健やかな心身へ導くには、自身を前向きな方向へと向かわせてくれるセルフケア習慣の積み重ねが大切です。弾けるような笑顔が印象的な俳優・タレント、田中律子さんの「ポジティブ」の秘訣とは?沖縄のご自宅でお話を伺いました。
前向きな自分の作り方
サップヨガや釣り、サーフィン、キャンプ、スキューバダイビングなどの趣味を持ち、アクティブでいつも元気な雰囲気をまとっている田中律子さん。不調や加齢のお悩みとは縁遠いイメージですが…。
田中:ありましたよ、更年期障害。特に去年はホットフラッシュで汗が止まらない、なんてこともしばしば。撮影の時は、メイク崩れを直してくれるヘアメイクさんが大変だったと思います。でも、ホルモンバランスの乱れによって起きる、誰もが避けては通れない道だから、落ち込むことはなかったですね。周りの人に伝えて、自分も受け入れて、いつかは終わるだろうと思っている内に、本当に終わりました。
年齢を重ねるにつれ、太りやすくなった、体力が落ちてきたと感じることもあったと話しますが、そこに悲壮な空気はありません。
田中:くよくよ思い悩むより、『やったもん勝ち』と思っているからかもしれませんね。週に1~2回はジムで筋トレをして無酸素運動を、そして週に1~2回は走ったり歩いたりの有酸素運動をしています。代謝のいい体に整えれば太りにくくなるし、体力がつくのはもちろん、心も前向きに!医学界でも1日8000歩以上のウォーキングがうつ病予防になるといわれているほど、体を動かし汗をかくことには、ポジティブな心へ導ける効果があると感じています。
そのほかにも、田中さんのライフスタイルには、ポジティブにつながるヒントが。例えば食。
田中:食べることも、お酒を飲むことも、誰かと食事の時間を楽しむことも好きなので、ストイックなことはしていませんが、自宅ではなるべく体が喜ぶものを摂っています。甘味料は精製された白いお砂糖ではなく、血糖値の上昇が緩やかなアガペシロップやミネラル豊富な黒糖に。腸内環境を整えるといわれる酵素ドリンクのコンブチャは、15年近く飲み続けています。年に1度くらいは、消化器官を休めてデトックスし、腸内を活性させるファスティングも。
そして、話す言葉にも、ネガティブマインドにならないちょっとしたコツがありました。
田中:『私なんて』『歳だから』『無理』といったネガティプワードは使わないようにしています。逆に、よく使うのは『楽しんだもん勝ち』『やったもん勝ち』などの、ポーンと背中を押してくれる言葉。足踏みをして立ち止まっているくらいなら、先へ先へ進んでみよう!と、前を向くクセがついているようです。
好きなものだけを身近な場所に。余計なものを手放した身軽さやシンプルなのが心地いい。
田中:娘も25歳になったし、自分が好きな趣味を一番に考えてもいい世代かなと。シンプルに整理したものの中には、銀行口座を1つだけに絞ったことや暗証番号の整理もありますね。シンプルに暮らしを整え、オンオフのメリハリをつけて、大好きな趣味の時間を大切にすると、心身共に前向きでいれるような気がします。私の趣味がマリンスポーツやヨガということもあってか、波に乗るように、体や心をほぐすように、しなやかにそのときどきの自分の『好き』と向合っていけたらいいなと思います。
前向きなセルフケア習慣を積み重ねてはいるけれど、固定するのは好きじゃない
田中:「ずっと」と決めず、「今」にフィットするものを選んでいるからこそ、身軽に楽しめるんだと思います。今、東京と沖縄の家で二拠点生活をしていて、もう一軒、先祖代々の土地に山の家を建築中です。そちらでは、スノボやスキーを楽しもうと思案中。私の周りの60代、70代の元気よく遊んでいる人生の先輩たちの背中を見ながら、『負けてられないぞ!』と楽しみを欲張り、太陽の元で遊ぶことが、私のポジティブにつながっているようです。
楽しんだもん勝ち!体も心も柔らかく、しなやかに。
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田中 律子 Tanaka Ritsuko
1971年生まれ。1984年に芸能界デビュー。二拠点生活中。ヨガインストラクター、ダイビングインストラクターの資格を持ち、一般社団法人日本サップヨガ協会理事長、サンゴの保全活動を行うNPO法人アクアプラネット理事長を務める。「路線バスで寄り道の旅」(テレビ朝日系)に出演中。