コツコツ積み重ねた習慣が自身を作るから、いい方向へ向かわせる『ニュールーティン』への切り替えを!
やせ習慣をルーティン化したら以前より自分を好きになれたという、料理家 野口真紀さんの暮らしを伺いました。
やせる 『ニュールーティン』
料理家という職業柄は、元来、食いしん坊。おいしい食の近くで生きてきた野口真紀さんの『やせるニュールーティン』とは。
野口:すごく太っていたわけではないけれど、もっとすっきりしたい。そう思い続けて数十年。若い方と会う機会が増えた4年前、エネルギーに感化されたのをきっかけに一念発起。ダイエットに挑戦しました。
食事と運動習慣を見直して、約半年で7kgの減量に成功。ところが、そこで気づいたのが「ダイエットには終わりがない」こと。やせても、気を抜けばリバウンドしてしまうので、一生続けないと効果が続きません。ならば、無理なく続けられるルーティンを日常に組み込んで、理想体型をキープできるサイクルに自分を巻き込んでしまおうと考えたんです。
食習慣の『いる』『いらない』を選別
野口:私にとって、ナチュールワインの晩酌は欠かせないので、これは『いる』もの。いきなり、『やせる』からは程遠い話…と思われるかもしれませんが、「頑張った分、ワインがおいしくなる!」と自分へのご褒美を用意してメリハリをつけることが、自分を奮い立たせる秘訣です。ストレスフリーで続くルーティンにするなら、楽しみながらやるのが一番です。
食事の量はもちろん、内容を吟味
野口:肌や髪、筋肉の材料になるタンパク質は、積極的に摂りたい栄養素です。ワインのおつまみ兼、子どものおかずは、良質なタンパク質を食べるよう意識しています。そのほか、野菜やフルーツ、水溶性食物繊維が豊富な海藻類などが、日々使う主な食材です。たくさん水を飲み、良質な油を選ぶことも、大切にしています。
『いらない』としてやめたのは、外出先でお腹が空いた時の買い食いや、炭水化物メインの食事、そして、子どもが残したものを仕方なく食べること。余計なカロリーは削ぎ落として、必要なものだけを体に取り込むイメージで暮らしています。ご飯も白米はやめ、少量でも満足感が得られて食物繊維やビタミン、ミネラルが豊富な酵素玄米に変えました。
また、車移動が多いので、車内で食べられる昼食やおやつを持ち歩くことを習慣化して、空腹時にパンやお菓子を食べるのをやめました。
ニュールーティン・レシピ
『ひじきのサラダ』
食物繊維で腸をお掃除
腸の働きを刺激して善玉菌のエサになる水溶性食物繊維が豊富なひじきや、めかぶ、納豆などのネバネバ食材をよく摂るようにしています。
作り方(3〜4人分)
①乾燥ひじき30gは水で戻してさっとゆで、水気を切って粗熱をとる。
②にんにくのみじん切り2片分、しょうゆ大さじ1、酢大さじ2、オリーブオイル大さじ3、塩・こしょう各適量を混ぜてドレッシングを作り、①と薄切りにした玉ねぎ1/4個、パプリカ1/2個、セロリ小1本を加えて和える。
『めかじきの甘酢玉ねぎあえ』
肌や髪を作るタンパク質を意識
成長期の子どもと美しくやせたい私で、意識的に摂りたい栄養素は共通しているので、私はワインのおつまみに、子どもは夕食のおかずに。
作り方(3~4人分)
①保存袋に、紫玉ねぎの薄切り2個分、酢大さじ1/2、砂糖大さじ3、塩少々を入れて混ぜ、冷蔵庫で3時間以上漬ける。
②めかじきの切り身4枚をひと口大に切って、塩・こしょう各少々をふり、薄力粉適量をまぶして、油適量をひいたフライパンで焼く。
③②を①の半量と和える。
※甘酢玉ねぎは、スモークサーモンや炒めた肉と和えてもおいしい。
特別なことじゃなくて、持続可能なルーティンが大切だと実感
野口:私は、大好きなファッションからも自分を鼓舞しました。愛用のパンツやスカートのサイズをやせた体型に合わせてお直しして、後戻りできないように自分を追い込みました。ジャストサイズのファッションを楽しんでいます。
やせて嬉しかったのは、トップスをインした着こなしができたり、避けていた膨張色や淡い色の服を選べるようになったりしたこと。明るい色の服って、顔映りもぱっと明るくなるから、大人こそ似合う色だと思います。ファッションの楽しさが広がり、気持ちもどんどん前向きになっています。アラフィフこそ、『守り』より『攻め』の気持ちで、ちょっと新しい冒険をした方が未来は明るいし、心身共に若々しく軽やかにいられると感じています。
アラフィフは、今まで通り『なんとなく…』を続けるか『変化』を楽しむかで未来が変わる分岐点だと思うんです。
手遅れなんてことはなくて、手をかけた分、ちゃんと自分に返ってくるのは幾つになっても同じですし、むしろ経験値から育った審美眼で好奇心を持って動く方が、しなやかな美しさの糸口になると思います。
若い世代との交流
そんな野口さんが『やせ習慣』の他に心がけているニュールーティンが、若い世代と交流すること。
野口:20代の娘の友人たちに混ざっておしゃべりしたり、時には盛り上がって、私の服でファッションショーをしたり…。若い方と接すると、自分の感性の殻が破られて、前向きな刺激になるんです。
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野口 真紀 Maki Noguchi
1973年生まれ。料理雑誌の編集者を経て料理家に。大学生、小学生の2児の母でもあり、愛情と工夫が詰まったレシピにファン多数。料理教室やケータリングも行う。『仕込み5分でフレンチも和食も! ~世界一美味しい "まいにちご馳走” レシピ~』(光文社)など、著書は20冊以上。