずに流れ出てしまう点にあります。
そこで重要になるのが、髪の内部を補修し、色素が定着する土台を整えるケアです。
この内部補修のために、ヘマチンが含まれたアイテムを使いましょう。
ヘマチンは、髪のたんぱく質と結合してダメージホールを補修し、髪の強度を高める働きがあります。
高濃度のヘマチンを配合した毛髪美容液「エポプレミアムヘマチン」は、シャンプーとトリートメントの間に、髪になじませるというだけの手軽なケアで、この内部補修をサポートできるでしょう。
髪の土台が整えられれば、アッシュ系色素の定着を助け、結果として理想の髪色を長持ちさせやすくなるはずです。
※参考:エポプレミアムヘマチン
紫外線や熱から守る日中のダメージ対策も必要
シャンプー時以外にも、日常生活には色落ちの原因が潜んでいます。
日中のダメージ対策も色持ちには重要です。
- 日頃のダメージケアの一例
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- 紫外線対策を行う
- ヘアアイロンなどの熱ダメージを避ける
紫外線は、髪の色素を分解する原因の一つです。
外出時は、帽子や日傘、髪用のUVカットスプレーなどを活用し、髪を紫外線から守りましょう。
また、ヘアアイロンやコテの高温も、色落ちを早める要因となります。
使用する場合は温度を低めに設定し、できるだけ短時間で済ませるよう心がけましょう。
※参考:紫外線は1年の間ずっと気を付けたほうがいい理由と頭皮への影響はコレ!
アッシュ系カラーを理解して、白髪をおしゃれに楽しもう
アッシュ系白髪染めは、赤みを抑え透明感があり、白髪を活かす白髪ぼかしとも相性が良いのが魅力です。
一方で、色落ちが早く、セルフカラーでは狙った色味を出すのが難しい面もあります。
透明感を求めるなら美容室での相談が確実です。
セルフカラーの場合は、暗めの色を選んでみましょう。これだけでも失敗が少なくなります。
染めた後は、シャンプー方法の見直しや補修ケアなど、色持ちさせるアフターケアを心がけ、きれいな髪色を長く楽しみましょう。
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